本稿は「姜是老的辣」などの文について, 意味特徴と構文形態との二つの側面から分析を試みる。「姜是老的辣」などの文は主として「話題-説明」という語用論的意図で展開する構文形態の一つである。文頭に立つ成分は構文的主語というより, むしろ語用論的「話題」という性格を強く持っている。このタイプの文において, 文頭成分がある「類」の範囲を提示し, 「是」の後続成分でその「類」の属性を持つ具体的な対象を示すという「話題-指定説明」の意味関係が実現されている。また「是」は主として指定説明の標識 (marker) として機能しているので, 「A是B」のような名詞判断文に用いられる「是」とは違った性格を持っているものと考えられる。
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