臨床神経学
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54 巻 , 3 号
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会告
症例報告
  • 水野 秀紀, 佐藤 滋, 大西 康, 高橋 利幸, 中島 一郎, 藤原 一男, 青木 正志, 大沼 歩
    2014 年 54 巻 3 号 p. 195-199
    発行日: 2014/03/01
    公開日: 2014/04/04
    ジャーナル フリー
    症例は44歳女性である.両下肢不全麻痺,両下肢および右体幹部の異常感覚をみとめ,第4~10胸椎レベルにわたる長大な病変の抗アクアポリン4(Aquaporin-4; AQP4)抗体陽性脊髄炎を呈した.加えて本例は,Helicobacter pyloriH. pylori)菌感染をともなった特発性血小板減少性紫斑病(immune thrombocytopenic purpura; ITP)を合併していた.治療としてステロイド療法にて脊髄炎の改善をみとめた.さらに,H. pylori菌の除菌療法を加えたところ,血小板数の増加,抗AQP4抗体価の低下をみとめ,異常感覚も改善し良好な経過が継続している.ITPおよび脊髄炎の経過にH. pylori菌の関与が示唆された.
  • 田村 麻子, 佐々木良元 , 賀川 賢, 中谷 中, 小坂 仁, 冨本 秀和
    2014 年 54 巻 3 号 p. 200-206
    発行日: 2014/03/01
    公開日: 2014/04/04
    ジャーナル フリー
    症例は35歳女性である.亜急性に知的機能低下が進行し,血漿総ホモシステイン(tHcy)上昇,葉酸低下,MRI FLAIR画像で後方優位の白質,両側錐体路に高信号をみとめた.メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(methylenetetrahydrofolate reductase; MTHFR)欠損症をうたがい,葉酸,ビタミンB12,B6を投与し,臨床症状,tHcy値,画像所見が改善した.MTHFR活性測定の結果,いちじるしい酵素活性の低下をみとめ,遺伝子解析の結果,二つの一塩基多型(single nucleotide polymorphism; SNP)をホモ接合性に有していることが原因と考えられた.
  • 向野 晃弘, 木下 郁夫, 福島 直美, 大坪まゆみ , 神林 崇
    2014 年 54 巻 3 号 p. 207-211
    発行日: 2014/03/01
    公開日: 2014/04/04
    ジャーナル フリー
    症例は60歳女性である.2011年11月上旬から38°Cの発熱,異常言動で入院した.混迷状態で,脳脊髄液細胞数は55/μl(単核球)と上昇していた.頭部MRIは右側頭葉内側から前頭葉底部,島,左視床,右小脳半球などにFLAIR高信号域をみとめた.経過中に髄液抗単純ヘルペスウイルスIgM(immunoglobulin M)抗体値は2.90と陽性で,単純ヘルペス脳炎(herpes simplex encephalitis; HSE)と診断した.アシクロビルとステロイドパルスを開始し,症状はすみやかに改善したが,髄液オレキシン低値をともなった過眠が顕在化した.HSEでは意識障害が前景に立ち,早期の正確な所見の把握が困難になるが,病巣の広がりによりまれな合併症の存在にも留意する必要がある.
  • 大本 周作, 吉岡 雅之, 崎元 芳大, 吉川 晃司, 橋本 昌也, 鈴木 正彦
    2014 年 54 巻 3 号 p. 212-217
    発行日: 2014/03/01
    公開日: 2014/04/04
    ジャーナル フリー
    症例は44歳女性である.40歳頃に一過性右上下肢脱力の既往がある.41歳時より易怒性が出現した.42歳時に眼球運動障害,構音障害,退行をみとめ入院.MRIで中脳左傍正中部に急性期梗塞巣および脚間窩に結節性病変をみとめ保存的加療をおこない退院した.44歳時に右片麻痺が出現.MRIで左橋に急性期梗塞巣,大脳および脳幹萎縮の進行,橋腹側髄膜異常造影効果および脚間窩の結節性病変をみとめた.頸部リンパ節生検で結核性リンパ節炎の所見を確認し慢性結核性髄膜炎とそれによる脳幹梗塞と診断した.抗結核薬を開始し脳幹病変の改善をみとめ以後再発はみられなかった.髄膜炎の症候をともなわず慢性の経過で脳萎縮,脳幹梗塞にいたった症例はまれであり報告した.
  • 永沢 光, 小野 洋也, 田中 英智, 山川 達志
    2014 年 54 巻 3 号 p. 218-222
    発行日: 2014/03/01
    公開日: 2014/04/04
    ジャーナル フリー
    症例は59歳男性である.肺癌で化学療法,放射線療法中であった.左下肢の脱力が突発し当科を受診した.MRIでは右前大脳動脈(anterior cerebral artery; ACA)領域に急性期梗塞巣が多発していたが,MRAにて右ACAの描出は良好だった.アスピリン,ヘパリンとエダラボンの投与をおこなった.4日目に呼吸苦が悪化し,胸部CTにて著明な心囊液貯留をみとめた.心タンポナーデと診断して緊急心囊ドレナージをおこない,呼吸状態は劇的に改善した.心囊液は血性で組織診にて肺癌の心膜浸潤による心タンポナーデと診断した.6日目の3D-CTAにて右ACAに動脈解離の所見をみとめた.脳梗塞急性期治療のまれな合併症として心タンポナーデがおこりうることを認識する必要がある.
短報
地方会抄録
編集後記
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