【目的】内側開大高位脛骨骨切り術(OWHTO)前後の膝関節面傾斜変化量と下肢アライメントの関係について検討すること.【対象および方法】片側OWHTO施行後1年以上経過観察可能であった69例69膝を対象とした.術前と術後1年時の大腿脛骨角(FTA),脛骨近位内側角(MPTA),%荷重軸(%MA),および対床面に対しての大腿骨内転角(HAA),膝関節傾斜角(KJLO),足関節傾斜角(AJLO)を計測した.術前後の変化量(Δ)を算出し,各評価項目との相関を検討した.【結果】矯正角度とΔMPTAに有意な正の相関(r=0.45)を認めた.矯正角度およびΔMPTAとΔHAA,ΔKJLO,ΔAJLOには相関を認めなかった.術後MPTAと術後KJLOに有意な負の相関(r=-0.52)を認めた.ΔHAAとΔKJLOに有意な負の相関(r=-0.58)を認めた.ΔKJLOとΔAJLOに有意な正の相関(r=0.36)を認めた.ΔHAAとΔAJLOに,有意な負の相関(r=-0.30)を認めた.【考察】膝関節傾斜角変化量が小さい場合,股関節内転角変化量は減少し,足関節傾斜角変化量は増大する.
稀な腫瘍である膝関節滑膜性血管腫に対し切除術を行い経過良好な1例を経験したので報告する.症例は4歳男児.主訴は右膝痛.1年程前より誘因なく右膝痛と繰り返す膝関節水腫を認めた.初診時,右膝外側に可動性良好,弾性硬の腫瘤を触知した.軽度の膝関節水腫を認め,膝関節90°の屈曲制限を認めた.造影MRIで右膝蓋上嚢にT1強調像で低信号,T2強調像で高信号,不均一な造影効果を呈する腫瘤性病変を認めた.エコー検査では腫瘍内に豊富な血流を認め,血管腫が疑われた.疼痛が強いため手術を施行した.膝蓋骨外側,腸脛靭帯と外側広筋の間より侵入した.腫瘍は一部関節包と癒着していたため関節包を含め一塊に切除した.病理所見は血管腫と矛盾しない像であった.術後症状改善し経過良好である.
すでにアカウントをお持ちの場合 サインインはこちら