日本畜産学会報
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60 巻, 6 号
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  • 萬田 正治, 奥 芳浩, 足達 明広, 久保 三幸, 黒肥地 一郎
    1989 年 60 巻 6 号 p. 521-528
    発行日: 1989/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    牛の色相の識別能力の有無を,牛の学習能力を利用した動物行動学的手法により検討した.そのため二叉迷路型の学習装置を用い,供試牛の前方左右に正•負刺激の色パネルを提示し,配合飼料を色パネルの後方に置き,供試牛が正刺激の色パネルを選択した場合にのみ,配合飼料が摂食できるよう学習訓練した.色パネルの左右交換は乱数表によりランダムに行ない,1セッション20試行とし,適合度の検定により,正反応率が80%以上に達した場合,供試牛はその学習実験を完了したとし,その供試色を識別出来たと判定した.供試色には有彩色として赤,緑および青の3色,無彩色として灰色を用いた.供試牛には鹿児島大学農学部付属農場入来牧場生産の牛5頭を用いた.まず赤色パネルを正刺激,灰色パネルを負刺激とした実験では,2~18セッションでいずれの供試牛も正反応率は80%を超えた.同様に緑色パネルを正刺激,灰色パネルを負刺激とした実験では1~31セッションで,青色パネルを正刺激,灰色パネルを負刺激とした実験では,2~13セッションで80%を超えた,次に赤,緑および青色の有彩色同士の実験においても,赤色と緑色パネルの識別実験における3号牛を除き,供試牛はいずれも1~16セッションで正反応率は80%を超えた.次に紫外線を除去した条件下で赤色パネルを正刺激,緑色パネルを負刺激とした実験では,供試牛はいずれも4~5セッションで80%を超えた.以上の結果より,いずれの供試牛も色相を識別出来る能力を有していることが明らかとなった.
  • 西堀 正英, 李 玉芝, 藤田 正範, 伊藤 敏男, 山本 禎紀
    1989 年 60 巻 6 号 p. 529-533
    発行日: 1989/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    暑熱環境下におけるニワトリの体温調節の日内変動の特徴を知るために,産卵鶏を4羽用い,23°Cおよび35°C恒温下の自由採食区と35°C区での採食量と同量を23°C恒温下で給与した制限給飼区の3区を設け,熱産生量,心拍数,呼吸数および体温の日内変動を調べた.日平均熱産生量は日採食量の等しかった35°C区と23°C制限給餌区で18kJ/kg0.75•h(以下kJと略す)となり,23°C自由採食区では23kJと高かった.各区とも明期に高く,暗期に低くなり,両23°C区でその差は大きかった.平均心拍数は23°C区,35°C区,23°C制限給飼区の順に高く,熱産生量と同様に明期で高く暗期で低くなった.呼吸数は両23°C区で低く,35°C区で高くなった.両23°C区では明期に高く,暗期に低くなかったが,35°C区では消灯とともに高くなり,点灯に向かって低下した.体温は35°C区,23°C区,23°C制限給飼区の順に高かった.また,両23°C区で明期に高く暗期に低かったが,35°C区では暗期の低下は認められなかった.以上のように産卵鶏では,明期と暗期との体温および各生理反応に明らかな違いが認められ,特に高温期においては明期のみならず暗期の環境管理も重要であると思われた.
  • 福原 利一, 守屋 和幸, 原田 宏
    1989 年 60 巻 6 号 p. 534-541
    発行日: 1989/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    子牛のセリ市場出荷体重を黒毛和種牛の育種に関する情報として利用することの可能性を,正規性,遺伝率の大きさおよび種雄牛のEPD (Expected Progeny Difference)の3点から検討した.材料は,宮崎県で生産され,10ヵ月齢で地域の家畜市場に出荷された黒毛和種子牛8,910頭(32頭の種雄牛の産子)のセリ市場出荷体重である.
    X2検定の結果,子牛の出荷体重分布の正規性は,雌子牛および去勢子牛のいずれの分布においても認められなかった(P<0.05),また,去勢子牛の分布は雌子牛に比べて、やや尖りが目だち,しかも分布の裾が右に伸びているという特徴を示した.しかし,子牛全体の分布は,典型的なベル型の分布を示し,正規性が認められた.
    父牛である種雄牛,性,母牛年齢,出荷年度および母牛の登録点数は,子牛のセリ市場出荷体重に対して,いずれも効果(p<0.01)を示した.7個の数学モデルを使って,同父半きょうだい相関法で推定したセリ市場出荷体重の遺伝率は0.46~0.63と他の子牛の発育形質の遺伝率に比べて高いものであった.また,BLUP法によって推定した32頭の種雄牛EPDの範囲は,使用したモデルによって若干の違いは認められるが,種雄牛間のEPD差は34.04~36.71kgといずれも市場出荷体重の全平均の10%以上にもおよびこの形質に関する種雄牛間の比較選択も容易であった.また,種雄牛の出生年次別にEPDを図示してみると,種雄牛の供用目的の推移が明らかになった.
    以上の結果より,子牛のセリ市場出荷体重による種雄牛の評価は可能であり,市場出荷体重は黒毛和種牛の育種に積極的に活用されるべきであると思われた.
  • 圓通 茂喜
    1989 年 60 巻 6 号 p. 542-547
    発行日: 1989/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    牛の視力検査法を開発する目的で,試視力用のランドルト環を用いた牛の図形識別学習を,左右に飼槽が配置されたY字型迷路で実施した.学習させた図形は,ランドルト環とその「切れ目」を無くした図形である.前者を正のパネルとして餌の摂取できる飼槽に,後者を負のパネルとして餌の摂取できない飼槽に,それぞれ配置した.ただし,左右の飼槽の正負は,どちらか一方に中蓋をするという方法で無作為に変化させた.選択反応は,10試行を1セッションとして正反応数と誤反応数を調査した.識別の判定は,連続した3セッション(30試行)における正反応数が24回(適合度の検定,p<0.01)以上であることを基準にした.ただし,学習では,この基準が3回以上連続して連成されるまで訓練を続けた.まず,正のパネルのみを配置して予備学習をさせたのち,正と負のパネルを対比させた学習を行なった.その結果,供試牛は正のパネルの飼槽を識別するようにこなった.この学習が図形の「切れ目」以外の刺激によるものでないことを確認するため以下の実験を行なった.パネルを全く配置しない場合の実験においては,供試牛は餌の摂取できる飼槽を識別できなかった.今までのパネルを正から負,負から正に相互に改造したパネルでの選択反応の実験では,供試牛は改造後のパネルの図形に対応して正しく飼槽を選択した.これらの結果は,供試牛が「切れ目」を識別の刺激として受けとめていることを示していた.最後に,視力検査で「切れ目」が見分けられなくなった状況を想定して,いずれの飼槽にも「切れ目」の無い図形を配置したところ,供試牛は餌の摂取できる飼槽を選択できなかったが,追われなければ,なかなか選択路に進入しないという問題が生じた.この問題を避けるためには,「切れ目」の無い図形を正刺激として学習させるべきであると考えられた.
  • 守屋 和幸, 福原 利一, 原田 宏
    1989 年 60 巻 6 号 p. 548-553
    発行日: 1989/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    子牛セリ市出荷時の日齢体重(以下,日齢体重と略す)に影響を及ぼす要因効果について検討を行ない,日齢体重の反復率推定値を算出した.さらに母牛の子育て能力を評価するために必要な子牛記録の数と日齢体重のMPPA値(Most Probable Producing Ability Value)との関係についても検討を行なった.分析には483頭の黒毛和種雌牛が生産した2,206頭(雄子牛1,105頭,雌子牛1,101頭)の子牛セリ市出荷時記録を用いた.これらの子牛の日齢体重について最小自乗分散分析を行ない,反復率推定値を求めた.次に,初産から連続して5頭以上の子牛を生産した146頭の母牛についてMPPA-1からMPPA-Tまでの6種類のMPPA値を算出した.まず,初産の記録のみを用いてMPPA-1を求め,次に初産と第2産の記録からMPPA-2値を求あた.以下同様にして,MPPA-3,MPPA-4,MPPA-5を算出し,最後に当該母牛が生産した全ての子牛の記録を用いてMPPA-T値を算出した.分散分析の結果,母牛,父牛,子牛の性,および母牛の産次の効果には有意な変動が認められた.日齢体重の反復率推定値は0.054±0.02であった.MPPA-1値は0.81kg/日から0.85kg/日の範囲にあり全体の53%が0.83kg/日台に集中したが,MPPA-3値からMPPA-T値では0.79kg/日から0.88kg/日の範囲に分布した.MPPA-T値とMPPA-1値からMPPA-5値との単相関係数はそれぞれ,0.519,0.854,0.911,0.949,0.972となり,MPPA-3値からMPPA-5値まではMPPA-T値と0,9以上の高い正の椙関係数が得られた.以上の結果から,セリ市出荷時の日齢体重を母牛の子育て能力の指標として利用する場合には,反復率推定値が小さい点を考慮し,かつ,少なくとも3産以上の子牛の記録を用いる必要があることが示唆された.
  • 三宅 克也, 楠原 征治, 石田 一夫
    1989 年 60 巻 6 号 p. 554-560
    発行日: 1989/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    肉豚における骨軟骨症の発生実態および病理学的特徴を明らかにするために,肉豚212頭の大腿骨遠位端を肉眼的,軟X線学的ならびに組織学的に観察した.墨汁法を用いた肉眼的観察により,75頭の遠位端内側顆の関節軟骨表面に軽度から重度の糜爛,亀裂,潰瘍がみられた.これらの病変を有する大腿骨遠位端内側顆の関節軟骨および骨端軟骨を軟X線学的および組織学的に観察したところ,軟骨細胞の広範な壊死,その隣接領域における軟骨細胞のcell-cluster形成,軟骨基質の亀裂,骨組織内の軟骨基質の残留およびこれらの領域の石灰化異常が観察され,骨軟骨症の特徴的所見が見出された.関節軟骨表面にみられた肉眼的病変はこれらの骨軟骨症病変と結び付いていた.また,肉眼的に正常と思われた材料においても,軟X線学的ならびに組織学的観察の結果,関節軟骨および骨端軟骨の病変が認められた.以上のことから,わが国の肉豚においても骨軟骨症が多発していることが明らかにされた.
  • 上田 博史, 大島 光昭
    1989 年 60 巻 6 号 p. 561-566
    発行日: 1989/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    ナツワカバ種から調製したアルファルファ緑葉蛋白質(LPC)を単一蛋白質源あるいは補足蛋白質源としてニワトリヒナと子豚に給与し,その栄養価を調べた.LPCの粗蛋白質含量と代謝エネルギー価は大豆粕とほぼ等しく,蛋白価もメチオニンを添加すれば同等に改善された.窒素の消化率はin vivoおよびin vitroでともにLPCが大豆粕より低かった.アルファルファ中の有害サポニンであるmedicagenic acid含量は既報で示したDuPuits種から調製したLPCよりもかなり低く,LPCを単一蛋白質源(CP 12%)としてヒナに与えても等窒素•等エネルギー(13.87kJ/g)のカゼイン飼料と比較して成長に差はなかった.また,血漿中の総コレステロール濃度はカゼイン飼料にコレステロールを添加すると増加するが,蛋白質源をLPCで置き換えると,置換量に比例して減少した.高密度リポ蛋白質コレステロール濃度は飼料の影響を受けなかった.豚に対するLPC飼料の選択性は前食にかかわらず低かったが,飼育試験で12kgの子豚に対して10%の大豆粕をLPCで置き換えても悪影響はみられなかった.
  • 菅原 伯, 片山 雅一, 木村 妙子
    1989 年 60 巻 6 号 p. 567-577
    発行日: 1989/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    1日の明期を延長し継続した場合の,消灯前および後の血漿プロラクチン(PRL)濃度および脳波の変化に基づいて,PRL放出への光および脳活性の関与について検討した.生後1~2年の非泌乳ザーネン種雌ヤギ5頭を,20±2°C,350ルクス,1日14時間照明(14L)下の防音室に3か月馴致した後に実験を開始した.14L(対照)での消灯後,血漿PRL濃度の急上昇および脳波の低振幅速波(FW)の出現割合いの増加が見られた.しかし,1日18時間照明(18L)へと明期を延長した場合,その第1日の明期中には,血漿PRL濃度の上昇及び脳波のFWの出現割合の増加が認められなかった.他方,同日の消灯後,血漿PRL濃度はヤギ3頭で上昇し,2頭では上昇しなかったが,脳波のFWの出現割合は全5頭で増加した.次いで18Lを継続した場合,第7日にはヤギ全5頭で消灯に伴う血漿PRL濃度の上昇が観察された.また18Lから14Lに戻した第15日において,ヤギ3頭中の2頭で,消灯に伴う血漿PRL濃度の上昇が見られた.以上の結果から,明期を延長した場合のPRL放出は,脳波によって表わされた脳活性とは無関係に,光条件の変化に対応して変化することが明らかとなった.
  • 渡辺 伸也, 桝田 博司
    1989 年 60 巻 6 号 p. 578-582
    発行日: 1989/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    農林水産省畜産試験場,茨城県筑波農林研究団地305ホスホリパーゼA2が精子の先体反応に及ぼす効果を調べるため,5または15mg/mlのBSAを含むmTAPL(modified Tyrode's solution with albumin,pyruvate and lactate)にハチ毒腺由来ボスホリパーゼA2を無添加または10および50mU/ml添加し,その中で5-7×105/mlのハムスター精巣上体尾部精子を2-5時間インキュベートした.先体反応の判定には位相差顕微鏡を用い,100個の生存精子における先体反応精子数を調べた.その結果,ホスホリパーゼA2を添加してインキュベートしたとき先体反応は3時間以内で顕著に促進され,この促進効果は低濃度のBSA存在下で強まる傾向がみられた.また,ハチ毒腺,ヘビ(Naja naja)毒腺およびブタ膵臓由来のホスホリパーゼA2について先体反応の促進効果を比較した結果,これらの間に効果の差は認められなかった.以上の実験成績より,ホスホリパーゼA2はハムスター精子の先体反応を促進する効果を有し,その効果は比較的短時間のインキュベーションや低濃度のBSA存在下で強まると考えられた.これらの事実は,精漿中に見いだされる本酵素の活性が精子の先体反応に何らかのかかわりをもつ可能性を示唆している.
  • 青木 孝良, 田中 久夫, 加香 芳孝
    1989 年 60 巻 6 号 p. 583-589
    発行日: 1989/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    カゼイン濃度が2.5%の人工カゼインミセルを調製し,ミセル形成とコロイド状リン酸カルシウム(CCP)による架橋形成を調べた.なお,すべての試料においてクエン酸は10mMとし,カルシウムとリン酸は10mMカルシウムと12mMリン酸に2:1の割合で加えた.10mMカルシウム-12mMリン酸では,ミセルもCCP架橋も形成されなかった.ミセルカゼイン含量は20mMカルシウム-17mMリン酸で全カゼインの85%,30mMカルシウム-27mMリン酸では全カゼインの95%であった。CCP架橋形成とミセル形成とは必ずしも対応していなかった.低いカルシウムとリン酸濃度で形成されたミセルでは全カゼインに比べてαs1-およびαs2-カゼイン含量が高く,β-およびκ-カゼイン含量が低かった.ミセルへのカゼイン各成分の取り込みの速度は,αs2->αs1->β->κ-カゼインの順であった.
  • 花田 博文, 村松 晉
    1989 年 60 巻 6 号 p. 590-595
    発行日: 1989/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    7/21ロバートソン型転座を保有する黒毛和種種雄牛の減数分裂における染色体分析を行なった.その結果,7/21転座ヘテロ個体においては,第一減数分裂において多くの精母細胞で鎖状などの三価染色体が認められた.第二減数分裂中期の細胞の染色体のモードは29本と30本で,染色体数が29本であった細胞では7/21転座とみられる次中部着糸型の転座染色体がしばしば観察された.染色体分析を行なった分裂中期の102細胞中4細胞が不均衡型の高一倍体細胞であった.その出現頻度をもとに推定した染色体の不分離率は7.8%であった.一方,7/21転座ホモ個体においては,不均衡な高一倍体細胞は観察されなかった.
  • 上 隆保, 吉田 繁, 大崎 和彦
    1989 年 60 巻 6 号 p. 596-601
    発行日: 1989/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    飼料中の香気成分の種類と,その量的分布を知るために,スチールサイロで調製したコーンサイレージの揮発性成分を,ガスクロマトグラフ•マススペクトロメーター(GC-MS)および水素炎イオン化検出器のガスクロマトグラフ(FID-GC)によって分析した.また揮発性成分中の各化合物の面積%および試料中の各化合物のppb濃度は,正ヘンエイコサンを内部標準に用いてクロマトグラフ用データ処理装置によって算出した.それによって,コーンサイレージの揮発性成分として27化合物を同定し,それらの面積%およびppb値は,それぞれ総計90.0および116956であった.このコーンサイレージの揮発性成分は,量的に酸類,アルコール類,エステル類が多く,それらの内プロピオン酸が主要な成分であった.また,コーンサイレージの溶媒抽出物中の酸類を,GC-MSおよびFID-GCによって分析し,22種のカルボン酸を同定した.それらの内リノール酸が主要な成分であった.
  • 小野寺 良次, 焼山 美由紀
    1989 年 60 巻 6 号 p. 602-608
    発行日: 1989/06/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    本研究では,混合ルーメン繊毛虫類から全毛類を完全除去する方法の改良を行なった.山羊から得た混合ルーメン繊毛虫類懸濁液を種々の濃度のD-マンノース溶液(緩衝液中に6%(w/v)まで)中で39°Cにてインキュベートした.その結果,4% (w/v) D-マンノース溶液(約0.250Mショ糖液に等張)で1時間処理をし,続いて,この溶液に,さらに,2% (w/v)分のD-マンノースを追加した溶液中で2時間処理を続けると,混合ルーメン繊毛虫類から全毛類が完全に除去されることが示された.本研究では,全毛類の密度は,最高時で,約40×103/ml (Isotricha: 25×103/ml: Dasytricha: 15×103/ml)であった.本研究により,全毛類の除去に要する時間を以前よりも3時間節約することができた.また,Isotrichaは,Dasytrichaよりも速くD-マンノースを摂取する傾向が認められた.
  • 刈谷 亮介, 森田 二郎, 大浦 良三, 関根 純二郎
    1989 年 60 巻 6 号 p. 609-613
    発行日: 1989/06/25
    公開日: 2008/03/10
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