【目的】頚椎脱臼骨折に対する後方インストゥルメンテーションの有用性につき検討した. 【対象】頚椎脱臼骨折に対し, 後方インストゥルメンテーションを単独で行った7例で, 男性5例女性2例であった. 手術時年齢は平均58.7歳, 術後観察期間は平均8.4ヵ月であった. 【方法】インストゥルメントはOlerud Cervicalを用い, 固定性を評価するため, 前弯角とすべりを術直後・最終観察時で計測し比較した. 【結果】Lateral mass screw固定・pedicle screw固定とも, 前弯角・すべりの変化はほとんどなく, 十分な固定性が得られた. 【結語】前方法では前方圧迫要素を直接除去できるが, 固定力に問題がある. 前後合併手術は侵襲が大きいことが欠点である. 本術式では後方侵入で整復と固定が同時にでき, 強固な固定が得られるため, 離床が早く外固定の期間が短いという利点を有する. 但し, 前方圧迫要素を除去できないという欠点もある.
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