日本口蓋裂学会雑誌
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39 巻 , 3 号
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原著
  • 真野 樹子, 時岡 一幸, 松本 美樹, 田中 恵理, 長谷川 紘也, 品川 令, 箕田 碧, 富田 至保, 中塚 貴志, 須田 直人
    2014 年 39 巻 3 号 p. 201-208
    発行日: 2014/10/30
    公開日: 2014/11/25
    ジャーナル 認証あり
    歯肉骨膜形成術(gingivoperiosteoplasty:GPP)は,乳児期に裂隙部を骨膜で覆い,歯槽部における骨架橋を期待する術式である。
    今回我々は,口唇形成術と同時にGPPを施行した片側性唇顎口蓋裂(UCLP)児4例の顎裂部における骨架橋や永久歯胚の形成を,5~7歳時に撮影されたcone beam CT(CBCT)を用いて三次元的に評価した。
    全例で術前顎矯正(presurgical infant orthopedics:PIO)により両側歯槽堤上の軟組織が接触するまで顎裂を整形後,生後106~150日時にMillard-typeのGPPとNoordhoff法による口唇形成術,生後14~16ヶ月時に軟口蓋をFurlow法に準じて切開したintravelar veloplasty法による口蓋形成術を施行した。
    全例で顎裂部に骨架橋が形成され,歯槽堤の連続性が獲得された。これらの骨架橋の垂直高の範囲は5.7~11.6mmで,これは非裂側の歯槽堤高の29.8~56.9%に相当した。また骨架橋の垂直的位置は,2例は比較的梨状口側に形成され,2例は歯頸部側に形成された。また骨架橋の唇舌的幅径の範囲は4.5~6.7mmであった。なお顎裂に隣在した永久側切歯に先天性欠如を2歯認めた。
  • 吉田 秀児, 須賀 賢一郎, 中野 洋子, 坂本 輝雄, 高木 多加志, 内山 健志
    2014 年 39 巻 3 号 p. 209-216
    発行日: 2014/10/30
    公開日: 2014/11/25
    ジャーナル 認証あり
    目的:顎裂部における骨形成のCT画像による術後評価は今まで報告されている。我々は,術前と術後の三次元データの重ね合わせをして顎裂部の定量的な評価を行った。
    対象:片側の完全唇顎口蓋裂患者計12例(左側6例,右側6例)を対象とした。
    方法:手術直前と術後6ヶ月にヘリカルCTが撮影され,得られたDICOMファイルは,ソフトウエア(Mimicsと3-matic)を使用して処理がされた。術前および術後のCTデータを重ね合わせて,術前の犬歯の位置と長さ,顎裂の幅径が測定された。
    結果:形成された骨架橋は,術前の犬歯の位置(r=-0.766,p < 0.01)と,犬歯の長さ(r=0.681,p < 0.05)とに強い相関を示した。また,段階的重回帰分析においては術前の犬歯の位置のみが形成された骨架橋と有意に相関関係を示した。
    考察:これらの結果より,顎裂部骨移植の最適な時期は,未萌出の犬歯が歯槽平面に接近した時期であることが示された。
統計
  • 松村 香織, 笹栗 正明, 光安 岳志, 新井 伸作, 辻口 友美, 中村 誠司
    2014 年 39 巻 3 号 p. 217-223
    発行日: 2014/10/30
    公開日: 2014/11/25
    ジャーナル 認証あり
    1998年1月から2007年12月までの10年間に九州大学病院顎口腔外科を受診した口唇裂口蓋裂患者一次症例を対象に臨床統計的観察を行い,以下の結果を得た。
    1.10年間に当科を受診した口唇裂口蓋裂一次症例は228名であった。受診患者数に増減はあるが増加傾向にあった。
    2.裂型別では,228名中口唇(顎)裂が70例,口唇口蓋裂 70例,口蓋裂 69例,粘膜下口蓋裂 18例,正中唇裂 1例であった。
    3.裂型別性差については,いずれの裂型も男女間に有意差は認めなかったものの,口唇口蓋裂は男性,口蓋裂は女性に多かった。
    4.初診時年齢は,生後1ヶ月以内の患者が90%を占めており,2001年以降は出生当日の初診症例が増加していた。
    5.患者の居住地域は福岡市およびその近郊が大部分を占めていた。
    6.紹介元施設は,九州大学病院外の産科が最も多く(42.6%),次いで院外の小児科(14.1%),院内の周産母子センター(10.1%)であった。
    7.出生前カウンセリング件数は計18件,出生直後の産科への往診件数は63件であった。年間の出生前カウンセリング件数および往診件数は徐々に増加していた。
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