日本畜産学会報
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66 巻, 3 号
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  • 吉澤 緑, 荒井 麻里, 高田 勝, 村松 隆
    1995 年 66 巻 3 号 p. 215-224
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    ICR成熟雄マウスの精巣上体尾部より採取した精子を35%から5%刻みで80%まで10段階に希釈し調整したパールコール不連続密度勾配液(密度1.055~1.107)を用いて,150×g 5分, 250×g 20分で遠心分離処理した後,(BALB/c×C57 BL/6) F1雌マウスの卵子の体外受精に供した.卵子は,コルセミド処理後,第一分割期で染色体標本を作製し,C-バンド染色後,Y染色体を識別することによって,性判別を行なうとともに,染色体の数的,構造的異常の有無の判定を行なった.2倍体胚の性比は,44.8~49.1%であり,雌への偏りを示したが,有意ではなかった.3倍体の性染色体構成はXXXの構成のものが多い傾向にあったにもかかわらず,X精子とY精子の比率が等しい場合の2精子侵入による3倍体の理論比の1:2:1から有意な偏りを示さなかった.すなわち,本研究条件では,パーコール処理によってX精子とY精子を明確に分別することはできなかった.しかし,パーコール処理によって,染色体異常の出現率に影響があることが示唆された.
  • 勝俣 昌也, 廣瀬 英明, 梶 雄次, 斎藤 守
    1995 年 66 巻 3 号 p. 225-232
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    環境温度(30°Cと18°C)ならびに飼料への油脂添加(10%の粉末状タロー添加と無添加)が,肥育豚の体脂肪の脂肪酸組成に及ぼす影響について検討するため,体重85kgの去勢豚16頭を,2×2の2元配置の4試験区に配置して試験を行った.4週間の試験終了後,供試豚を屠畜し,背脂肪の外層,内層ならびに腎臓脂肪を枝肉左半丸よりサンプルとして採取し,脂肪酸組成の分析に供した.得られた脂肪酸組成のデータを,主成分分析で分析したところ,本試験の処理(環境温度と飼料への油脂添加)による体脂肪の脂肪酸組成の変動は,1価の不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸の量比(M/S比)の変動,オレイン酸含量の変動,ならびにリノール酸含量の変動で代表できるものと判断された.高温環境下では,背脂肪外層と腎脂肪のM/S比が有意に低くなった(P<0.05).また,オレイン酸含量は高温環境下で有無に低くなった.(P<0.05).腎脂肪のリノール酸含量は高温環境下で有意に高く(P<0.05),背脂肪外層では高くなる傾向を示した(P<0.10).飼料へ油脂を添加すると背脂肪外層ならびに同内層の融点は有意に低下したが(P<0.01),腎脂肪の融点は油脂添加の影響を受けなかった.本試験の結果から,高温環境が豚の体脂肪の脂肪酸組成に及ぼす影響の作用機作について考察した.
  • 久保 辰雄, 菅原 邦生
    1995 年 66 巻 3 号 p. 233-238
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    大豆粕とトウモロコシを主原料とする養鶏飼料ではスレオニンは第3制限アミノ酸と考えられている.著者らは既にリジン,メチオニン,トリプトファンが単独で不足するときのヒナにおけるエネルギー代謝について報告した.今回はスレオニン不足がヒナのエネルギー代謝に及ぼす影響を屠殺試験法を用いて調査した.まず,スレオニン含量が異なる4種の精製飼料(6.5,4.88,3.25,1.62g/kg)を14日間不断給与すると,増体量,エネルギー蓄積量及び蓄積率は3.25と1.62g/kgで有意に減少し,3.25g/kgではスレオニンが不足していることが明らかになった.つぎに,不足飼料給与ヒナにおけるエネルギー蓄積量の減少が,代謝エネルギー利用効率の低下によるのか,飼料摂取量の減少によるのかを明らかにしようとした.2水準のスレオニン含量(スレオニン含量6.5と3.25g/kg)と2水準の飼料給与量(198g/羽と86g/羽)を設定し,1日3回に分けて強制給餌した.高低の各水準において,増体量はスレオニン不足群で対照群より小さかった.蛋白質として蓄積されたエネルギーの量にはスレオニン含量と飼料給与水準の交互作用が見られた.脂肪として蓄積されたエネルギーの量はスレオニン含量の影響は受けず,スレオニン含量に関係なく給与水準が高い群で大きかった.エネルギー蓄積量と蓄積率はスレオニン不足によって変化せず,飼料給与量に比例して変化した.摂食による熱増加にもスレオニン含量による差はなかった.これらの結果は,スレオニン不足飼料給与ヒナのエネルギー蓄積量の減少は,主に飼料摂取量の減少によるもので,代謝エネルギーの利用効率の低下によるものではないことを示すものである.
  • 劉 煕, 石下 真人, 鮫島 邦彦
    1995 年 66 巻 3 号 p. 239-243
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    三価の陽イオンが筋肉蛋白質のゲル特性におよぼす影響を調査した.鶏胸筋アクトミオシンに塩化第二鉄(FeCl3)を添加し加熱ゲル強度を測定し,ゲルの微細構造は走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した.0.6M KClにおけるアクトミオシンの加熱ゲルはFeCl3を0.2mM添加した時に最大値となり,0.5mMの時に最小値となった.FeCl 3 0.2mM添加したゲルの微細構造は細かく,滑らかな網目構造を示した.一方,0.5mM添加の場合には大きく,粗い網目構造を呈した.アクトミオシンにFeCl3を添加したものと添加していないものの加熱ゲルの微細構造は加熱ゲル強度の結果と対応していた.
  • 猪熊 壽, 岡本 琢二
    1995 年 66 巻 3 号 p. 244-246
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    The susceptibilities to diarrhea of calves of 4 breeds, Japanese Black, Japanese Red (Kumamoto), Aberdeen Angus and Hereford, were observed in a beef herd in Hokkaido. The incidence rates of diarrhea in those breeds were 79.2, 31.6, 63.3 and 38.3% respectively and there were significantly different (p=0.001) among 4 breeds. Japanese Black and Aberdeen Angus calves tended to be more sensitive against diarrhea than Japanese Red or Hereford. There was no significantly different among 4 breeds in the age in days at the first diarrhea and the period of treatment.
    Beef cattle calves are mainly reproduced in small farms which keep small numbers of cows in Japan. Though the cost for production should be expected to be decreased, effective methods such as grazing or mass production are not established yet, especially for Japanese Black calves. Calf diarrhea is one of big problems for mass production of beef cattle2). However, there have been few studies of the susceptibility to diarrhea in the grazing environment for Japanese Black calves.
    In the present study, we observed the susceptibilities to diarrhea of calves of 4 breeds, Japanese Black, Japanese Red (Kumanoto), Aberdeen Angus and Hereford, in a grazing herd.
  • 薬師寺 智之, 原田 宏, 北 伸祐, P. G. DURAN
    1995 年 66 巻 3 号 p. 247-252
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    胚移植技術の実用化に伴って,産肉形質に関する遺伝的能力の優れた供卵牛を早期に選抜することが重要課題となっている,そこで,産子肥育成績の情報量が少ない雌牛自身に対して超音波を利用して得られた枝肉形質の選抜基準作成のための基礎的検討を行なった.供試牛は,種雄牛造成に用いられる選抜供卵牛群18頭,無作為に選んだ胚移植試験用供卵牛(試験用牛群)29頭および一般に供卵牛として用いられる一般供卵牛群45頭,さらに通常に分娩を繰り返し行なう雌牛(通常繁殖雌牛)56頭の計148頭である.超音波測定部位は,生体の左側の第7胸椎部におけるロース芯面積(MLTA),脂肪交雑評点(BMS),皮下脂肪厚(SFT),筋間脂肪厚(IMFT)およびバラの厚さ(RT)であり,超音波測定時に体重も測定した.得られたデータに対し,月齢,牛群,出生季節,種雄牛,牛群と出生季節の交互作用および体重への回帰を取り上げHARVEY10)の最小自乗分散分析を行なった.月齢はRTを除くすべての形質に対し0.1%水準で有意性が認められ,MLTAは50ヵ月齢前後,BMSは40~50ヵ月齢前後にピークが示された.供用目的別による供卵牛の選抜供卵牛群,試験牛群および一般供卵牛群,さらに通常繁殖雌牛とした牛群の効果は,すべての形質に対して有意性が認められ,とくにMLTA, BMSおよびRTは0.1%水準で有意であった.通常繁殖雌牛のMLTAは,供卵牛の3群に対して有意(P<0.05)に大きい値が認められた.また,MLTAの供卵牛間の比較は,選抜供卵牛群,試験用牛群および一般供卵牛群の順に高い値を示し,それぞれ他の牛群に対して有意な差(P<0.05)が認められた.BMSは供卵牛が通常繁殖雌牛に対し有意(P<0.05)に大きい値を示した.出生季節はBMSを除くすべての形質に対し有意性が認められ,春および夏に生まれた個体はMLTAおよびBMSで高い傾向を示した.また,冬に出生した個体は各形質ともに小さい値が得られた.種雄牛はすべての形質に対し有意性が認められ,SFTは種雄牛による差の大きいことが認められた.牛群と出生季節の交互作用はすべての形質に対し0.1%水準で有意であった.体重への回帰の効果は,BMSに対する二次回帰を除いたすべての形質に有意性が認められた.
  • 三宅 武, 守屋 和幸, 佐々木 義之
    1995 年 66 巻 3 号 p. 253-258
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    BLUP法ではデータ構造に適した最適モデルを選択する必要があるが,実際のデータを用いて,どのモデルが優れているかを判断することは困難である.そこで,有限遺伝子座を仮定したシミュレーションデータを作成し,得られたシミュレーション集団の遺伝的構造について検討するとともに,BLUP法による育種価予測の妥当性について検討した.形質は30遺伝子座に支配されていると仮定し,相加的遺伝子効果のみを考慮した.環境要因として農家と出生年次を取り上げ,6年次の選抜を行ない世代に重複のある集団を作成した.ここで農家数を3通り,選抜方法を2通り設定し,それらを組み合せた6条件下で各条件ごとに集団を反復作成した.作成された集団には年次に伴う平均近交係数の上昇と相加的遺伝分散の減少が認められ,そこにはさらに配偶子不平衡や遺伝子頻度の変化に伴う遺伝分散の減少も生じていたものと推察される.また,いずれの条件においても集団に正の遺伝的趨勢が認められた.全記録と全血縁情報を用いた個体モデルのBLUP法による予測育種価から推定された遺伝的趨勢の推定値には,偏りが認められなかった.したがって,有限遺伝子座を仮定したシミュレーションデータにおいても,BLUP法により個体の育種価の不偏推定量が得られることが示され,このようなシミュレーションデータをBLUP法のためのモデル選択などに利用することが可能であると推察される.
  • 三宅 武, 守屋 和幸, 佐々木 義之
    1995 年 66 巻 3 号 p. 259-266
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    BLUP法による屠肉性に関する種雄牛評価のための最適モデルについて検討を行なった.材料として屠肉性形質を想定して発生させたシミュレーションデータを用いて,父親モデル,母方祖父モデル(以下MGSモデルと略す),および個体モデルにより種雄牛評価を行ない,各モデルによる種雄牛評価の有効性について比較検討した.データ発生では,3通りの農家水準数,および2通りの雌選抜方法を設定した.設定したいずれの条件下においても,父親モデルが他のモデルよりもかなり低い正確度を示した.一方,MGSモデルと個体モデルとの間の差は小さく,とくに農家数が増加した場合にはその差は認められなかった.平均平方誤差では個体モデルが最も小さい値を示したが,その場合でも,全個体が記録を持っているとした場合に比べて偏りは大きかった.個体モデルの評価個体数は父親モデル,MGSモデルに比べてはるかに多くなった.以上の結果より,屠肉性形質についてフィールド記録に基づく種雄牛評価を行なう場合には,個体モデルよりもMGSモデルを用いることで,より有効に種雄牛評価が行なえるものと推察される.
  • 志賀 瓏郎, 土屋 佳紀, 長峰 さつき
    1995 年 66 巻 3 号 p. 267-273
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    3頭のコリデール種妊娠羊(体重48~57kg)を用い,ヘイキューブ,フスマおよび市販の配合飼料と水3.3lを混和した飼料(分娩前;高カルシウム,高マグネシウム,分娩後;低リン,高マグネシウム)で飼育し,分娩後は自由哺乳させ,周産期のCa, P, Mg代謝を調べた.血液は分娩前5週から週1回,分娩後は1,4,7,10日と2,3および4週に,尿は分娩前4週から分娩後4週まで毎日,乳汁は分娩後1,4,7,および10日と2,3および4週に,それぞれ,給餌前に採取し,Ca, PおよびMg濃度を測定した.尿中のミネラル濃度は尿中クレアチニン濃度比(mM/Cre mM)で示した.血清濃度は,分娩直前直後にCaとMgが低下傾向を,Piが上昇(P<0.05)を示したが,分娩後4週には分娩前5週の値に戻った.CaとMgとの間に正の相関(P<0.01)が,PiとMgとの間に負の相関(P<0.001)が,PiとCaとの間に部分的に負の相関(P<0.05)があった.尿中濃度は,泌乳に伴い,Caは著しく低下(P<0.001),Piは変化なく,Mgは一過性に上昇し(P<0.05),それぞれ,異なる変動パターンを示した.乳汁中濃度は,経日的に低下し,CaとMgの間には正の相関(P<0.05)があり,Pは分娩後は低かったが,2週以降に上昇傾向を示し,分娩後4週にはCaと同様のレベルに達した.また,Mgの血清濃度と尿中濃度との間に負の相関(P<0.05)があり,羊の分娩前後には尿中排泄が促進され,血清濃度が低下することが明らかとなり,泌乳よりも尿中排泄の影響が大きいことが示唆された.羊の周産期のCa, P, Mg代謝はミネラル相互のバランスと腎機能が重要と考えられた.
  • 黒毛和種銘柄牛間の成分の相違について
    佐藤 雅彦, 中村 豊郎, 沼田 正寛, 桑原 京子, 本間 清一, 佐藤 朗好, 藤巻 正生
    1995 年 66 巻 3 号 p. 274-282
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    和牛がなぜおいしいかを解明する一助のために,銘柄牛とされる5種類の和牛の香気および呈味成分について検討した.理化学的分析の結果は以下のとおりである.
    (1) 赤肉部の分析では,ペプチドの分子量分布,ヒスチジン関連ジペプチドおよび核酸関連物質に銘柄による顕著な差は認められなかった.全アミノ酸量およびグルタミンは飛騨牛で多く,松阪牛で少なかった.
    (2) 脂質の分析では,いずれの銘柄牛もほとんどHPLCにおける保持時間(Rt)55分以降にピークが存在し,そのピークパターンは類似していた.脂質の融点は,神戸牛,米沢牛および松阪牛で低く,前沢牛および飛騨牛で高かった.
    (3) 加熱香気分析では,加熱後の牛肉試料中の脂質含量に差はないが,回収された香気画分の量,香気画分中の窒素化合物において前沢牛が多く,香ばしいことが予想された.また,官能基別分類では,酸類,アルコール類,アルデヒド類,ケトン類に銘柄による相違が認められ,これらは脂質に由来する化合物の差が現れていると考えられた.
  • 水谷 茂章, 中川 和治, 礒野 禎三, 毛利 信幸
    1995 年 66 巻 3 号 p. 283-288
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    ヘキサミン(1,3,5,7-テトラアザトリシクロ[3.3.1.13,7)]デカン)の鞣皮性を研究するために,ヘキサミン溶液での温度と硫酸の添加量がpH並びに皮粉の熱変性温度(TD)に及ぼす影響,また,ヘキサミンがクロム鞣液のpH並びにクロムの沈澱形成に及ぼす影響について検討した.得られた結果は次の通りである.1) ヘキサミンの分解反応は比較的容易に始まるが,反応終了までには長時間を要した.しかし,皮粉が共存すると,その時間が短縮された.また,皮粉のTDの上昇は非常に遅かった.一方,溶液の温度が高いほど,硫酸の添加量が多いほどヘキサミンの分解反応が促進され,皮粉のTDの上昇は速くなった.2) クロム鞣剤は硫酸酸性下においてヘキサミンの分解反応を速めた.すなわち,ヘキサミンの分解反応が終了するまに要する時間は,クロム鞣剤が共存しない場合の1/2以下となり,また,溶液の温度が高いほど,硫酸の添加量が多いほど短縮された.3) ヘキサミンークロム鞣液では,かなり高いpHにおいてもクロムが沈澱しにくい.このことは,ヘキサミンの分解反応による生成物がクロム錯塩に対してマスキング効果を持つことが考えられる.
  • 水谷 茂章, 中川 和治, 毛利 信幸
    1995 年 66 巻 3 号 p. 289-292
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    製革工場から排出されるクロム量の削減を目的として,クロム鞣剤の使用量を減らし,その代替としてのヘキサミン(1,3,5,7-テトラアザトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン)をクロム鞣製の前工程であるピックリングに利用した.ヘキサミンの効果の検討は,ピックル液と鞣液のpHおよびクロム濃度,ピックル皮と革の熱収縮温度(TS)およびクロム含有量を指標として行なった.また,得られた革について官能的な品質検査とクロムの溶出性を調べた.
    その結果,ヘキサミンがピックル皮のTSを上昇させ,また,鞣液のpHを上昇させた.また,鞣製後の残液のクロム量が著しく減少した、革はクロム含有量が少ないにもかかわらず,TSが高く,外観的な品質面でも通常と同程度のものが得られた.また,革から溶出するクロム量が少ないことが認められた.
  • 渡辺 和俊, 中村 文彦, 須山 享三
    1995 年 66 巻 3 号 p. 293-298
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    食品のタンパク質のグリケーションの程度は,フルクトシルリジンやラクチュロシルリジンなどアマドリ化合物を含むタンパク質の酸加水分解により生成する,フロシンの定量によって行なうことができる.本実験では,フロシンを効率的に生成する加水分解条件およびカウンターイオンとしてSDSを用いた逆相系HPLCによるフロシンの分析法について検討した.その結果,フロシンの生成の最適条件の設定と共に,フロシンの定量を約15分で効率よく行なう方法を開発した.本法を用いて,乳および乳製品タンパク質のグリケーションの程度を調べた結果,スキムミルク,乳児用調整粉乳および原料に脱脂粉乳を用いた発酵乳において高い値を示した.
  • 米内 美晴, 下司 雅也, 坂口 実, 鈴木 修
    1995 年 66 巻 3 号 p. 299-302
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
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