目的: 踵骨の距骨下関節内圧を測定し, 骨折後の良好な臨床成績を得るための要因を検討した.
対象および方法: 正常人体標本(N群)5例において背屈位, 中間位, 底屈位での加重面積と最大圧ポイントの軌跡および最大圧を測定した. また人体骨折モデル(F群)5例において最大圧ポイントの変位と骨折前後の最大圧を測定した.
結果: N群では, 最大圧ポイントは一点に集中する傾向にあった. 最大圧は, 50kgf荷重時に背屈位22.3kg/cm
2, 中間位24.5kg/cm
2, 底屈位26.0kg/cm
2であった. F群では, 最大圧ポイントは骨折前後で変位しており, 最大圧は50kgf荷重時に骨折前24.6kg/cm
2に対し骨折後は28.7kg/cm
2と約17%増加していた.
結論: 踵骨骨折の長期予後を左右する因子としてBöhler角の関与が示唆された.
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