これまで、地域経済循環分析の域際収支では、エネルギー代金の域外流出を低減する地域内の再生可能エネルギー(以下、再エネ)を活用した定量分析が実施されてきた。一方、再エネの大量導入に伴い、出力抑制や調整力の必要性が高まっており、本研究では、地域内の調整力を3つの用途(容量市場、需給調整市場、電気料金削減)で運用した場合の域際収支を図式化し、定量化する方法を提案する。1キャンパスの電力データを1つの地域と見なし域際収支の定量化を行った。蓄電池出力1,600kW、6時間容量の調整力を活用し、地域内に流入する資金は65,074千円/年、地域外に流出する資金の低減効果は27,915千円/年と試算でき、調整力を活用した地域活性を見出した。
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