β-TCPを使用しプレート固定術を施行した踵骨骨折5例5足に対し, その治療成績について検討を行った. 手術方法は広範囲外側展開にて進入し, 転位部の整復を行い, 骨欠損部にβ-TCPを充填し, プレート固定を行った. 術直後のベーラー角は平均22.4°改善し, 最終調査時Maxfield機能評価にてexcellent 2例, very good 1例, fair 2例, poor 0例という治療成績であった. β-TCPは気孔率が高く力学的強度に欠けるが, 自家骨への置換が早く, 充填部の強度は経時的に回復する. 荷重肢骨である踵骨に充填する人工骨として, 後療法に留意すればβ-TCPは有用であると考えた.
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