【目的】薬物療法抵抗性の関節リウマチ (Rheumatoid Arthritis: RA) に対する白血球除去療法 (Leukocy-tapheresis: LCAP) の有効性が報告されているが, その作用機序は充分に解明されていない. そこで, LCAP前後でRA患者の血清蛋白質をプロテオーム解析し, 本法の抗リウマチ効果を検討した.
【対象•方法】症例はLCAPを初めて導入した11例 (男性1例, 女性10例, 平均年齢59.5歳) で, LCAPを5回施行し1回目直前と5回目終了直後に採血し血清蛋白質の二次元電気泳動と質量分析を実施した.
【結果】二次元電気泳動では, LCAP前後に変化したスポットを複数検出した. 質量分析の結果, 補体B因子は減少し, Bbとα2マクログロブリンは増加した.
【結論】LCAPによるオーバーシュート現象で末梢に動員された白血球の作用で血清中に増加したα2マクログロブリンが生理活性物質の作用を制御すること, 補体反応の第2経路の初期反応が活性化し免疫複合体が可溶化することにより, 抗リウマチ効果が得られることが示唆された.
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