【目的】今回われわれは,腰部脊柱管狭窄症に対するmicroendoscopic over the top laminoplasty(ME-OTT)において,硬膜癒着の存在を示す術前所見について検討を行った.【対象】症例は2016年以降に,内視鏡下椎弓形成術を施行された75例とした.【方法】評価項目は,年齢,罹患期間(月),画像所見(Redundant nerve root,椎間板ヘルニア,石灰化,嚢胞,術後瘢痕)とした.癒着は形状から直接型と,索状物が介在した間接型に分類し,比較検討を行った.【結果】硬膜の癒着が認められた症例は39例で,癒着の形状は,直接型が15例,間接型が24例であった.年齢では直接型群に高齢化が認められ,罹患期間(月)においては癒着群に長期化の傾向が認められた.各画像所見において42~99%に,手術歴のある症例では100%に,硬膜癒着が認められた.【結論】本検討の結果から,75歳以上の高齢者や,3年以上の罹患期間,RNR,椎間板ヘルニア等の画像所見は,硬膜癒着の可能性があり,術前計画を立てる上で参考所見となり得る.