日本畜産学会報
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61 巻, 1 号
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  • 斎藤 守, 高田 良三, 安藤 幹男, 八木 保善
    1990 年 61 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 1990/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    豚の妊娠後期における子宮と胎児の重量およびこれらの化学成分量に及ぼす妊娠日数,生存胎児数ならびに代謝エネルギー(ME)摂取量の影響を明らかにするために,総数で22頭の豚を用いて検討した.これら供試豚には交配時から妊娠約59日までは,中ME飼料(乾物中ME:3.20kcal/g)を1日当り平均で2.3kg給与し,妊娠60日以降は,低(乾物中ME:2.94kcal/g),中または高ME(乾物中ME:3.82kcal/g)飼料のいずれかを1日当り平均で2.3kg給与した.妊娠80日から112日の間に屠殺し,子宮全体と胎児の重量の測定およびこれらの水分(M),粗蛋白質(CP),粗脂肪(CF)および総エネルギー(GE)の分析を行なった.得られた結果を,ゴンペルツ(GOMPERTZ)曲線の対数形をモデル式として解析し,子宮総重量,平均胎児重量および子宮全体と胎児の化学成分量に及ぼす妊娠日数,生存胎児数およびME摂取量の影響を調べた.
    1. ME摂取量は,子宮全体の重量と平均胎児重量およびこれらの化学成分量に有意の影響を及ぼさなかった.
    2. 子宮全体の重量(Uw),M量(Um),CP量(Up)およびCF量(Uf)は,妊娠90日付近を変曲点として,上に凸のゆるい曲線を描いて増加した.また,子宮全体のGE量(Ue)は,妊娠90日付近を変曲点として,下に凸のゆるい曲線を描いて増加した.一方,Uw, Um, Up, UfおよびUeは,胎児数が8付近を変曲点として,下に凸のゆるい曲線を描いて増加した.
    3. 胎児当り平均の重量(Fw),M量(Fm)およびCF量(Ff)は,胎齢90日付近を変曲点として,上に凸のゆるい曲線を描いて増加した.また,胎児当り平均のCP量(Fp)およびGE量(Fe)は,胎齢90日付近を変曲点として,下に凸のゆるい曲線を描いて増加した.一方,FwおよびFmは,胎児数が8付近を変曲点として,下に凸のゆるい曲線を描いて減少した.Fp, FfおよびFeは,胎児数の増加に伴って,ほぼ直線的に減少した.
  • 秦 寛, 小泉 徹, 岡本 全弘
    1990 年 61 巻 1 号 p. 9-15
    発行日: 1990/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    5°Cと25°Cの環境下で飼育したランドレース種離乳子豚計24頭の成績を用い,離乳子豚の成長速度と体成分蓄積量に及ぼす環境温度および代謝エネルギー(ME)摂取量の影響を回帰分析によって検討した。ME摂取量(ME,MJ/日)と日増体量,蛋白質,脂肪,灰分および水分の蓄積量(DG,P,F,AおよびM;g/日)の間にそれぞれ有意(P<0.01)な一次回帰式が得られた。しかし,それらの5°Cと25°Cにおける回帰係数に有意差は認められなかった.そこで共通の回帰係数を用いて,
    5°Cと25°CにおけるMEとDG,P,F,AおよびMの関係を表わすと以下のとおりであった.
    5°C:DG=33.1ME-3.5 25°C:DG=33.1ME+126.0
    5°C:P=4.9ME+3.5 25°C:P=4.9ME+25.5
    5°C:F=7.4ME-40.4 25°C:F=7.4ME-24.3
    5°C:A=1.1ME-0.5 25°C:A=1.1ME+2.8
    5°C:M=16.7ME+45.4 25°C:M=16.7ME+122.1
    寒冷による日増体量の低下を補うために必要なMEの増給量は,環境温度1°Cの低下につき195kJ/日/°Cと算定された.寒冷による日増体量の低下をMEの増給で補った場合に,脂肪の蓄積量は温度差1°C当たり0.7g/日増加することが示された.
  • 矢野 幸男, 渋谷 泰子, 鈴木 文江, 羽田 輝美, 中村 豊郎
    1990 年 61 巻 1 号 p. 16-21
    発行日: 1990/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    豚ロース肉を試料とし,含気包装(A区),真空包装(V区),ガス置換包袋(G区)の各包装形態における5°C保管中の細菌数,pHならびにポリアミン,グルコース,乳酸,アンモニア各含量を経時的に測定した.(1) 低温細菌数が初期腐敗の指標とされている107/gに達したのは,A区で7日目,G区で8日目,V区で12日目あった.これに対し,官能評価で初期腐敗と判定され始めたのは,それぞれ8日,10日,12日目であり,低温細菌数よりもやや遅れる傾向であった.腐敗の進んだ段階における主要菌種は,G区では低温性グラム陰性細菌,V区では乳酸菌と推定された.(2) ポリアミン量の変化は,すべての試験区においてスペルミジン,スペルミンの大きな変動は見られなかったのに対し,ジアミンであるプトレシン(Put)とカダベリン(Cad)は新鮮時には検出されず,A区では7日目にCad,8日目にPut,G区では10日目にPutとCad,V区では8日目にCad,12日目にPutが検出され始めた.(3) その他の化学的指標については,pHがG区において8日目以降急激に上昇し,アンモニアは,A区が7日目以降,G区とV区は8日目以降増加した.乳酸は,A区とV区には大きな変化は見られず,G区では8日目以降減少した.グルコースは,A区とG区で6日目以降減少傾向を示し,V区では変化は見られなかった.(4) 以上の結果から,含気包装と真空包装において,CadまたはPutの合計量が初期腐敗の判定指標として有効であることが明らかになった.しかし,ガス置換包装では,同様の有効性は認められなかった。また,補助的指標として,グルコースを用いることも有効であると考えられた.
  • 中村 蔚, 稲次 俊敬
    1990 年 61 巻 1 号 p. 22-29
    発行日: 1990/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    製革工程におけるなめし剤,塩類,染料などのイオン性物質に対する革への吸着•脱着現象を界面電気的立場から検討するために,数種のなめし革を試料として,流動電位法によりゼータ(ζ)電位を測定した.
    クロムなめし革の等電点はpH6.3~6.9で,ミモサタンニン革はpH3.4であった.未鞣製皮の等電点(pH5.4)に比べてクロムなめし革の値はアルカリ性側に,ミモサタンユン革の値は酸性側に移動した.前者はコラーゲンの酸性カルボキシル基に,後者は塩基性アミノ基にそれぞれのなめし剤が結合するなめし機構を誉することが裏付けられた,
    グルコース還元クロム液によるなめし革では,粉末クロムなめし剤による革に比べて正のζ電位が高いことから,クロム液の主構成成分がカチオンクロム錯体からなるものと推定できた.コラーゲンの酸性カルボキシル基に結合したクロムにスルホン酸基を多く有するアニオン染料が染着すれば,革の正のζ電位は著しく低下することは明らかであった.
    ミモサタンニン革はタンニンの使用量が少ない時には正のζ電位を示し,多い時には負のζ電位に逆転した.これは,塩基性アミノ基に吸着するタンニン量が多くなるに従って,革の負電荷が増加してくるためと考えられた.
    熟成後の粉末クロム革は洗浄初期では負のζ電位を示し,洗浄が進むに従って正のζ電位に変化し,3回目の洗浄を過ぎると正のζ電位は平衡に達した.流動電位法により革のζ電位を測定することによって,洗浄工程の適正化の条件設定を可能とした.
    以上のことから,革の表面電位特性はコラーゲンの官能基の解離によるものが主原因であることは明らかであったが,その直接の要因は吸着した物質のイオンの種類,濃度によって決定づけられた.
    等電点を決定することは,革へのイオン性物質の吸脱着•浸透に対する最適条件を設定する手がかりを与えるものと考えられた.
  • 成田 成, 石田 一夫
    1990 年 61 巻 1 号 p. 30-38
    発行日: 1990/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    加齢に伴って卵母細胞に含まれるミトコンドリアの数がどのように変動するかを知るために,貯蔵型と発育型の卵母細胞中のミトコンドリア数を2日齢,20日齢,60-90日齢および360-390日齢のマウスの間で比較した.
    各日齢のマウスからそれぞれ一側の卵巣を採取し,CAAMPY液で固定後,3μmのパラフィン連続切片を作製してALTMANN-KULL染色を施した.ミトコンドリアの観察はどの卵母細胞についても最大直径を示す切片で得ない,その全数をかぞえた.胞状卵胞の卵母細胞については,細胞質10μm2当たりの数もかぞえたが,その値は無作為に5箇所選んで得た値の平均値とした.
    原始卵胞においては,扁平な顆粒層細胞に囲まれている卵母細胞を貯蔵型とし,立方状の顆粒層細胞に囲まれているものを発育型とした.ミトコンドリアの数は,原始卵胞の卵母細胞(貯蔵型と発育型)と二次卵胞のものではマウスの加齢に伴って減少する傾向を示したが,胞状卵胞の卵母細胞では変わらなかった.しかし,胞状卵胞の卵母細胞においては,細胞質10μm2当たりのミトコンドリア数は動物の加齢に伴って減少した.このことはマウスの加齢に伴って胞状卵胞の卵母細胞が大型化したことにより,ミトコンドリアが分散したためと思われる.
  • 山岸 敏宏, Dale W. VOGT, John W. MASSEY
    1990 年 61 巻 1 号 p. 39-46
    発行日: 1990/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    アンガス種(AA)および無角ヘレホード種(PH)種雄牛の成長および体構成形質に関する遺伝的パラメターを推定した。データは10年間(1974-1983年)にわたるミズーリーの直接検定済種雄牛市場で集められた記録である。分析にはAAでは85,PHでは84の父牛グループからなる,それぞれ587および552頭の種雄牛の記録を用いた。各父牛グループは3頭以上の雄産子で構成された。分散および共分散成分の推定は,最小二乗分散分析によって行ない,取り上げた要因は父牛グループ,父牛グループ内父牛,年,季節および検定場である。無脂肪体重(FFW),その割合(FFP),背脂肪厚(BF),590日齢時の体重(W 590)および体高(H 590)の遺伝率は,AAではそれぞれ0.74±0.17,0.56±0.16, 0.28±0.13, 0.96±0.18および0.82±0.17, PHではそれぞれ0.70±0.16, 0.72±0.16,0.30±0.14, 0.62±0.17および0.40±0.15であった。遺伝相関係数は両品種とも一般的に表型期関係数よりも高い値であった。FFWとFFP, W 590, H 590,205日齢体重(W 205) 365日齢の体重(W 365)および体高(H 365)の間の遺伝相関係数はそれぞれ正であったが,BFおよび離乳後の1日増体量(ADG)との間ではいずれもほぼ0であった。FFPはPHのW 205を除く全ての形質との間で一様に負の遺伝相関係数を示した。BFと離乳から1歳時までおよび1歳以降の成長形質の間の遺伝相関係数は,いずれも正でほぼ0から中程度の範囲にあった。両品種ともBFとFFPの間では負の高い遺伝相関が認められた。これらの結果は,脂肪の少ない種雄牛の造成計画においては無脂肪体重を増加させる方向への選抜が最も有効であることを示唆した。
  • 相井 孝允, 久米 新一, 高橋 繁男, 栗原 光規, 三橋 俊彦
    1990 年 61 巻 1 号 p. 47-53
    発行日: 1990/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    ±チェルノブイルの原子炉事故後の九州地域における牛乳および牧草中の131I濃度は,1986年5月11日および5月10日にそれぞれ最高の116.5pCi/lおよび1764.0pCi/kgに達し,その後変動はあったものの,ゆるやかに減少した.牛乳中の131Iは5月30日には検出出来なくなったが,牧草中のそれは,6月2日であってもなお379.4pCi/kg検出された.乳牛に137Csで汚染した牧乾草(333.1pCi/kg)を給与したところ,給与8日目以降,牛乳の137Cs濃度はほぼ一定の状態を示すようになった(実験1).また,乳牛に1日当たり672.4pCiを含む飼料を給与したところ,牛乳中の137Cs濃度は,ほぼ2pCi/lを示したが,さらに1日当たり3,409.9pCiを含む飼料を給与したところ,その濃度は9.7から10.9pCi/lの範囲を示した.飼料中の137Csの移行係数を計算したところ,実験1および2でそれぞれ0.38および0.31となった.
  • 角田 健司, 天野 卓, 野沢 謙, M. A. HASNATH
    1990 年 61 巻 1 号 p. 54-66
    発行日: 1990/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    バングラデシュ在来羊における血液蛋白と非蛋白型の遺伝子構成並びにわが国のヨーロッパ系羊種(サフォーク種,コリデール種,チェビオット種,ボーダーレスター種およびフィニシュランドレース種)との遺伝的関係について調査検討し,次の成果を得た.澱粉ゲル電気泳動法および原子吸光法により分析された20種の血液系遺伝標識のうち,バングラデシュ羊で多型の認められた座位は次の15種であった.すなわち,albumin (Al), post-albumin, transferrin (Tf), alkaline phosphatase, leucine aminopeptidase, arylesterase (Ary-Es), hemoglobin-β, X-protein, carbonic anhydrase, diaphorase-I (Dia-I), catalase (Cat), malate dehydrogenase (MDH), glucosephosphate isomerase, lysine (Ly)およびpotassium (Ke).その他の座位,slow-α2-macroglobulin, ceruloplasmin, hemoglobin-α, diaphorase-II, esterase D,は単一型であった.これらの多型座位の遺伝子頻度について,今回調査したバングラデシュ南西部のJessore-Khulna (JK),中央部のMymensingh (MY)と南東部のNoakhari (NO)の3地域集団の間ではAl,Tf, Ary-Es,Dia-1,Cat,MDH,LyおよびKe座位において著しい差異が認められた.しかし,これらの集団間での遺伝的均質性では大きな差が認められず,また,遺伝的変異性ではJKとMY集団がよく類似していたが,1ヵ所での血液採取のNO集団はその他の集団よりもわずかに低い変異性を示した.これらの集団間における遺伝的距離の結果では,JKとMY集団が1つのクラスターを形成した.従ってJK-MY集団の遺伝子構成はNO集団のそれとはわずかに異なるが,全般的にバングラデシュ羊の各地域集団間ではそれほど遺伝的に大きな差はないように考えられた.次にバングラデシュ羊とわが国のヨーロッパ系羊種との比較では,Al,Tf,CatおよびMDH座位の遺伝子頻度で両者の間に顕著な差が認められた.バングラデシュは,今回のヨーロッパ系羊種では検出されないAlA遺伝子を有し,しかもTfD遺伝子を全く認めなかったが,TfE遺伝子ではかなりの高頻度であった.また,CatCおよびMDHS遺伝子もヨーロッパ系羊種よりも高頻度に保有されていた.遺伝的変異性や遺伝的距離は両者の間で著しい差異のあることを示した.よってバングラデシュ在来羊はヨーロッパ系羊種とは系統的に異なることが示唆された.
  • 広岡 博之
    1990 年 61 巻 1 号 p. 67-73
    発行日: 1990/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    モンテカルロ感度分析を放牧牛と草地に関する生態系モデルに適用して,モデルの予測の不確かさに対するモデルパラメーターの分散の寄与を調べた.この方法においては,径路係数がパラメーターの感度の指標として用いられた.得られた結果は次に示すとおりである.(1) モデルにおいて指数として用いられているモデルパラメーターは,乗数として用いられているものよりずっと重要であった.(2) モデルの出力に対して,感度の高いパラメーターが必ずしもその出力と直接関連する式に含まれているとはかぎらなかった.(3) 感度分析の結果は,出力のみならず時間によってさまざまであった,(4) 相対的感度係数と比べて,径路係数はモデルパラメータ間の相互関係を同時に考慮でき,さらにモデルパラメータの変化の大きさを無視できる利点のあることが示された.
  • 舟場 正幸, 矢野 秀雄, 川島 良治
    1990 年 61 巻 1 号 p. 74-78
    発行日: 1990/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    CHANらの方法による,尿中正味酸排泄濃度測定のめん羊の尿に対する妥当性が検討された.試験1では尿中正味酸排泄濃度の同時再現性と経時再現性が調べられた.同ーサンプルの6回連続測定の結果,尿中正味酸排泄濃度に関して変動係数は2%以下であり,同時再現性の良好さが確認された.また,室温24時間放置,4°C 10日間の冷蔵保存によって尿pH値は有意に上昇したが,尿中正味酸排泄濃度は変化を示さなかった.試験2では家畜体液の酸-塩基平衡と尿中正味酸排泄濃度との関係が検討された.飼料中のばん砕大麦の割合を高め,チモシー乾草の割合を低くしていくとめん羊はより高濃度の正味酸を排泄し,血液pH値は低下する傾向を示し,チモシー乾草のみを給与するとめん羊は負の正味酸を排泄し,血液pH値は上昇する傾向を示した.血液PH値は試験期間を通して生理的範囲内(pH7.38-7.61)にあった.以上の結果より,CHANらの方法によって測定された尿中正味酸排泄濃度はめん羊の酸-塩基状態を把握する上で有用である事が示された.
  • 西田 隆雄, 林 良博, Bijaya KATTEL, 庄武 孝義, 川本 芳, 足立 明, 前田 芳實
    1990 年 61 巻 1 号 p. 79-88
    発行日: 1990/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    986年および1988年の第一•二次ネパール在来家畜調査において,赤色野鶏の形態学的ならびに生態学的研究を行なった.タライ地方で雄3,雌3個体を収集し,そのうちの成体雄1と雌2の3個体について生体計測を行ない,また雄1と雌2個体を仮剥製標本にした.生態学的聴きとり調査は14地点で行ない,バラ野生生物保護区に近い地域で野鶏群の観察を行なった.ネパールとタイの赤色野鶏の剥製標本を比較し,両者の羽色と羽装の相違に基づき,ネパールの野鶏の亜種をCallus gallus murghiと同定した.7計測部位を用いて多変量解析を行ない,ネパールの赤色野鶏の大きさと形はインドネシアのGallus gallus gallusに類似し,他のフィリピンとタイのCallus gallus gallusおよびジャワのGallus gallus bankiuaより大きいことを明らかにした.生態学的調査によって,タライ地域では国立公園や保護区以外の地域にも,赤色野鶏のかなり大きい集団が生息していると推定され,またその繁殖季節については,地理的あるいは気象的な地域差が存在すると考えられる.在来鶏と赤色野鶏との交雑の可能性が示され,ネパールの赤色野鶏の産卵数は,他の東南アジアの野鶏のそれとほとんど同じであることが明らかにされた.
  • 佐伯 和弘, 長尾 慶和, 宇高 健二, 石森 久雄
    1990 年 61 巻 1 号 p. 89-90
    発行日: 1990/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
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