臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
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51 巻, 5 号
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総説
  • 神谷 達司, 阿部 康二
    2011 年 51 巻 5 号 p. 305-315
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/05/27
    ジャーナル フリー
    脳梗塞急性期の治療方針としては,脳血流の改善と脳保護という大きな二つの柱がある.脳血流の改善を目的とする治療としては.わが国でも2005年10月1日より発症3時間以内の超急性期治療としてrt-PAを用いた血栓溶解療法がおこなわれてその有用性は示されつつある.一方,脳保護に関してはフリーラジカルスカベンジャーが世界初の脳保護薬として臨床実地の場で使用されている.これからは,rt-PAを用いた血栓溶解療法と神経細胞保護だけではなく神経細胞,脳微小血管,アストロサイト,ミクログリアを合わせたNeurovascular unit protectionを考えた脳保護療法を併用でおこなうことが大切で,その中でも血管内皮保護療法が重要である.
  • 山本 晴子, 宮田 茂樹
    2011 年 51 巻 5 号 p. 316-320
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/05/27
    ジャーナル フリー
    ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)は,血小板減少を特徴とする免疫的機序による症候群で,発症頻度は低いものの,ヘパリン投与に合併して多彩な血栓・塞栓症をひきおこす重篤な疾患である.急性期脳梗塞治療の現場では,様々な血管内治療の開発にともない大量のへパリンが使用される局面が増加しつつあり,HITについての知識が求められている.急性期脳梗塞におけるHIT発症割合に関する報告はきわめて少ない.われわれの施設での後ろ向き調査では,HITの発生割合は0.5%と推測された.さらに多施設共同前向き調査の結果では1.7%であった.HITを発症したばあいの予後は不良であるため,HITがうたがわれたばあいには早急に治療を開始すべきである.
原著
症例報告
短報
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