【目的】正常足関節外側靱帯における知覚神経終末の形態と分布について三次元的に調べることである. 【対象および方法】解剖用献体および外傷により切断にいたった下腿から足関節外側靱帯を構成する前距腓靱帯, 踵腓靱帯, 後距腓靱帯の3靱帯を採取, Gairnsの塩化金染色変法にて染色した. 靱帯の腓骨付着部を近位側, 距骨や踵骨付着部を遠位側, 皮膚側を外側, 関節側を内側とし, 連続切片を作成した. 各切片に存在する知覚神経終末の形態と分布を光顕下に観察した. 【結果】足関節外側靱帯にはルフィニ受容器, ゴルジ腱様受容器, 自由神経終末の3種の知覚神経終末が認められた. それらの分布状況は前距腓靱帯, 踵腓靱帯では腓骨付着部に多く存在しており, 後距腓靱帯では腓骨付着部と距骨付着部で同等に存在していた. 内外側の比較では外側に多く存在していた. 【結論】足関節外側靱帯内の知覚神経終末の存在は, それらの足関節の運動制御機構や運動時痛などへの関与が考えられる.
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