目的 脊椎後方手術における神経根の圧排操作が神経根に及ぼす影響について基礎的研究を行った。
対象及び方法 日本白色家兎15羽を対象とした。第7腰椎,第1仙椎間の椎間開窓術のみを施行したもの(コントロール群),開窓術施行後,神経根を圧排圧5.6g/cm
2にて3分間圧排した群(3分圧排群),10分間圧排した群(10分圧排群)を各群5羽ずつ作成し,電気生理学的手法にて神経根に対する障害度を検討した。また2カ月後に神経周囲組織について組織学的に検討した。
結果 3分間圧排では圧排直後はコントロールに比較し,14%の振幅の低下を認めたが,10分後には回復していた。しかし,10分間の圧排では86%振幅が低下し,以後完全な回復は認めなかった。
結論 10分以上の連続的な神経根の圧排操作は神経根に重大な障害を与える可能性が示唆された。
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