真皮下血管網含有全層植皮術は真皮直下の粗性結合織と真皮下血管網を温存して植皮を行うことで,通常の全層植皮術と比較しても拘縮が少なく,良好な生着を得られることが知られているが,デグロービング損傷に使用した報告は少ない.今回手指デグロービングに対して真皮下血管網含有全層植皮術を行った症例を経験した.症例は 29歳男性.仕事中にうどんの製麺機に巻き込まれ受傷.左手全周性の広範囲デグロービング損傷を認め救急搬送され,同日剥脱皮膚を用いて真皮下血管網含有全層植皮術を行った.移植皮膚の手背部の脱落を認め,追加手術を要したが,手指部の移植皮膚は生着し,拘縮の少ない指の再建が可能であった.
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