症例は39歳の女性である.2011年7月,41°Cの高体温,痙攣重積をみとめ緊急入院となった.MRI で両側視床から視床下部にT
2強調およびFLAIR画像で高信号域をみとめた.脳生検病理所見より,neuromyelitis optica(NMO)に関連した病態がうたがわれた.入院後も過眠をみとめ,ステロイド治療で病変は縮小傾向を示したが覚醒障害に改善をみとめなかった.髄液オレキシン値<40 pg/m
lと低下し,モダフィニルの内服を開始したところ,良好な覚醒がえられた.NMOにおいて視床下部障害の報告が蓄積されており,治療について重要な示唆を与える症例と考えられた.
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