東京大学生態水文学研究所長期生態系プロット(モニ1000 愛知赤津サイト)内では,口径0.5 ㎡のリター・シードトラップを25 基設置して2005 年7 月から毎月末を基本に落下内容物を回収している。今回はヒノキの豊凶の実態解明と,種子落下数と球果落下数の関係を明らかにする目的で,2021 年6 月末までの16 年間の内容物からヒノキの種子と球果を仕分けして解析した。種子の落下は開花年の12 月にピークが1 度に対し,球果の落下は開花年の12 月か1 月と,3,4,5月の何れか2 度のピークが見られ,落下の季節性が異なっていた。種子には豊凶が見られ,ある開花年の7 月末回収分から翌年6 月末回収分までを区切りとした年度別種子落下数が1,500 個/㎡/yr. 以上であったのは2005,2009,2013,2014,2017,2018,2019 の各年度で,2013 年以降その頻度が高くなっていた。各年度の種子落下数と球果落下数には高い相関関係が見られた。16 年間の年度別平均では球果1 つ当り37±8 個の種子が落下していた。豊凶と気象要因などとの関連解析が今後の課題として上げられた。
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