中国語学
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2015 巻, 262 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
特集
  • 袁 毓林
    2015 年 2015 巻 262 号 p. 1-30
    発行日: 2015/10/31
    公開日: 2025/05/21
    ジャーナル フリー

    本文旨在厘清意合语法的不同含意,揭示汉语意合语法的认知机制和运作过程,建立足以刻画汉语语法的意合机制的描写体系。首先说明低级版本的意合法侧重于语法形式的不充分性,而高级版本的意合法侧重于语言形式的不完整性;说明主体间性和体验性认知对于意合语法的支撑作用。在此基础上,尝试建立一种基于概念结构的“词库-构式”等多层次结构(论元结构、物性结构、骨架结构、时体结构和认识结构等)互动的汉语语法的描写体系。最后,说明意合语法的神经—心智动力源于大脑心智的运作采用了一种分层次的模式识别方式,人类语言是一种“编码—解码”和“示意—推理”两头管用的机会主义系统。

  • 杉村 博文
    2015 年 2015 巻 262 号 p. 31-56
    発行日: 2015/10/31
    公開日: 2025/05/21
    ジャーナル フリー

    袁毓林 2015「汉语意合语法的认知机制和描写体系」は中国語の文法の特徴を「意合法を主とする」と認定した。それは中国語の文法を記述する文法も意合法の作動メカニズムを明示的に記述できるシステムでなければならないことを意味する。袁 2015 はそれを「概念構造に基づいた、辞書と構文が相互に作用し合う中国語意合文法の記述体系」と呼ぶ。本稿は袁 2015 をめぐり以下の三点を中心に論じる。一、低水準意合法と高水準意合法の詳細。二、高水準意合法の記述に関する方法論的問題。三、中国語の文法が「意合法を主とする」でありえる理由。

研究論文
  • 野原 将揮
    2015 年 2015 巻 262 号 p. 57-75
    発行日: 2015/10/31
    公開日: 2025/05/21
    ジャーナル フリー

    本文的主要目的是構擬“少”字的上古音。根據以往的研究,關於“少”字的上古音仍存在著一些爭論。這是因为“少”字的諧聲系列極為複雜,根据《說文》,“少”與明母“杪”、“秒”、初母“鈔”等有諧聲關係。加之,有些學者也認為“少”與心母“小”有諧聲關係,可互通假。不過根據中古音、諧聲原則、通假規則,本文不認同“少”與明母“杪”、心母“小”之間有諧聲、通假關係。本文以出土文獻的通假例子和閩語送氣、不送氣塞擦音(中古音書母)為研究對象進行分析,構擬了“少”字的上古音。與此之外,在出土文獻中的“少”字的表現也相當複雜,本文也涉及到與“少”字有關的“勺”“趙”等字的上古音。

  • 鋤田 智彦
    2015 年 2015 巻 262 号 p. 76-94
    発行日: 2015/10/31
    公開日: 2025/05/21
    ジャーナル フリー

    本文通过分析《满文三国志》中汉字音的满文拼法,以考察满人翻译时所依据的汉语方言。当时满人为了解中国的历史文化,把大量中国书籍翻译成满文,《满文三国志》便是其中之一。该书成书于清顺治七年(公元 1650 年),可以说是较早期的满文译本。他们根据汉语发音把原文的人名、地名、官名等汉语词汇以满文字母记录。我们通过分析这些记录的拼法,能了解他们掌握汉语的情况。分析结果表明《满文三国志》所反映的语音与同时期反映北京语音的《重订司马温公等韵图经》,以及反映其他北方音资料之间,存在不少差异。通过这些语音情况和对满汉语言接触历史的分析,笔者认为《满文三国志》的满文拼法应该是受到了胶东方言的影响。

  • 八木 堅二
    2015 年 2015 巻 262 号 p. 95-113
    発行日: 2015/10/31
    公開日: 2025/05/21
    ジャーナル フリー

    本論は三種の声調体系の交錯地帯となる山西省沁源県交口郷で単字調の世代差調査を行い、調類合流の進行を明らかにした上で、ピッチ曲線の分析によって世代間における調値変化の過程を考察する。交口の調類は最古層では七調を区別するが、清去と濁去、清入と濁入、清上と清平、清平と濁平の合流が進行し、さらに清平・濁平・清上の合流が発生している。合流の進む組と進まない組では聴覚実験の弁別率に有意な差が見られ、調類合流の進行が裏付けられる。調値は各調とも世代間で前世代の特徴を引き継ぎながら連続的に変化するが、変化は一方向のみとは限らず、相反する方向の変化が同時に出現する場合もある。合流の進行とともに調形の相互接近が見られ、結果として双方の特徴を兼ね備えた調形が出現する場合がある。また、同時に平板化する傾向も見られ、余剰な特徴が切り落とされている。

  • 宮島 和也
    2015 年 2015 巻 262 号 p. 114-133
    発行日: 2015/10/31
    公開日: 2025/05/21
    ジャーナル フリー

    本稿ではまず、「于」と「於」は前置詞{yu}という一つの語彙の表記上のバリエーションであり、{yu}の軽読による発音の変化(合口性の消失)が、春秋戦国期における「于」から「於」への交代を促したと想定できることを主張する。その上で戦国中期から統一秦にかけての簡牘資料を調査し、楚ではほぼ「於」しか使用せず、秦では「于」「於」を混用するという地域的な表記の差異が存在することを明らかにする。そしてこの表記における差異をもたらした要因は、楚では{yu}の使用頻度が高い一方、秦では使用頻度が低いという統語的特徴の違いであると考えられること、また秦簡における「於」の分布からは、{yu}の「於」による表記という習慣は秦以外の地域から秦へと伝播した可能性が高いと推定できることを指摘する。

  • 鈴木 史己
    2015 年 2015 巻 262 号 p. 134-152
    発行日: 2015/10/31
    公開日: 2025/05/21
    ジャーナル フリー

    本稿は修飾構造を有する複合語の成立・定着を考察するために、現代漢語方言におけるセッケン(soap)を表す語を例として、言語地理学的手法と文献調査にもとづき、「外来」を表す主要な語素“洋”を有する語形のふるまいを分析する。“洋”は在来事物を表す既存語形に弁別成分として前置されることで外来事物を表す新語を構成し、その新語と既存語形は二項対立をなす。在来事物が淘汰されて弁別機能を失うと、“洋”は脱落しやすくなる傾向があるが、語形式の構造によってその定着度は異なる。また、同じく“洋”を有する語形が地理的に隣接して分布する場合は、類推作用がはたらいて“洋”が保持される可能性がある。“洋”は参照項として既存語形の存在を前提としているため、修飾成分というよりも弁別機能を果たす接頭辞的性質が色濃く、造語力が強い反面、臨時性も強い。

  • 宋 天鴻
    2015 年 2015 巻 262 号 p. 153-167
    発行日: 2015/10/31
    公開日: 2025/05/21
    ジャーナル フリー

    本文从示证性和情态表达功能的角度对绍兴方言中的处所动词“来带”“来咚”“来亨”进行了考察,并归纳出以下结论。“来带”表示对说话人可视的存在主体。“来咚”表示对说话人不可视的存在主体。“来亨”表示位于说话人和听话人可视范围之外的存在主体。此外,当说话人基于非视觉信息对存在主体的位置做出判断时还受到情态表达功能的影响。

  • 野田 寛達
    2015 年 2015 巻 262 号 p. 168-186
    発行日: 2015/10/31
    公開日: 2025/05/21
    ジャーナル フリー

    本稿は疑問詞研究の新しい試みとして、近年言語類型論の分野で利用されている「意味地図理論(The Semantic Map Theory)」を用いて地点、指別、人、時点、類別、事物を尋ねる疑問詞の機能間の関連性に関し考察した。疑問詞の語構成の共通性から、地点、指別、人と時点、類別、事物という概念がそれぞれ内部で関連性の深い二組の概念であることを示し、概念空間を構築した。この概念空間を基にした諸方言の疑問詞の意味地図を特徴の違いから 2 タイプに分類し、従来吕叔湘 1985 等の指摘する漢語諸方言に見られる疑問詞の表現形式の多様性の背後には、機能間の関連性を根幹とする機能分布の差異があることを示した。

  • 長谷川 賢
    2015 年 2015 巻 262 号 p. 187-205
    発行日: 2015/10/31
    公開日: 2025/05/21
    ジャーナル フリー

    本稿は、これまで論じられてこなかった、“A 了 B (,) B 了 A”という構造を取り上げ、その文法機能や構造的意味を考察する。考察の結果、“A 了 B (,) B 了 A”は、形式上は緊縮構造の“A 了 B”が重ねられた構造ではあるが、文字通りの一回性の〈動作〉を叙述するものではなく、典型的には、「事態が進展し難い」状況を描写する表現形式であることが明らかとなる。また、当該構造と AABB 型動詞重畳形式を対照すると、それぞれが描写する事態には、話し手の認知的な捉え方に違いがあることが明らかになる。即ち、AABB 型動詞重畳形式は、事態を総括走査の視点で捉え、複数の動作主が無秩序に繰り広げる動作の反復を、一まとまりの〈様態〉として描写する形式であるのに対して、“A 了 B (,) B 了 A”は、事態を順次走査の視点で捉え、繰り返し行われる一回一回の動作の〈集積〉として形成される一つの〈状況〉を描写する表現であると考えられる。

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