中性およびアルカリ性電解液中で Ag電極に4,4’-ビピリジン(BiPy)を吸着させると、BiPyがない場合に比べて30倍ほど水素発生反応(HER)が促進されることを見いだした。本研究ではそこで本研究ではBiPyによるHER促進機構を表面増強赤外分光、電気化学測定、DFT計算を組み合わせることで明らかにした。SEIRASと電気化学の同時測定から、HERの開始電位はAg電極に吸着したBiPyの1e
- + 1H
+ 還元と一致し、水素発生電位では安定して電極上にmonohydro BiPy(BiPy-H
*)が観測された。さらに詳細な電気化学測定から、水素発生中ではBiPy-H
* がさらに1e
- + 1H
+ 還元されることが明らかとなった。DFT計算から、その2段目の還元種は N,N-dihydro BiPy (BiPy-H
2) であり、この分子種は不安定なためにBiPyとH
2にすぐに分解するが、またBiPy-H
*に還元されることから反応が触媒的に進むことが明らかとなった。
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