ミニブタの体温調節と環境作用の特徴について,環境温度と飼料摂取条件による横臥•伏臥姿勢の変化から検討した.体重17~19kgのミニブタ雄3頭を,環境温度(Te)25, 29, 33°Cにそれぞれ4日間感作し,2日間可消化養分総量(TDN)60g/kg0.75日摂食させた後,2日間絶食を行い,その間の横臥,伏臥,起立姿勢と体表温度を72時間測定した.Te29と33°Cでは,横臥時間は明期の66%,暗期の92%を占め,Te25°Cにおいては,伏臥姿勢が増え,とくに,絶食24時間後,伏臥時間は,明期の70%,暗期の60%を占めた.各処理ともに,暗期では横臥を多く,明期では伏臥を多く行う特徴が認められた.平均体表温度は,Teにともない上昇し,絶食により0.9°C低下し,また,伏臥姿勢に比べ横臥姿勢では0.3°C高かった。これらのことから,ブタの休息姿勢の違いは,温熱環境の作用に対応しており,横臥•伏臥姿勢の増減は熱放散の調節に大きく関与する反応の一つとして環境管理に利用できる指標になりうるものと考えられた.
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