日本口蓋裂学会雑誌
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16 巻, 2 号
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  • 第1報 距離の計測
    黒川 正人, 小山 久夫
    1991 年 16 巻 2 号 p. 79-91
    発行日: 1991/04/30
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    先天性鼻咽腔閉鎖機能不全症14例と粘膜下口蓋裂18例のいずれも術前の鼻咽腔造影X線映画における安静時および「ア」発声時の軟口蓋,咽頭後壁,咽頭側壁の計測を行って,先天性鼻咽腔閉鎖機能不全症と粘膜下口蓋裂を比較検討し,以下の結論を得た.
    1.軟口蓋の長さ,軟口蓋挙上部までの距離,咽頭の深さ,咽頭側壁の距離咽頭後壁の運動距離・軟口蓋挙上部と咽頭の深さの比,軟口蓋の運動率,軟口蓋の肥厚率には先天性鼻咽腔閉鎖機能不全症と粘膜下口蓋裂で有意の差はみられなかった.
    2.軟口蓋の厚さは粘膜下口蓋裂の方が先天性鼻咽腔閉鎖機能不全症に比べて安静時,および「ア」発声時共に有意水準1%で薄かった.
    3.パッサーバン隆起は先天性鼻咽腔閉鎖機能不全症3例と粘膜下口蓋裂1例に認められ,高さは5.0mm,位置は口蓋平面より尾側7.Ommであった.
    4.「ア」発声時に先天性鼻咽腔閉鎖機能不全症では軟口蓋がやや延長したが,粘膜下口蓋裂ではやや短縮した(有意水準0.1%).
    5.「ア」発声時の咽頭側壁の運動率は粘膜下口蓋裂の方が先天性鼻咽腔閉鎖機能不全症より有意水準0.1%で良かった.
    6.軟口蓋の運動距離と咽頭側壁の運動距離の相関関係は,先天性鼻咽腔閉鎖機能不全症も粘膜下口蓋裂も有意の相関は認めなかった.
    7.先天性鼻咽腔閉鎖機能不全症は単一の原因による疾患というよりは,軟口蓋の短小,咽頭の深いもの,口蓋帆挙筋の前方偏位,運動不全など様々な原因が単一または合併して起こっている症候群と考えるべきである.
  • 青木 葉子, 平本 道昭, 日下部 素子
    1991 年 16 巻 2 号 p. 92-95
    発行日: 1991/04/30
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    pushback法による口蓋裂手術において,硬口蓋両外側の粘膜欠損創の被覆及び軟口蓋両側の減張切開創のパッキングに,再生酸化セルロースガーゼ(Oxidized Regenerated Cellulose:以下ORC)を用いて良好な結果を得ているので報告する.
  • 河村 進, 牟禮 理加, 佐原 慶一郎, 森口 隆彦, 梶川 浩, 小野 陽子, 津田 邦義, 太田 茂男, 岡 博昭, 江藤 久志
    1991 年 16 巻 2 号 p. 96-104
    発行日: 1991/04/30
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    両側口唇口蓋裂の一次手術後の外鼻変形に対してわれわれはV-Y法を改良した方法で計15例を治療した.この方法で手術を行った結果,特に鼻尖部の形態に満足できるものを得た.
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