日本口蓋裂学会雑誌
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11 巻, 2 号
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  • 薬師寺 登
    1986 年11 巻2 号 p. 111-141
    発行日: 1986/12/26
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は片側性完全唇顎口蓋裂症例30名に対し, 同0の唇裂手術法を施行した後, 口蓋裂手術は基本的に異なる口蓋粘膜骨膜弁後方移動術(1群)および二段階口蓋裂手術法(II群)により治療を受けた患者の上顎骨歯槽部の成長発育を乳幼児期から6歳時にいたる間, 経年的, 三次元的に追跡した.そして, 口蓋裂手術法の相違と上顎骨歯槽部の成長発育を比較検討し, さらに患者の各発育段階に準じて選択した非裂健常児54名(対照群)との比較から成長発育障害の発現の相違を明らかにしたものである.症例の分析には, 被験者より採取した乳幼児顎顔面模型を用い, 上顎骨歯槽部の成長発育を唇裂手術時(stage A), 口蓋裂手術時(stage B), 4歳時(stage C)および6歳時(stage D)の4つの発育段階に区分して検討を行った.その結果, 唇裂手術時(stage A)における1群およびII群の上顎骨歯槽部は対照群に比較して, 歯槽形態に著しい相違を示したが, これは主として左右の歯槽部の位置的偏位によるものであり, 前下方に向かう成長発育では三群間に相違は示されなかった.唇裂手術後のstage Bでは1群およびII群はともに上顎骨前方歯槽部において深さ, 高さの成長発育障害が示された.1群およびII群の上顎骨歯槽部はstage Bで施行された相異なる口蓋裂手術法に応じて以後のstage C, Dにおいて著しく異なった成長発育を示した.すなわち, II群では上顎骨歯槽部の深さ, 高さにおいて増加の傾向が認められ前下方に向かって旺盛な成長発育を示し, 唇裂手術後のstage Bにみられた成長発育障害は漸次改善されることが明らかとなった.これに対し, 1群では上顎骨歯槽部の深さ, 高さの成長発育障害は以後のstage C,Dにおいてcatch-upされることなく, 歯槽部全体が後上方位にとどまる傾向にあることが明らかとなった.最終段階(stage D)における1群およびII群の上下顎の咬合状態では前歯部での咬合関係に相違が示され, 1群では反対咬合, II群では切端咬合を呈する傾向が示された.また, II群の初段階手術後に硬口蓋部に残された裂隙の変化では, 漸次経年的に狭小化することが示され, これは上顎骨歯槽部の位置的偏位によるものではなく, 裂隙周囲を構成する口蓋突起部の成長発育によるものであることが明らかとなった.
    以上の結果, 口蓋裂手術が上顎骨の成長発育におよぼす影響に関しては, 本研究に用いた二段階口蓋裂手術法は顎骨の基本的成長発育能力助成を考慮したきわめて効果的な手術法であることが示唆された.
  • 難波 まゆみ
    1986 年11 巻2 号 p. 142-171
    発行日: 1986/12/26
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    成人ないし顎発育のほぼ終了した患者における急速上顎拡大法は, 顔面頭蓋の硬化と各種骨縫合の閉鎖によって成功しないことが多い.とくに年齢の比較的高い術後唇顎口蓋裂患者では正常人と異なる骨縫合閉鎖を示すことと, 上顎骨周囲に癩痕が存在するため, 急速上顎拡大がきわめて困難である.最近, 急速上顎拡大を容易にするための骨切り, すなわち外科矯正的上顎拡大法が多く行われるようになったが, 本法に関する力学的検討を行ったものはきわめて少ない.そこで著者は, 成人乾燥頭蓋から上顎第1大臼歯部および第1小臼歯部前額断面モデルならびに歯槽突起基部水平断面モデルを作成し, 骨切り前および各種段階骨切り後の上顎側方拡大時における顔面頭蓋各部の主ひずみ, 主応力および変位状態を有限要素法を用いて解析し, 次のごとき所見をえた.
    1.3種の2次元モデルにおける骨切り前の最大および最小主ひずみ, 最大および最小主応力の分布状態から, 上顎側方拡大に対する主な抵抗部位は骨口蓋, 歯槽突起, 頬骨上顎縫合部付近の上顎骨内部, 翼状上顎縫合部などと考えられた.
    2.第1大臼歯部前額断面モデルの1次骨切り(LeFortI型骨切り)後, 主ひずみは骨口蓋および舌側歯冠部以外の部位で消失したが, 主応力は骨切り前と大きな変化を示さなかった.しかし2次骨切り(正中口蓋縫合部分割)後には主ひずみ, 主応力ともにほとんどの部位で出現しなかった.
    3.第1小臼歯部前額断面モデルの1次骨切り(LeFortI型骨切り)後における主ひずみおよび主応力の分布は骨切り前と大きな差を示さなかった.しかし, 2次骨切り(正中口蓋縫合部分割)後には大きな主ひずみおよび主応力は全く出現しなかった.
    4.歯槽突起基部水平断面モデルの1次骨切り(正中口蓋縫合部分割)後, 主ひずみは骨口蓋において著しく低下し, 主応力は切歯孔前方部, 上顎骨前壁後方部および上顎骨後壁以外の部位で消失した.2次骨切り(翼状上顎縫合部分離)後には主ひずみおよび主応力の分布範囲は著しく狭小となった.
    5.3種の2次元モデルにおける骨切り前および1次骨切り後の顔面頭蓋各部の変位状態はかなり類似していたが, 2次骨切り後には変位方向の変化と前側方への変化量の増大が認められた.
    6.外科矯正的上顎拡大法ではLe Fort I型骨切りと正中口蓋縫合部分割が必須である.また本法実施に際しては各種段階骨切り後の顔面頭蓋各部における変位様相を十分に認識しておくことが必要である.
  • II.我々の維持している口唇, 口蓋裂自然発生マウヌ(CL/Fr系マウス)の口唇, 口蓋裂発現率
    夏目 長門, 生川 哲也, 河合 幹, 高橋 久英
    1986 年11 巻2 号 p. 172-177
    発行日: 1986/12/26
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    我々は, 口唇, 口蓋裂を自然発生するマウス系統としてCL/Fr系マウスを維持し, 奇形発現に及ぼす遺伝要因, 胎生環境要因を検索しているが, 本編ではCL/Fr系マウスの当研究室での自然発現率について報告した.
    実験に使用した母獣は, 交配翌日に膣栓を碓認しその日を妊娠0日と規定し, CL/Fr系マウスでは胎生15日頃に二次口蓋が閉鎖するため, 胎生18日に母獣を脊椎脱臼して屠殺し, 帝王切開によって胎仔を取り出し観察した.
    その結果, 実験に用いた母獣22頭の平均着床数は7.68頭, うち生存胎仔は平均7.23頭で, 口唇, 口蓋裂は25.8%に認められた.
    裂型分類では, 口唇裂13頭, 31.7%, 口唇・口蓋裂27頭65.9%, 口蓋裂1頭, 2.4%であった.
  • 高橋 浩二
    1986 年11 巻2 号 p. 178-193
    発行日: 1986/12/26
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    口蓋裂患者に比較的多くみられる異常構音の一種である側音化構音に伴なう歪み音を音響学的に定量評価することを目的として研究を行った.被検者は早期手術により良好な鼻咽腔閉鎖機能が得られ, かつ歯列不正の軽度な口蓋裂術後症例6例と機能的側音化構音患者3例, および3群の年齢群からなる健常者24例の計33例で, 検査音としては側音化構音の認められる頻度が高い /∫i/・/t∫i/ と同音のそれぞれが臨床的に異聴されやすい正常構音の/ci/・/ki/を選んだ.予備実験としてソナグラフ(KAY社DIGITAL SONAGRAPH 7800)による分析を行ったところ, /∫i/・/t∫i/の音部のセクションにおいて正常構音ではおよそ4kHz以上の高域で周波数成分が大きく存在するのに対し, 側音化構音ではスペクトルのレベルは周波数軸上でほぼ一様であることが認められた.この子音部のスペクトル特性を定量的に評価するためにマイクロコンピュータ(NEC社PC-9801E)を利用して開発した音声分析システムにより以下の手順で分析を行った.まず, 取り込んだ音声信号より子音部を切り出し, ケプストラム手法を応用して60dBで正規化したスペクトル包絡を抽出し, つづいて設定した高低2つの帯域におけるスペクトル包絡の平均レベルを求め, この2つの帯域の平均レベルの差(SES:Spectral Envelope Score)によりその音を評価した.検査音別に子音部のSESを変数としたヒストグラムを表したところ, 側音化構音の /∫i/・/t∫i/は正常構音の同音とは明らかに異なる範囲に分布し, むしろ臨床的に異聴されやすい正常構音の/cie・eki/とほぼ類似した範囲に分布することが確認され, SESが側音化構音の/∫i/・/t∫i/を定量評価するうえで, 有効な物理量の一つであることが示唆された.
  • 藤田 靖, 篠木 邦彦, 山田 和祐, 富澤 康彦, 大澤 健祐
    1986 年11 巻2 号 p. 194-198
    発行日: 1986/12/26
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    咽頭弁移植後も鼻咽腔閉鎖機能の改善が認められず, 開鼻声を有していた4症例に対し, Neuner(1965), 後藤ら(1967), 滝本(1970)および河合ら(1977)によって報告されたVelopharyngeal SphincteroplastyにZ-plastyを応用した変法を試みたところ, 自然な形の咽頭腔が形成され, 機能的にも, 3症例において鼻咽腔閉鎖機能の改善が認められ, 満足すべき結果が得られた.
  • 石川 保之, 田坂 康之, 川野 通夫, 本庄 巖
    1986 年11 巻2 号 p. 199-205
    発行日: 1986/12/26
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    口蓋裂例における鼻副鼻腔疾患の実態を調べるため, 口蓋裂患者101例を対象として, 前鼻鏡, レントゲン撮影(単純, 断層), 鼻腔通気度, 嗅裂内視鏡等の諸検査を行い, さらに, 鼻疾患と中耳の関係をみるために, 耳鏡検査, 標準純音聴力検査, インピーダンスオージオメトリーも行ったところ以下の結果を得た.
    1)唇顎口蓋裂は鼻中隔蛮曲症, 下甲介肥大を高率に伴う.
    2)口蓋裂患者は副鼻腔炎を高率に伴い, これは中耳疾患の病因の一つである可能性がある.
    3)副鼻腔炎の頻度は口蓋裂の裂型や鼻中隔蛮曲の有無とは相関がない.
    4)口蓋裂に高率に伴う副鼻腔炎, 鼻中隔蛮曲, 下甲介肥大は口蓋裂患者の鼻腔抵抗を高めている.
    5)口蓋裂患者の嗅覚障害は軽度で, この主因は副鼻腔炎による嗅裂の閉塞にあると思われる.
  • 田坂 康之, 倉田 響介, 川野 通夫, 本庄 巖
    1986 年11 巻2 号 p. 206-212
    発行日: 1986/12/26
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    従来より口蓋裂患者に滲出性中耳炎をはじめとする耳疾患が多発する事はよく知られている.今回我々は, 口蓋裂患者384耳を観察し以下のような結果を得た.
    1.耳疾患の種類と頻度
    対象384耳にみられた耳疾患は, 滲出性中耳炎123耳(32%)を最多として慢性中耳炎, 上鼓室陥凹, 真珠腫性中耳炎, 癒着性中耳炎, 中耳・内耳奇形等があり, 口蓋裂例の耳疾患保有率は44.5%であった.
    2.耳管咽頭口の異常運動と耳疾患
    耳管咽頭口には, 様々な異常運動が見られたが, これを嚥下, 発声, 開口いずれかの動作で耳管咽頭口に開大のみられる群とそうでない群とに分けて中耳疾患の有無を検討してみると, 開大群では中耳疾患罹患率は23%と低いのに対して, 非開大群の中耳疾患罹患率は66%と高く, しかも滲出性中耳炎が61%を占めていた.このことから嚥下, 発声, 開口いずれの動作でも咽頭口が開大しない例や閉塞する例では中耳疾患が有意に多いことがわかった.
    3.裂型と中耳疾患の関係
    口蓋裂既手術群では粘膜下口蓋裂が他の裂型に比して耳疾患が少なかった.粘膜下口蓋裂例では既手術群が未手術群より耳疾患が少なかった.
    4.裂側と中耳疾患側との関係
    右側および左側完全唇顎口蓋裂例においては裂側と疾患耳側との間には全く関係がなかった.また, 各裂型とも両耳とも正常か両耳とも異常かの例が大半を占め, 片側性の耳疾患例は少なかった.
    5.咽頭弁の有無と耳疾患
    咽頭弁と耳疾患には相関がなかった.
    6.鼻疾患の有無と耳疾患
    内視鏡的な上咽頭汚染の有無で中耳疾患罹患率を調べてみると, 上咽頭汚染群に危険率1%で有意に中耳疾患が多いことが分かった.
  • 和田 健, 舘村 卓, 薬師寺 登, 河村 光男, 石渡 翠
    1986 年11 巻2 号 p. 213-220
    発行日: 1986/12/26
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    口蓋烈乳児の吸啜を乳首圧迫圧の面から観察した結果をもとにして, 口蓋裂乳児の口腔内環境に適合し, 乳児の哺乳運動を促進し, これによる哺乳摂取量の確保を期待した新しい口蓋裂乳児用乳首を考案した.この試作乳首の物理的特性(乳頭部加圧荷重と変形量, 乳頭部変形量と乳汁流出量との関係)について市販されている一般乳首と比較検討した.その結果, 口蓋裂乳児では乳首圧迫圧が正常乳児よりも著しく弱いこと, 試作乳首は弱い圧迫圧によっても充分対応し哺乳摂取量の確保が期待できる特性を有していることが示された.
  • 和田 健, 舘村 卓, 薬師寺 登, 河村 光男, 石渡 翠
    1986 年11 巻2 号 p. 221-228
    発行日: 1986/12/26
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究は唇裂口蓋裂の哺乳障害の臨床における実態を明らかにし, 先に我々が考案した口蓋裂用乳首が障害の改善に寄与するか否かについて臨床的効果の検討を行った.被験対象は哺乳障害を訴えた完全唇顎口蓋裂乳児20症例であった.初診時における哺乳障害の臨床的所見, 被験乳首使用前および使用後1週間目, 1ヵ月目, 2ヵ月目, 3ヵ月目の哺乳状態(哺乳量, 哺乳回数, 哺乳時間)ならびに体重増加等の推移について観察した結果について検討を行った.その結果, 初診時にみられた哺乳障害は, 鼻腔粘膜での漬瘍形成, 経鼻腔胃管栄養法の併用, 長時間の哺乳, 乳汁を口腔内に注入する等であった.初診時における平均哺乳量/日および哺乳時間/日は被験乳首に切り替えた1週間目で哺乳量の著しい増加を示し, 哺乳時間は短縮した.3ヵ月目の哺乳量は正常児における標準哺乳量の範囲内にあった.体重増加の推移は各観察時期を通じて常に正常標準値に近似した値を示し, 3ヵ月目では平均で6kgを越えた値を示した.
  • 口蓋裂二次形成術への適用
    河合 幹, 栗田 賢一
    1986 年11 巻2 号 p. 229-237
    発行日: 1986/12/26
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    我々は初回口蓋裂手術に軟口蓋を口蓋帆挙筋の運動方向である咽頭上壁へ位置させる手術方法(palatal pull upward method)を考案し発表してきた.今回は本法の概念を口蓋裂二次形成術に適用したので, その手術方法について記載する.
    1)まず両側口蓋粘骨膜弁を咽頭後壁に達するまで十分に減張する.
    2)咽頭扁桃のすぐ後方の咽頭後上壁正中部に縦切開を加える.
    3)切開は椎前筋膜まで行い, 術者の好む片方のみ剥離する.
    4)対側の軟口蓋鼻腔側粘膜を咽頭後上壁に作成したポケットに挿入しマットレス縫合にて固定する.
    5)左右鼻側粘膜縫合終了後, 口蓋帆挙筋筋輪形成を行う.
    本手術法は咽頭弁移植術に比して, 手技が簡単, 口蓋帆の吊り上げ効果が確実, 口蓋帆挙筋の作用方向とorificeの位置が一致しやすいなどの利点を有する.本手術の有効性は側方セファロX線写真および鼻咽腔ファイバースコープにて確認し得た.現在まで20例に用いて, 全例に術後満足のいく言語成績を得た.
  • 矯正歯科開設にいたるまでの約9年間について
    佐藤 康守, 林 幸則, 中川 皓文, 瀬上 夏樹, 小若 純久, 福田 道男
    1986 年11 巻2 号 p. 238-248
    発行日: 1986/12/26
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    川崎医科大学附属病院・矯正歯科における唇顎口蓋裂(CLP)患者の実態を把握する目的で, 矯正歯科が開設されるまでの約9年間に口腔外科・歯科矯正クリニックとして矯正治療を開始したCLP患者60名の臨床統計観察を行い, 次の結果を得た.
    まず初診患者数の総計ではCLP患者は総患者数の22.4%を占めていた.初診時年齢分布は3~6歳に集中し, 一般矯正患者よりも低年齢であった.治療待機期間終了後の再来率は, 一般矯正患者の32%に対し, CLPでは58%と高くなっている.
    矯正治療開始時におけるHellmanの咬合発育段階の分布はIICに集中した.裂型分布では片側性唇顎口蓋裂(UCLP)52%, 両側性唇顎口蓋裂(BCLP)30%, 口唇(顎)裂(CL)17%, 口蓋裂(CP)1.7%であった.上下第1大臼歯の近遠心的関係はIII級が40%, II級が27%であった.咬合異常は下顎前突70%, 交叉咬合82%, 叢生50%, overclosure33%であるが, 開咬は8.3%であった.歯数の異常では, 過剰歯の頻度は比較的少なく, 先天的欠如歯は48名, 80%にみられた.上顎側切歯の裂型別の欠如率は, 左側UCLPでは左79%, 右33%であり, 右側UCLPでは両側とも57%であった.BCLP, CPでは左右差はなく60~70%の欠如率であった.出生時体重では2500g以下の低出生体重児が13%もみられた.口唇裂の初回形成手術時年齢は生後3~4か月が73%を占め, 平均3.4か月, 口蓋裂の初回形成手術時年齢は1年1か月~2年0か月で87%を占め, 平均は1年8か月であった.患児出生順位では, 第1子, 第2子を合わせると82%となり, 末子が41名, 68%と圧倒的に多いが, 逆にみれば, 19名, 32%が末子でないことになる.また, 同胞発現では2組の姉妹のCLP患者がみられた.
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