臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
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54 巻 , 10 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
会告
原著
症例報告
  • 太田 理絵, 向野 晃弘, 木下 郁夫, 辻畑 光宏, 鈴木 重明
    2014 年 54 巻 10 号 p. 798-802
    発行日: 2014/10/01
    公開日: 2014/10/24
    ジャーナル フリー
    症例は54歳の女性である.レイノー現象と上腕の筋力低下が出現したため当科へ入院した.躯幹,四肢近位筋の筋力低下,血清CKの上昇,胸部CT上胸腺腫大をみとめた.筋生検で少数の壊死線維・再生線維をみとめたが細胞浸潤はみとめなかった.ステロイドパルス療法で筋力は改善せず,しだいに四肢近位筋筋力低下は進行し,CKは高値で推移した.タクロリムスとステロイドの併用をおこなうも症状は変化せず,免疫グロブリン大量静注療法をおこなったところしだいに筋力改善をみとめた.その後,抗signal recognition particle(SRP)抗体が検出された.胸腺腫大をともなう抗SRP抗体陽性ミオパチーの報告例はなく貴重な症例として報告する.
  • 鴨川 賢二, 二宮 怜子, 奥田 真也, 松本 雄志, 冨田 仁美, 岡本 憲省, 奥田 文悟
    2014 年 54 巻 10 号 p. 803-808
    発行日: 2014/10/01
    公開日: 2014/10/24
    ジャーナル フリー
    症例は孤発性クロイツフェルト・ヤコブ病の74歳男性である.右上肢の不随意な挙上で発症した.閉眼時や注意がそれると右上肢は自然に挙上し,動作中にも不自然な挙上肢位を呈した.複合感覚障害と肢節運動失行,ジストニア肢位をともない,病初期には大脳皮質基底核変性症にも類似していた.MRIでは左大脳皮質と基底核に異常信号がみられ,SPECTでは左前頭葉内側面と頭頂葉の血流が低下していた.前頭葉徴候やミオクローヌスは遅れて顕在化した.対側上肢にも同様の症状が出現した後,約2ヵ月後に消失した.本例のarm levitationの発現には前頭葉脱抑制や頭頂葉性複合感覚障害の関与が推測された.
  • 渡邊 将平, 岡田 昌也, 徳川 多津子, 澤田 暁宏, 小川 啓恭, 芳川 浩男
    2014 年 54 巻 10 号 p. 809-813
    発行日: 2014/10/01
    公開日: 2014/10/24
    ジャーナル フリー
    症例は38歳男性である.34歳時慢性活動性Epstein-Barrウィルス感染症(chronic active EBV infection; CAEBV)と診断され,37歳時に臍帯血移植を施行された.移植6ヵ月後から頸部痛,左上肢筋力低下,両手感覚障害を自覚し脊髄MRIにて造影効果をともなう髄内病変をみとめた.血液・髄液EBV-DNA陽性と末梢血CD19陽性細胞増加から移植後EBV関連リンパ増殖症をうたがい,治療するも明らかな効果はなかった.その後髄液細胞キメリズム解析にてレシピエント由来細胞増加が判明し,CAEBVの中枢神経系再発と診断,髄注化学療法により神経症状,画像所見は改善した.CAEBVの中枢神経系での再発診断に髄液細胞キメリズム解析が有用であった.
  • 塚越 設貴, 笠原 浩生, 関根 彰子, 藤田 行雄, 堤 寛, 池田 佳生
    2014 年 54 巻 10 号 p. 814-818
    発行日: 2014/10/01
    公開日: 2014/10/24
    ジャーナル フリー
    症例は67歳女性である.頭痛で発症し頭部MRIで橋前方の硬膜造影効果をみとめ入院した.当初の検討では腫瘍,結核や真菌感染は否定的であったが,病変の拡大にともない脳槽に腫瘤を形成したことから脳生検を施行した.病理組織学的に糸状真菌感染症と診断し,抗真菌薬の投与を開始した.真菌培養は陰性であったが,形態学的にpseudallescheria boydiiがうたがわれたためオンマヤリザーバーを留置の上,ミコナゾール(MCZ)髄注療法を開始した.約1年6ヵ月の投与終了後も症状,画像の悪化所見なく経過している.腫瘤形成性の真菌感染症は髄液検査による診断確定が困難な例が多く,積極的な脳生検が必要と考えられた.
  • 西平 崇人, 鈴木 圭輔, 竹川 英宏, 中村 利生, 岩崎 晶夫, 平田 幸一
    2014 年 54 巻 10 号 p. 819-823
    発行日: 2014/10/01
    公開日: 2014/10/24
    ジャーナル フリー
    症例は45歳男性である.後頭部痛と吐き気の後,左方向への傾きが出現した.神経学的には左へのtruncal lateropulsion以外に異常はなかった.頭部MRIでは左延髄下部外側に急性期梗塞をみとめ,臨床・画像所見から左椎骨動脈解離による機序が考えられた.第6病日に右第10胸髄以下の温痛覚障害,左顔面発汗低下,左縮瞳が出現し,頭部MRIでは梗塞巣が拡大していた.脊髄小脳路の障害によりtruncal lateropulsionが,外側脊髄視床路の最外側部の障害により胸髄以下の温痛覚障害が出現したと推察された.本症例は延髄外側の臨床症状と障害部位との関連を理解する上において貴重な症例と考えられた.
短報
  • 菊井 祥二, 宮原 淳一, 柏谷 嘉宏, 竹島 多賀夫
    2014 年 54 巻 10 号 p. 824-826
    発行日: 2014/10/01
    公開日: 2014/10/24
    ジャーナル フリー
    症例は51歳男性である.約3週前より左眼窩から前頭部への頭痛が持続し,頭痛増強時に眼充血,流涙をともなった.神経学的所見,脳MRIは異常なく,インドメタシン(75 mg/日)で頭痛が完全に抑制され,国際頭痛分類第2版から持続性片側頭痛(hemicrania continua; HC)と診断した.インドメタシン減量で頭痛が再燃したので,プレガバリン(150 mg/日)を併用したところ,インドメタシンは25 mg/日まで減量可能で,忍容性も良好であった.HCはインドメタシン反応性頭痛の一つであるが,インドメタシンの連用により,胃腸障害などの副作用で,忍容性が低下し,減量や中止が余儀なくされることがあり,インドメタシンに代わりうる薬剤療法が必要である.
  • 斎藤 勉, 藤盛 寿一, 吉田 隼, 金子 仁彦, 小寺 隆雄
    2014 年 54 巻 10 号 p. 827-830
    発行日: 2014/10/01
    公開日: 2014/10/24
    ジャーナル フリー
    症例は72歳女性である.67歳時に発熱,腎機能障害,MPO-ANCA陽性をみとめANCA関連血管炎と診断された.経過中,再発性中耳炎や鞍鼻をみとめ,限局型多発血管炎性肉芽腫症がうたがわれた.意識障害のため入院し,頭部MRIにて右大脳半球の硬膜に厚い造影増強効果をみとめ,MPO-ANCA関連肥厚性硬膜炎と診断した.さらに右大脳半球に散在する静脈性浮腫と,静脈洞交会から右横静脈洞や直静脈洞にかけての狭窄をみとめ静脈血栓症と考えた.ステロイド,タクロリムス,抗凝固薬により改善をみとめた.MPO-ANCA関連肥厚性硬膜炎にともない静脈血栓症をきたし意識障害にいたった既報告はなく,貴重と考え報告する.
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