臨床神経学
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54 巻 , 7 号
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会告
原著
症例報告
  • 斎藤 奈穂子, 井上 雅人, 蓮尾 金博, 神林 崇, 村山 繁雄, 竹内 壯介
    2014 年 54 巻 7 号 p. 550-555
    発行日: 2014/07/01
    公開日: 2014/08/02
    ジャーナル フリー
    症例は39歳の女性である.2011年7月,41°Cの高体温,痙攣重積をみとめ緊急入院となった.MRI で両側視床から視床下部にT2強調およびFLAIR画像で高信号域をみとめた.脳生検病理所見より,neuromyelitis optica(NMO)に関連した病態がうたがわれた.入院後も過眠をみとめ,ステロイド治療で病変は縮小傾向を示したが覚醒障害に改善をみとめなかった.髄液オレキシン値<40 pg/mlと低下し,モダフィニルの内服を開始したところ,良好な覚醒がえられた.NMOにおいて視床下部障害の報告が蓄積されており,治療について重要な示唆を与える症例と考えられた.
  • 酒井 和香, 松井 尚子, 藤田 浩司, 和泉 唯信, 西田 善彦, 高橋 利幸, 神林 崇, 梶 龍兒
    2014 年 54 巻 7 号 p. 556-560
    発行日: 2014/07/01
    公開日: 2014/08/02
    ジャーナル フリー
    症例は36歳の女性である.抗利尿ホルモン分泌異常症候群(syndrome of inappropriate secretion of antidiuretic hormone; SIADH)発症後,脳脊髄病変が出現し,抗aquqporin 4(AQP4)抗体陽性より視神経脊髄炎関連疾患(neuromyelitis optica spectrum disorder; NMOSD)と診断した.SIADHに対する治療開始後,想定以上に早く血清Naが補正され,橋中心・橋外髄鞘崩壊症を示唆する脳病変が出現した.NMO (neuromyelitis optica)/NMOSDの治療開始が遅れると,視床下部に重篤な神経障害がおこり抗利尿ホルモンの分泌が不安定となる可能性があると考えた.SIADHを初発とするNMO/NMOSD では,血清Naの補正に慎重を期する必要がある.
  • 西川 敦子, 森 まどか, 岡本 智子, 大矢 寧, 中田 智彦, 大野 欽司, 村田 美穂
    2014 年 54 巻 7 号 p. 561-564
    発行日: 2014/07/01
    公開日: 2014/08/02
    ジャーナル フリー
    症例は26歳の女性である.出生時に呼吸不全,筋力低下があり,5歳時,顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーと臨床診断されていた.歩行の可否などが週単位で変動した.12歳時,プロテカロール塩酸塩で変動が改善,内服を継続した.26歳時,当院受診.眼瞼下垂,顔面・体幹・四肢近位筋の筋力低下,易疲労性があり,血清CK正常,抗アセチルコリン受容体抗体と抗筋特異的チロシンキナーゼ抗体は陰性,僧帽筋の反復刺激試験でwaning現象をみとめた.DOK7遺伝子に新規変異をみとめ,先天性筋無力症候群と確定診断した.症状はアンベノニウム塩酸塩で悪化し,3,4-ジアミノピリジンで改善した.筋力低下の週から月単位の変動は診断に重要である.
  • 榊原 聡子, 田村 拓也, 片山 泰司, 齋藤 由扶子, 饗場 郁子, 犬飼 晃
    2014 年 54 巻 7 号 p. 565-571
    発行日: 2014/07/01
    公開日: 2014/08/02
    ジャーナル フリー
    症例は35歳の男性である.とくに誘因なく右手掌にしびれ感を自覚した.2ヵ月間で右前腕まで拡大し左手掌にも一過性に感覚異常を自覚し,当科初診した.脊髄MRIでC3~Th10にわたり空洞と周囲のT2高信号(presyrinx state)をみとめた.当初は炎症性疾患をうたがいステロイドを投与したところ,症状は一過性に改善したがふたたび悪化した.6ヵ月間でpresyrinx stateが空洞形成に先行しながら延髄まで上行拡大した.その後Th10レベルの腫瘍が明らかとなり,脳神経外科にて摘出術を施行し血管芽腫と判明した.手術後感覚障害,画像所見とも著明に改善した.頸髄レベルの脊髄空洞症では下位の脊髄の検索が必要である.
  • 音成 秀一郎, 原 直之, 竹島 慎一, 岩城 寛尚, 下江 豊, 高松 和弘, 栗山 勝
    2014 年 54 巻 7 号 p. 572-576
    発行日: 2014/07/01
    公開日: 2014/08/02
    ジャーナル フリー
    症例は53歳の女性である.下肢の感覚異常と著明な深部覚障害による失調性歩行障害が半年で進行した.筋緊張異常や錐体路徴候はみとめない.脊椎MRIでC1からT11の脊髄後索主体に信号変化をみとめられた.脊髄後索,後根神経節(dorsal root ganglion; DRG),末梢神経の障害が推測された.抗amphiphysin抗体が単独陽性であり,造影CTおよびPET/CTにて左傍胸骨リンパ節の腫大とフルオロデオキシグルコースの集積をみとめた.胸腔鏡下リンパ節生検で,癌細胞の転移を確認した.原発巣は不明だったが,病理所見で潜在性乳癌が強く示唆された.脊髄後索の長い病変とDRG障害による亜急性感覚性ニューロパチーを呈した傍腫瘍性神経症候群と診断した.
短報
地方会抄録
編集後記
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