Inclusion body myopathy with Paget’s disease of bone and frontotemporal dementia(IBMPFD)の49歳女性を経験した.進行性の四肢近位・体幹の筋力低下,腱反射亢進および病的反射をみとめ,腰椎に骨硬化性病変があった.骨格筋CTで筋萎縮の部位差,左右差が局所的にみとめられた.筋生検で縁取り空胞をともなう筋線維があり,valosin-containing protein(
VCP)遺伝子変異(c.1315G>C; p.Ala439Pro)をみとめ,IBMPFDと診断した.本疾患は,家系内で表現型の多様性が知られ,家族歴のある運動ニューロン疾患およびミオパチーの診断には
VCP遺伝子変異の検討が必要である.
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