飼料用サトウキビサイレージ(キビS)の給与が育成牛の飼料摂取量と増体に及ぼす影響を検討するため,黒毛和種去勢牛14頭(5ヵ月齢)の育成期に飼養試験を5ヵ月間実施した.濃厚飼料を制限給餌し(加齢に伴い2.1%から1.5%に減量),粗飼料については,0%区(5頭)に輸入エンバク乾草,50%区(5頭)に輸入エンバク乾草とキビS(原物比1 : 1(乾物比約4 : 1)),100%区(4頭)にキビSを不断給餌した.平均日増体量(kg/日)はキビS給与割合の増加に伴って低下傾向を示した(linear,
P < 0.10).粗飼料摂取量(体重%)は50%区が高値を示し,100%区が最も低値であった(linear,
P < 0.01 ; quadratic,
P < 0.05)が,ADF摂取量(体重%)は0%区,50%区および100%区でそれぞれ0.47, 0.53および0.50と影響はなかった.以上の結果から,キビSは飼料中繊維含量などを考慮することで,黒毛和種去勢牛の育成期において利用できると考えられた.
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