脊柱靭帯骨化の病態は,遺伝要因を背景として,様々な全身性·局所性因子が関与して発症するとされている。本研究では,脊柱靭帯骨化におけるbone morphogenetic protein(BMP)の関与について検討することを目的とした。脊柱靭帯骨化例より手術時に摘出した脊柱靭帯を標本として用い,BMP-2遺伝子の発現状態をin situ hybridizationにより検索した。BMP-2の遺伝子発現は,靭帯から骨化巣に移行する間の軟骨様細胞やそれに近接する線維芽細胞様細胞に強く認められた。大部分の骨化部や離れた靭帯内の線維芽様細胞には反応は認められなかった。非骨化例では,反応は全く認められなかった。脊柱靭帯骨化においては,BMP-2がパラクライン,オートクラインに作用することにより,その発生,進展に関与している可能性が考えられる。
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