日本畜産学会報
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61 巻, 4 号
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  • 清水 良彦
    1990 年 61 巻 4 号 p. 303-307
    発行日: 1990/04/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • 善林 明治
    1990 年 61 巻 4 号 p. 308-314
    発行日: 1990/04/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    黒毛和種45頭,ホルスタイン種16頭および日本短角種34頭の去勢細育牛を用いて,個々の筋肉の成長を,全筋肉重量に対する各個筋肉の相対成長と,全供試牛の幾何平均筋肉重量における個々の筋肉の重量割合について検討し,品種間の違いの有無を調べた.調査筋肉は四肢下部および頚部の下層に分布するものを除いた,全筋肉98個のうちの58個で,全筋肉重量に占める割合はそれぞれ黒毛和種90,0%,ホルスタイン種88.4%,日本短角種87.4%であった.各筋肉を標準筋肉群にまとめて,各筋肉の全筋肉重量に対する相対成長係数でみると,四肢の筋肉には1より小さいものが多く,また前躯に当たる7,8,9群では1より大きい筋肉が多く,成長波が四肢から発し,前方に移行する様子が認められた.個々の筋肉の相対成長係数が品間で異なったものは全部で18個認められたが,そのうちの13個は相対成長係数のみならず,全筋肉の幾何平均重量85.311kgでの筋肉割合でも他の筋肉よりも大きかった.したがってこれらの13個の筋肉は,品種間の重量差が成長が進むにつれて大きくなるものであった.個々の筋肉の重量割合に品種間に違いが見られた数は58個中33個で,黒毛和種では脊椎周囲部および頚部の筋肉でとくにホルスタイン種より大きいものが多く,ホルスタイン種では四肢および腹部の筋肉で,いずれも他の2品種より大きいものが多かった.また日本短角種では後肢と腹部の筋肉で黒毛和種より,また脊椎周囲部と頚部の筋肉でホルスタイン種より,それぞれ大きいものが多く見られた.黒毛和種と日本短角種は胸腰最長筋が最大筋肉であり,ホルスタイン種では大腿二頭筋が最も大きかった.
  • 栗原 光規, 久米 新一, 柴田 正貴, 高橋 繁男, 相井 孝允
    1990 年 61 巻 4 号 p. 315-321
    発行日: 1990/04/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    °乾乳牛のエネルギー代謝に及ぼす環境温度の影響を検討する目的で,ホルスタイン種乾乳牛4頭を九州農業試験場のエネルギー代謝実験室に収容し,維持量のイタリアンライグラス乾草を給与して実験を行なった.環境条件は,相対湿度を60%に保ち,環境温度を2頭については1期:18°C,2期:26°C,3期:32°Cとし,他の2頭についてはその逆に変化させた.また,それぞれについて3期と同じ環境条件で絶食時のエネルギー代謝についても測定した.その結果,1) 飼料給与時の体温および呼吸数は,環境温度の上昇とともに有意に増加したが,32°Cにおける体温は平常とみなせる範囲内にあった.2) 絶食時における熱発生量および熱発生量と尿中へのエネルギー損失量の合計には,18°Cと32°Cとの間に差が認められず,それぞれ平均77.7および平均80.2kcal/kg0.75/dayであった.3) 総エネルギー摂取量は,32°Cにおいて約5%減少したが,糞,尿およびメタンヘのエネルギー損失量には環境温度間に差が認められず,その摂取量に対する割合はそれぞれ49.0,2.1および7.5%前後であった.4) 飼料給与時の熱発生量は,18°Cと比較して26°Cでは有意に増加したが,32°Cでは総エネルギー摂取量の減少とともに低下した.しかし,総エネルギー摂取量に対する熱発生量の割合は,18°Cの約43%から26および32°Cでは約47%に増加した.5) 総エネルギーおよび代謝エネルギー摂取量に対する飼料摂取に伴う熱発生量の増加量の割合は,18°Cと比較して26および32°Cにおいて高くなる傾向を示した.6) 代謝率0.4程度のイタリアンライグラス乾草給与時における維持に要する代謝エネルギー量は,18°Cと比較して26および32°Cで約15%増加すると考えられた.
  • 松岡 昭善, 天野 卓, 古川 徳, 山中 良忠
    1990 年 61 巻 4 号 p. 322-331
    発行日: 1990/04/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    肉種鑑別に有効なタンパク質並びに酵素の検索を目的として,牛,馬,豚,山羊および緬羊の筋漿タンパク質合計21種にっき,デンプンゲル電気泳動法を用いて分析を行ない,次の結果を得た.1種類の酵素あるいはタンパク質によって牛,馬,豚,山羊および緬羊の5畜種を識別することは不可能であった.山羊と緬羊の識別はタンパク質染色では不可能であり,また,両者を識別できる酵素も少なかった.本実験において検索した酵素および筋漿タンパク質のうち,Esterase (Es), Tetrazolium oxidase (To), Lactate dehydrogenase (LDH), Malate dehydrogenase (MDH), Isocitrate dehydrogenase (IDH)およびSHAW and PRASADのBuffer system Iを用いて分画した筋漿全タンパク質(P-SI)が肉種鑑別に有効であった.なかでもToはLDHおよびMDHと同一ゲル上に現れ,この2種類の酵素を組み合わせることによって1枚のゲルで牛,馬,豚,山羊および緬羊を識別することが可能であった.また,これらの酵素とタンパク質を併用,解析することによって,本実験に供した5畜種を高精度で判定することが可能であることを明らかにした.混合肉中の異種肉の検出の場合は染色性の強い酵素を用いることが必要であると思われた.しかし,染色性の強い酵素は概して識別可能な肉種が少なかった.
  • 坂内 良二, 角田 睦男, 吉田 育市, 小豆畑 明彦, 須田 久也, 工藤 英彦
    1990 年 61 巻 4 号 p. 332-336
    発行日: 1990/04/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    約3ヵ月齢のホルスタイン種雄子牛53頭(試験1)および66頭(試験2)の合計119頭を供試して,サリノマイシン(SL)添加飼料を3ヵ月間給与し,発育•飼料摂取量•効率に及ぼす影響について検討した.試験1では,無添加(対照区)5群28頭およびSL 20ppm添加5群25頭を,試験2では対照区•SL 10ppm添加区およびSL 20ppm添加区にそれぞれ3群22頭を試験に供試した,飼料は濃厚飼料と粗飼料としてイナワラを細切したものを給与した.試験1ではSL添加により3ヵ月間の増体量は高くなり,濃厚飼料摂取量は減少し結果としてTDN要求率で約13%の改善がみられた.試験2ではSL 10ppm添加区では増体量•濃厚飼料摂取量とも対照区よりいくぶん高い傾向ではあったが,飼料効率は変わらなかった.SL 20ppm添加区では増体量10%•濃原飼料摂取量で5%それぞれ高くなり,TDN要求率で約6%の改善が認められた.
  • 菅原 伯, 小沢 和典, 渡辺 清博
    1990 年 61 巻 4 号 p. 337-343
    発行日: 1990/04/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    20±2°C,350ルクス(立位のヤギの頭上),1日14時間照明(14L,消灯及び点灯は光源の強さの漸減または漸増によって実施)に3カ月間馴致した非泌乳ザーネン種雌ヤギ3頭の血漿プロラクチン(PRL)濃度は,消灯後速やかに上昇した.明期が1日8時間(8L)に短縮された場合,消灯に伴う血漿PRL濃度の上昇開始は対照日に比し4~5時間遅延した.その翌日に明期が14Lに戻された場合,血漿PRL濃度の上昇開始もまた,対照日のそれとほぼ等しい時刻に復帰した.14Lに3ヵ月間馴致された他のヤギ3頭が,1日10時間(10L)の明期に28日問置かれた場合,消灯に伴う血漿PRL濃度の上昇開始は,10Lの第1日には対照日に比し2~3時間遅れたが,第7日には対照日と同様,消灯時刻にほぼ同調した.他方,ヤギ2頭における明期の血漿PRL濃度および消灯に伴う血漿PRL濃度のピーク値は,10Lでの第21日に著しく低下した.10Lでの第28日の翌日に明期が14Lに戻された場合,明期におけるこれらのヤギの血漿PRL濃度は低いままであったが,消灯後の値は上昇した.14Lに戻された日の明暗両期における残り1頭のヤギの血漿PRL濃度は,10Lでの第28日のそれと同様に低かった.
  • 北城 俊男, 湯沢 隆義, 衣斐 俊英, 山崎 厚子, 佐藤 留美子, 細野 明義
    1990 年 61 巻 4 号 p. 344-348
    発行日: 1990/04/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    6頭の乳牛を3頭ずつ,2つのグループ(A,B)に分け,グループーAの乳牛に対しては1日1頭当たり豆腐粕15kg,グルテン5kg,市販濃厚飼料1kg,麸1kg,砕麦1kgを80日間給与した.一方,グループーBの乳牛に対しては上記飼料にClostridium butyricum MIYAIRI 588の乾燥菌体粉朱(4.7×109/g)1.5g,炭酸カルシュウム25gを混ぜて給与した.給餌前の第1胃ジュースを採取し,ジュースの中の乳酸桿菌と大腸菌群の菌数を定期的に調べた.その結果,グループ-Bの乳牛において乳酸桿菌は試験開始後有意に増加し,大腸菌群数は減少する傾向が認められた、なお,第1胃内でのCl.butyricum MIYAIRI 588の菌数も試験開始後増加の傾向を示したが,下痢等の病状は全く認められず,第1胃内での揮発姓脂肪酸と乳酸の含量が一定になる傾向を示した.さらに,グループ-Bの乳牛から得られた牛乳中にはCl. butyricum MIYAIRI 588は全く検出されず,またその牛乳を用いてゴーダタイプのチーズを製造した場合,熟成率や熟成中のスターター乳酸菌の変動は対照チーズの場合と変わらなかった.
    以上より,Cl. butyricum MIYAIRI 588の乳牛に対する給与は第1胃内での菌叢の改善に効果のあることが明らかとなった.
  • 峯尾 仁, 村尾 亮太, 加藤 清雄, 牛島 純一
    1990 年 61 巻 4 号 p. 349-353
    発行日: 1990/04/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    意識下のヒツジにおいて,短鎖脂肪酸の静脈内注入がグルカゴン分泌に及ぼす影響について検討した.それぞれの酸は体重当り625μmol/kgの割合で投与した.短鎖脂肪酸注入後の血漿グルカゴンおよびグルコースを測定した.酢酸塩以外の全部の短鎖脂肪酸のナトリウム塩溶液(プロピオン酸塩,n-酪酸塩,n-バレリアン酸塩およびn-カプロン酸塩)は,in vivoのヒツジにおいてグルカゴン分泌刺激効果を持っていた.この実験結果は,第一胃内発酵産物である短鎖脂肪酸が,血漿グルカゴン濃度を調節している可能性を示唆する.
  • 鈴木 啓一, 山岸 敏宏, 水間 豊
    1990 年 61 巻 4 号 p. 354-359
    発行日: 1990/04/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    飢餓抵抗性の高(SH)と低(SL)へ選抜されたマウスについて(1) 維持要求量,(2) 飼料中エネルギーの利用効率と(3) 肝臓,腎臓および後肢筋(腸腓筋)中への3H-混合アミノ酸の取り込み量を比較した.代謝エネルギー摂取量(kcal/kg0.75/日)に対する蓄積エネルギー量(kcal/kg0.75/日)の回帰分析から,SH系とSL系の維持要求エネルギー量はそれぞれ162kcal/kg0.75/日と166kcal/kg0.75/日と系統間差がなく,回帰直線の傾きから推定された代謝エネルギー摂取量の体エネルギーへの蓄積効率はSH系が34.08%, SL系が22.22%と系統間差が認められた.腎臓中蛋白質への3H-混合アミノ酸の取り込み量について系統と群(対照群と飢餓群)との交互作用が認められた.すなわち,取り込み量は対照群ではSL系がSH系よりも高かったが48時間絶食の飢餓群ではその関係が逆転した.この現象は,統計的に有意でないが肝臓および後肢筋にも認められ,飢餓時SH系の蛋白質代謝が活性化することが示唆された.これらのことから,飢餓抵抗性高低への選抜はエネルギー蓄積効率と,飢餓時の臓器中でのアミノ酸取り込み量を変えたが,維持エネルギー要求量は変えなかったことが示唆された.
  • 加藤 清雄, 松本 眞一, 児嶋 秀典, 峯尾 仁, 翁長 武紀, 菊地 計
    1990 年 61 巻 4 号 p. 360-362
    発行日: 1990/04/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    無麻酔ヒツジの膵外分泌に及ぼす外因性および内因性インスリンの影響を明らかにするために,慢性的に総胆管にカニューレを挿入された9頭のサフォーク種去勢雄めん羊(体重43~70kg)を用いて実験を行なった.インスリンの静脈内投与により血漿グルコース濃度は低下し,膵液流量は0.1 unit/kgでは41.5%,0.2 unit/kgでは49.5%,0.4 unit/kgでは39.6%減少した.静脈内グルコース投与により血漿インスリン濃度は約7μunit/mlから85.5±19.0μunit/mlに上昇したが,膵液流量は37.7%減少した.静脈内トルブタミド投与により血漿グルコース濃度の増加を伴うことなく血漿インスリン濃度は50.4±12.8μunit/mlに上昇したが,膵液流量は32.9%減少した.以上の結果より,ヒツジにおいてインスリンは外因性に投与された場合も,内因性に放出された場合も膵外分泌を抑制することが示唆された.
  • 早坂 貴代史, 田鎖 直澄, 山岸 規昭
    1990 年 61 巻 4 号 p. 366-368
    発行日: 1990/04/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • 更科 孝夫, 高橋 潤一, 一条 茂, 納 敏
    1990 年 61 巻 4 号 p. 368-370
    発行日: 1990/04/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • 古瀬 充宏, 田岸 俊三, 成田 治夫, 清水 俊雄, 奥村 純市
    1990 年 61 巻 4 号 p. 371-374
    発行日: 1990/04/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
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