症例は46歳男性である.頭痛,嘔気を訴え脳MRIで右延髄外側に右椎骨動脈解離による梗塞巣をみとめた.第3病日当院への転院時,右Wallenberg症候群を呈しており,誤嚥性肺炎をきたしていたものの意識清明であった.その後不穏となり第9病日にCO
2ナルコーシスのため人工呼吸器管理となった.第10病日に抜管後も同様のエピソードがあり,気管切開が実施された.第39病日に人工呼吸器離脱した.画像上で梗塞巣の拡大はみとめなかった.本例同様にWallenberg症候群の亜急性期に中枢性低換気を呈するものは少ないながら報告されており,亜急性期をふくめ注意深いバイタルサイン観察が必要である.
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