シイタケ培養によるバガスの消化性改善に及ぼす菌株と培養条件の影響を検討した.試験1 : バガスにシイタケの4菌株,K, IFO 6654, USP(No. 456)およびTMI-1256を,26℃で8週間培養した.試験2 : バガス・米ぬか(9 : 1)培地にUSPを,26℃で4週間培養した後,25℃または30℃で4週間培養した.試験3 : バガス・米ぬか培地にTMIを,28℃で8週間または12週間,および28℃と32℃でそれぞれ4週間培養した.試験1 : 培養後のバガスの
in vitro有機物(OM)消化率(
in vitro OM digestibility ; IVOMD)はKおよびIFOに比べてUSPおよびTMIが高かった(
P < 0.05).TMIを培養したバガスのリグニン含量が4菌株の中で最も低かった.試験2 : USPを25℃と30℃で培養した培地のIVOMDおよび48時間の
in vitroガス生産量(
in vitro gas production ; IVGP)の間には差が見られなかった.しかし,24時間のIVGPおよび
in vitro NDF消化率(
in vitro NDF digestibility ; IVNDFD)は,30℃が25℃より高かった(
P < 0.05).試験3 : TMIを28℃で12週間培養した培地のIVOMD,48時間のIVGPおよびIVNDFDは,8週間培養したものより高かった(
P < 0.05).しかし,8週間培養した培地のIVOMD, 48時間のIVGPおよびIVNDFDには,培養温度による差は認められなかった.USPを26℃と30℃でそれぞれ4週間培養する条件が最も効果的であった.
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