シマウマのシマ模様の機能は,吸血昆虫の忌避とする仮説が現在のところ最も有力視されている.吸血昆虫は家畜生産においても深刻な被害をもたらす害虫である.本解説では,4種に大別されるシマウマのシマ模様の機能仮説について概説し,筆者らが実施したシマ模様の機能仮説を畜産に応用した研究をはじめ,吸血昆虫忌避仮説に関する先行研究および吸血昆虫と家畜生産との関係について解説した.
酒粕あるいは酵母給与が黒毛和種肥育牛の飼料摂取量,飼料消化性,ルーメン発酵および血液性状に及ぼす影響を検討した.供試牛は黒毛和種肥育牛10頭とし,3×3ラテン方格法で飼養試験を行った.処理区は,酒粕を300 g/日/頭給与する酒粕区,酵母飼料を32 g(酵母量として1.6×1010 cfu)/日/頭給与する酵母区およびいずれも無給与の対照区とした.乾物の摂取量と消化率には処理の影響は認められなかった.ルーメン液の揮発性脂肪酸割合は酒粕区で酢酸の減少とプロピオン酸の増加が認められ,エンドトキシン(LPS)活性は酵母区に比べて酒粕区で高かった.ルーメンpHに処理の影響は認められなかった.血液成分は,酵母給与により遊離脂肪酸と中性脂肪濃度が増加した.以上より,黒毛和種肥育牛への酒粕給与はルーメン内発酵が活性化すること,また,酵母給与はルーメン発酵にほとんど影響しないことが明らかになった.
乳牛のふん粒度をモニタリング指標にするため,ふん粒度の短期変動特性および乳生産性との関係について調査した.試験1ではふん粒度の日間および日内変動を調査し,試験2ではふん粒度と生産性等の関連を調査した.試験1では,1日分の混合ふんと1日3回採取したスポットふんを比較した.日間変動は各項目で認められなかったが,粒度分布の中段割合では,17:00のふんと1日ふんの間に有意差(P<0.05)が認められた.一方,ふん平均粒子径は,採取時間による有意差は認められず,再現性の高い指標であると考えられた.試験2では,ふん平均粒子径と乳量に正の関係(P<0.05),乳脂肪率に負の関係(P<0.01)が認められた.また,ルーメンフィルスコアの水準間でふん粒度が有意に異なった.以上より,ふん平均粒子径を用いれば,日間,日内変動の影響を受けることなく乳牛の生産性等をモニタリングできる可能性が示唆された.