日本畜産学会報
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64 巻, 4 号
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  • 前田 芳實, 山本 義雄, 橋口 勉, 西田 隆雄, H. B. RAJBHNDARY
    1993 年 64 巻 4 号 p. 327-332
    発行日: 1993/04/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    卵白蛋白質の多型を指標にして,ネパール在来鶏集団の遺伝的特性を明らかにするために,ネパールの4地域(Jomson, Solu-Khumbu, PokharaおよびBiratnagar)において合計101個の卵白サンプルを採取した.1) Biratnagar地区で採取された19個の卵白サンプルのうち,7個のサンプルはフラボプロテインを欠損する無色卵白であった.2) オボアルブミン(Ov),オボグロブリン(G2およびG3),コンアルブミン(TfEW),ポストコンアルブミン(Pc)およびリゾチーム(G1)の各座位について遺伝子構成を検討した.ネパール在来鶏集団はオボアルブミン,オボグログリン(G2およびG3),コンアルブミンにおいて多型が観察され,ボストコンアルブミンおよびリゾチーム座位においては多型が観察されなかった.3) 表現型出現頻度に基づいて,ヘテロ接合体率,集団の分化指数および集団間の遺伝距離を計算すると,それぞれ,0.113~0.2217,0.0419および0.011~0.023の範囲にあった.
  • 原山 洋, 加藤 征史郎
    1993 年 64 巻 4 号 p. 333-339
    発行日: 1993/04/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    雄梅山豚における生殖機能の発達過程を明らかにする目的で,射精能力の発達および月齢に伴う精液性状の変化について検討した.包皮からの陰茎遊離は,検査した12頭のすべてにおいて64日齢までに確認された.手掌圧迫法により初めて精液が採取できたのは73~78日齢であった.採取された精液の液体部量,膠様物重量,1射精当りの総精子数および精子濃度はそれぞれ11ヵ月齢,10ヵ月齢,9ヵ月齢および5ヵ月齢まで有意に増加したが,前進精子率および奇形精子率については,3ヵ月齢で採取した精液で成豚の精液に匹敵する成績が得られた.他方,5日間および10日間の4°C保存後の試料における正常な頭帽を持つ生存精子の割合は,9ヵ月齢以上の雄から採取した精液を用いた場合に有意に高く,また,凍結保存後の試料での前進精子率および正常な頭帽を持つ生存精子の割合は8ヵ月齢以上の雄の精液において良好であった.以上のように,雄梅山豚は約2ヵ月齢で射精能力を獲得するが,繁殖用種雄として供用するのは6ヵ月齢以降にすべきと考えられる.また,精液を4°Cあるいは-196°Cで保存する場合には,9ヵ月齢以上の雄から採取した精液を用いることが望ましいと思われる.
  • 山内 高円, 中村 英治, 一色 泰
    1993 年 64 巻 4 号 p. 340-350
    発行日: 1993/04/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    ブロイラー専用種初生雛に通常飼料,高蛋白質•低カロリー飼料(HL),または低蛋白質•高カロリー飼料(LH)を20日間給与し,腸管絨毛の生後発達と腸陰窩における上皮細胞の分裂像を1,10および20日齢で観察した.更に,孵化後5日間絶食した雛における絨毛の形態学的変化についても調べた.HL鶏は,摂食量の増加や急速な発育を示し,10日齢ですでによく発達した絨毛,活発な細飽分裂ならびに絨毛頂部における顕著な細胞隆起が認められた.LH鶏では,著しい摂食量の減少や緩慢な体重増加が見られ,未発達な絨毛や細胞分裂の減少が認められ,更に絨毛頂部の剥離現象も20日齢で時折観察された.また,絶食鶏では萎縮した絨毛や絨毛頂部の剥離がしばしば観察された.今回の観察結果から,絨毛の大きさの増加は絨毛頂部における細胞脱落が少なく,腸陰窩における上皮細胞数の増加によるものであると思われる.
  • Wanwisa JUNLUANG, 上田 乙也, 矢野 史子, 松井 徹, 矢野 秀雄, 川島 良治
    1993 年 64 巻 4 号 p. 351-356
    発行日: 1993/04/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    小腸の胆管開口部以降およびそこから50cm離れた空腸上部の2か所にT型カニューレを装着したサフォーク種成雌めん羊3頭(体重40-50kg)を用い,小腸におけるミネラル吸収に及ぼす潅流液中リン濃度の影響を検討した.バルーンカテーテルを両方のカニューレから挿入することにより小腸上部を一時的に隔離して,リン濃度を10,25,50mmol/lの3段階に変えた試験液を10ml/minの速度で灌流した.そして灌流液と流出液中ミネラル濃度の差からミネラル吸収速度,吸収率を測定した.試験液中リン濃度が10mmol/lから50mmol/lへ高くなるにつれて,リン吸収速度は46.6μmol/minから112,2μmol/lへと有意に上昇したが,リン吸収率は45.2%から22.4%へと有意に低下した.カルシウム,マグネシウムの吸収率は,ともに6%以下の低い値であったが,マグネシウム吸収速度は試験液中リン濃度が10mmol/lの場合には,25mmol/lや50mmol/lの時に比べて有意に高い値となった.本実験では小腸上部におけるリン吸収は消化管内のリン濃度によって影響を受けることが示唆された.
  • 寺島 福秋, 浜野 美夫, 石川 泰之, 佐野 宏明
    1993 年 64 巻 4 号 p. 357-363
    発行日: 1993/04/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    本実験は低マグネシウム血症めん羊における各栄養素の酸化割合を明らかにするため行なった.めん羊にマグネシウム(0.38%Mg)とカリウム(0.52%K)含量の正常な飼料(対照飼料)またはMg含量(0.05%)が低く,K含量(5.94%)の高い飼料(低Mg/高K飼料)を10日間以上にわたって給与した.これらのめん羊について飼料給与後24時間に呼吸試験を実施し,炭水化物,脂肪および蛋白質の酸化量を求めた.更に,インスリンとグルコースを同時に注入し,注入前の血糖値を維持するグルコースクランプ実験と呼吸試験を同時に実施した.低Mg/高K飼料摂取めん羊の血漿Mg濃度は対照区に比較して有意に低下した.血漿中トリグリセライド,リン脂質および遊離脂肪酸濃度は低Mg/高K飼料の摂取により増加する傾向を示した.グルコースクランプ実験時におけるグルコース注入量は低Mg/高K飼料で低下する傾向を示した.熱産生量は両区でほぼ同じ値を示したが,非蛋白呼吸商は低Mg/高K区で若千低下した.低Mg/高K飼料摂取めん羊の脂肪酸化量は増加し,炭水化物の酸化量は低下する傾向を示した.これらの結果より,低Mg/高K飼料給与によって誘起された低Mg血症めん羊の脂肪酸化は促進することが示唆された.
  • 岡崎 幸則, 戸塚 耕二, 深沢 晃, 渡辺 恵美子, 豊水 正昭, 石橋 晃
    1993 年 64 巻 4 号 p. 364-370
    発行日: 1993/04/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    血漿アミノ酸濃度は迅速に飼料中のアミノ酸含量の変化に反応するのでアミノ酸要求量や栄養状態の判定に有効な指標となり得る.しかしそのためには血漿アミノ酸濃度に影響を与える要因についてさらに明らかにする必要がある.そこで本研究では•産卵鶏の体重•飼料摂取量および産卵と血漿中アミノ酸濃度との関係について調査した.その結果は次のようにまとめられる;1) 体重の重い鶏はより多く産卵し,飼料摂取量も多かった.しかし体重と血漿中の個々のアミノ酸濃度との相関はみられなかった.2) 3日間連続して産卵した鶏では,飼料摂取量と血漿中のいずれのアミノ酸濃度との間にも有意な関係はなかった.3) 採血日とその前後の3日間の産卵状態と血漿中の個々のアミノ酸濃度との関係について検討した.産卵した日の血漿アミノ酸濃度は産卵しなかった日に比べて,セリン以外は同じ値かあるいは高い傾向を示した.4) 測定したアミノ酸のうち8種類は3日間連続で産卵した鶏で血漿中濃度が最も低く,10種類が採血前日に休産した鶏で最も高かった.5) 以上の結果より,産卵鶏で血漿中の個々のアミノ酸濃度をアミノ酸要求量を求めるための指標として用いる場合には,採血前の産卵状態によって濃度が変動することを充分考慮しなければならない.
  • 和田 康彦, 建部 晃, 松本 成生, 柏木 宣久
    1993 年 64 巻 4 号 p. 371-378
    発行日: 1993/04/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    わが国における乳牛の牛群検定のデータを用いて,赤池のベイズ型情報量規準(ABIC)を用いた種雄牛評価におけるモデル選択手法の有効性を検討した.牛群検定データを1975年から1984年までと1985年から1987年までの2つに分割し,前半データを母数効果の組合せを変えた種雄牛モデルと母方祖父モデル各4種,計8種のモデルで分析して種雄牛評価値とABICを算出した.後半データについては種雄牛と母方祖父牛のペアの平均値を算出した.そして,1ペアあたり50件以上のデータを持つペアについて前半データから求めた種雄牛の評価値と母方祖父牛の評価値の1/2の和を求めて,後半データでのペア平均との順位相関を算出した.その結果,乳量においてはABICが小さいモデルほど順位相関は大きくなりABICがモデル選択において有効な指標であることが示唆された.乳脂率とSNF率においてもABICと順位相関は種雄牛モデルよりも母方祖父モデルの方が優れているという同様の結果を示した.ただし,種雄牛モデル内や母方祖父モデル内ではモデル間の順位相関に差が認められなかった.
  • 廣岡 亮介, 加野 浩一郎, 宮野 隆, 三宅 正史, 楠 比呂志, 加藤 征史郎, 山口 和光
    1993 年 64 巻 4 号 p. 379-385
    発行日: 1993/04/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    梅山豚×ランドレース一代雑種(F1)雌における卵巣,卵管および子宮角の発達過程を組織学的に検討した.45日齢F1の卵巣には,すでに胞状卵胞が観察された.45日齢以降,卵巣表面に突出した卵胞数の増加に伴って卵巣重量は急速に増加した.しかし,75日齢から105日齢の間では,突出卵胞数に有意な増加は認められなかった.135日齢ではすべてのF1雌の卵巣に黄体が認められた.卵管重量は45日齢以降,子宮角重量は60日齢以降,急速に増加した.子宮輪筋層および縦筋層の厚さは45日齢以降急速に増加した.また,子宮角重量は性周期開始後,著しく増加した.以上の結果から,梅山豚×ランドレースF1の卵巣は45日齢以降急速に発達し,それに伴って卵管および子宮角重量も急速に増加すること,またF1雌は120日齢から135日齢の間に性周期を開始することが明らかとなった.
  • 常石 英作, 佐藤 博, 渡辺 彰
    1993 年 64 巻 4 号 p. 386-394
    発行日: 1993/04/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    肉用牛の肥育前期に給与する粗飼料の違いが,産肉成績に及ぼす影響を比較するため,ホルスタイン種去勢牛6頭を3頭ずつ2区に分け,繊維質含量の異なる粗飼料を用いた前期粗飼料多給の肥育を行なった.すなわち,12カ月齢から17カ月齢までの肥育前期に,牧乾草給与区(G区),および蒸煮木質飼料とアルファルファヘイキューブを乾物比1:1で混合した高繊維質粗飼料給与区(W区)を設定し,その後22カ月齢までの肥育後期は,牧草サイレージと濃厚飼料の飽食とした.試験期間中ほぼ月1回採血を行ない,肥育前期および後期の終了時にノルアドレナリン(NA)の負荷試験を実施した.肥育前期においては,W区の粗飼料の乾物摂取量はG区よりも多く,1日当り増体量(DG)も高かった.両区とも同一の飼養条件とした肥育後期においても,前期終了時の体重差がそのまま維持された.血漿中インスリン(Ins)濃度は肥育後期にG区では上昇したものの,W区ではほとんど変化せず,肥育前期における高繊維質粗飼料の多量摂取が,肥育後期のIns上昇を抑制したものと考えられた.NAの負荷によるグルコース(GLU)の上昇幅はG区で,また遊離脂肪酸(FFA)の上昇幅はW区でそれぞれ大きい傾向がみられた.またトリアシルグリセロール(TG)およびInsの上昇幅は,肥育後期に前期よりも大きい傾向を示した.枝肉の歩留基準値は両区でほぼ等しかった.以上の結果から,繊維質含量が高く,嗜好性の良い粗飼料を肥育前期に多給すると高い増体が得られ,濃厚飼料多給による高い増体とは異なり,血漿Insの上昇にはっながらず,その後の増体も優れることが明らかになった.
  • 須田 久也, 日高 智, 工藤 英彦, 左 久, 岡田 光男
    1993 年 64 巻 4 号 p. 395-402
    発行日: 1993/04/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    約3ヵ月齢のホルスタイン種去勢牛22頭(平均体重153kg)を供試し,育成牛の飼料利用性,第一胃内容液および血液性状に及ぼすサリノマイシン(SL)投与の影響を検討した,試験1は個体給飼とし,SL 0(対照区),15および30ppm添加(SL 15区およびSL 30区),試験2は群飼で,SL 0(対照区),10および20ppm添加(SL 10区およびSL 20区)のそれぞれ3群に区分した.両試験とも約3ヵ月間,配合飼料を定量給与し,チモシー主体の混播牧草を不断給与した.SL 30区の日増体量は対照区より大きく,他のSL投与区は対照区とほぼ同様な値であった.両試験のすべてのSL投与区のTDN摂取量は対照区より4-6%減少し,TDN要求率は3-12%改善された.両試験とも第一胃内容液のpHおよび総VFA濃度にSL投与による影響は見られなかった.第一胃内VFA構成モル比は,試験1ではSL投与期間を通して酢酸(A)の減少,プロピオン酸(P)の増加およびA/P比の低下が観察され,投与後1ヵ月目に有意差があった(p<0.05).一方,群飼育の試験2ではSL投与期間中,第一胃内VFA構成割合の変化は試験1と同様だが,統計的に有意性はなかった.試験2のSL投与区の第一胃乳酸濃度は投与後1ヵ月目に投与前より低下したが,2ヵ月目以降は元に戻った.また,SL 20区の第一胃内NH3-N濃度は期間を通して対照区より高かった.試験1では供試牛の血清グルコース,GOT,総コレステロール(Tch),遊離脂肪酸,トリグリセライドおよびリン脂質(PL)濃度にSL投与の影響はみられなかったが,SL投与に関係なく,加齢と共にGOTの下降,TchおよびPL濃度の上昇がみられた.
  • 松本 高明, B. P. PURWANTO, 仲舛 文男, 伊藤 敏男, 山本 禎紀
    1993 年 64 巻 4 号 p. 403-410
    発行日: 1993/04/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    ホルスタイン種育成雌牛を4頭用いて,心拍数と熱産生量の同時測定を行ない,両者の関係に及ぼす飼料摂取量と行動の影響について検討した.また,同じ牛群を用いて,舎飼と短時間の群放飼を含む両試験区のエネルギー収支,ならびに舎飼と群放飼時の推定熱産生量に及ぼす行動の影響について検討した.心拍数と熱産生量の関係には,個体差ならびに飼料摂取量と行動の影響が認められた.心拍数と熱産生量の回帰式の回帰係数は,飼料摂取量レベルが高いほど小さくなり,行動別には横臥時で他の採食や佇立時に比べて明らかに大きな値を示した.3時間毎にとりまとめた4頭の平均心拍数と熱産生量を用いることで,見掛け上個体差や行動の影響を取り除いた推定誤差の小さな回帰式を得ることができた.エネルギー収支を解析した結果,飼料摂取量が確認できる条件下ではエネルギーの蓄積量を,また,増体量を確認できる条件下ではME摂取量の推定ができると思われた.放飼•放牧牛のエネルギー収支の解析を行なう場合,飼料摂取レベルを制御できる舎飼牛群を対照区におくことが有効であることを指摘した.
  • 砂原 正明, 宮澤 敬夫, 宝山 大喜, 岡村 浩
    1993 年 64 巻 4 号 p. 411-420
    発行日: 1993/04/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    豚革製造の脱毛石灰づけ工程から排出される排液の汚濁負荷の軽減と硫化物の使用量の消減を目的として,酵素を用いた省硫化脱毛法についてミキサー型ドラムとロータリースクリーン装置を利用して検討した.工程の概略は次の通りである.アルカリ処理で毛に免疫性を付与した後,塩化アンモニウムで浴のpHを酵素の至適pHまで下げ,ついでパンクレアチン系の酵素処理により豚皮の毛根を緩め,硫化物を作用させ脱毛した.脱毛石灰づけ工程の浴量と硫化物の使用量は通常と同程度とし,脱毛石灰づけ排液を回収して次回の脱毛石灰づけ工程に循環再利用する方法を試みた.すなわち,脱毛石灰づけは浴量皮重量当り200%,硫化ナトリウム2%,水酸化カルシウム3%で行ない,ロータリースクリーンで毛を回収した後の脱毛石灰づけ排液に不足分の硫化ナトリウムと水酸化カルシウムを加えて次回の説毛石灰づけに用いた.この循環利用は連続して5回行なった.本法で得られたウェットブルーは衣料用スエードに仕上げた.各工程の排液の分析,ウェットブルー•製品革の化学分析,製品革の機械的性質の測定•外観的品質の官能検査等を行ない,一般に市販されている豚衣料用スエードと比較した.得られた結果は以下の通りである.1) 毛は線維状の形でスクリーンに回収され,皮に残毛は全く見られなかった.また,脱毛石灰づけ排液の循環再利用により,硫化ナトリウムと水酸化カルシウムの使用量はそれぞれおよそ50%削減された.2) 毛の回収,脱毛石灰づけ排液の循環利用により水づけから脱灰前の水洗工程までに排出される汚濁負荷は通常法と比べてCODで約30%,SSで約47%,全蒸発残留物で約21%が削減できた,脱毛石灰づけ排液の5回の循環利用により脱毛石灰づけ排液のBOD,COD,SS,全蒸発残留物が回を追う毎に蓄積されて増加する傾向が認められた.また脱毛石灰づけ中にチオ硫酸イオンが生成し,循環に伴い排液中に蓄積されることが確認された.3) 省硫化脱毛法で得られたウェットブルーと製品革の化学分析,製品革の物理的性質の測定と外観的品質の官能検査の結果から,脱毛石灰づけ排液の循環利用による品質に及ぼす影響は認められず,一般の豚衣料用スエードと比べて大きな差は見られなかった.
  • 小田島 守, 中島 功司, 大友 泰, 小田 伸一, 庄司 芳男, 加藤 和雄, 太田 実, 佐々木 康之
    1993 年 64 巻 4 号 p. 421-423
    発行日: 1993/04/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • 上 隆保, 西海 理之, 中杉 徹
    1993 年 64 巻 4 号 p. 424-426
    発行日: 1993/04/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
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