臨床神経学
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52 巻 , 6 号
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総説
  • 高嶋 博
    2012 年 52 巻 6 号 p. 399-404
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/26
    ジャーナル オープンアクセス
    Charcot-Marie-Tooth病(CMT)の多数の原因遺伝子に対する診断は,近年の遺伝子検査法の進歩により実施可能となった.われわれは,マイクロアレイ法をもちいた診断チップを作製し,CMT1A以外の例に遺伝子検査を実施した.その結果,意外にも診断陽性率は低く,改善が必要であった.そのため,より多くのCMTの原因遺伝子を同定する必要があり,網羅的に配列をえられる次世代ゲノムシークエンス法による解析が有効と思われた.一方,これまでの知見では,CMTの原因は髄鞘構成蛋白,転写因子,髄鞘/軸索蛋白の分解,輸送,代謝,ミトコンドリア,tRNA合成酵素,DNA修復の異常などである.
症例報告
  • 森 恵子, 岩崎 靖, 伊藤 益美, 三室 マヤ, 吉田 眞理
    2012 年 52 巻 6 号 p. 405-410
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/26
    ジャーナル オープンアクセス
    症例は死亡時86歳の男性である.進行性の歩行障害,筋強剛,認知症を呈した.静止時振戦,L-dopaの反応性,自律神経障害はなかったが,MIBG心筋シンチグラフィーの集積低下をみとめ,Lewy小体型認知症と臨床診断された.死亡後の病理診断は大脳皮質基底核変性症であった.全身病理では心臓交感神経終末が高度に脱落しており,MIBGの集積低下を反映していた.さらに中枢神経,消化管,副腎等にはみられなかったLewy小体が交感神経節に限局してみとめられた.MIBGの集積低下はLewy小体の存在を示唆するが,その広がりまでは予見できず,また偶発的にLewy小体が合併する事を臨床診断の際には考慮する必要がある.
  • 高堂 裕平, 下畑 享良, 河内 泉, 田中 惠子, 西澤 正豊
    2012 年 52 巻 6 号 p. 411-415
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/26
    ジャーナル オープンアクセス
    症例は両側顔面筋麻痺,四肢感覚障害と筋力低下で発症し体幹の感覚障害,膀胱直腸障害が加わり緩徐進行性に増悪した66歳女性である.免疫グロブリン療法は無効,副腎皮質ステロイド薬で症状進行は停止したが診断に苦慮した.髄液インターフェロンγ増加から感染症にともなうポリニューロパチー・脊髄炎をうたがい,B. gariniiB. afzeliiに対する血清ボレリア抗体IgG,IgM陽性から神経ボレリア症と診断.抗菌薬と副腎皮質ステロイド薬併用で症状は徐々に改善.サイトカイン・ケモカインの増加のみられたばあいには神経ボレリア症も考慮する必要があること,本症に抗菌薬と副腎皮質ステロイド薬併用が有効なばあいがあることが示唆された.
  • 田口 宗太郎, 丹羽 淳一, 徳井 啓介, 西川 智子, 市川 由布子, 道勇 学
    2012 年 52 巻 6 号 p. 416-420
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/26
    ジャーナル オープンアクセス
    症例は45歳男性である.一過性の右顔面神経麻痺発症1カ月半後に発熱,記銘力障害,発語量低下が出現し2週間持続.頭部MRIで脳梗塞の多発,MRAでは血管炎がうたがわれた.脳脊髄液は単核球優位の細胞数増多,著明な蛋白上昇,糖低下,アデノシンデアミナーゼ高値を呈し細胞診は陰性であった.全身CTとガリウムシンチに異常なく,臨床的に結核性髄膜炎がうたがわれステロイド併用抗結核療法を施行,症状は改善した.4カ月後,発熱にともない神経症状が再増悪.下顎リンパ節腫脹をみとめ,生検にて悪性リンパ腫の診断にいたった.本例は結核性髄膜炎と鑑別困難で軟髄膜原発と考えられた悪性リンパ腫であり,その診断には慎重な臨床経過観察と診断努力を要した.
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