臨床神経学
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55 巻 , 3 号
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症例報告
  • 賣豆紀 智美, 藤本 茂, 松木 孝之, 鈴木 聡, 石束 隆男, 北園 孝成
    2015 年 55 巻 3 号 p. 145-150
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/17
    ジャーナル フリー
    症例1は77歳男性.一過性記憶障害を主訴に来院した.MRI拡散強調画像で両側海馬に点状の異常信号をみとめた.経食道心エコーで大動脈弓部に6.80 mmの複合粥腫病変をみとめ,大動脈原性脳塞栓症と診断した.症例2は66歳女性.一過性記憶障害を主訴に来院した.MRIで急性期脳梗塞の所見はなかったが,MRAで右後大脳動脈分枝閉塞とその後の再開通を確認し,一過性脳虚血発作と診断した.経食道心エコーで大動脈弓部に分枝におよぶ3.86 mmの粥腫をみとめた.急性発症の記憶障害の原因として虚血性脳血管障害を鑑別し,その原因として大動脈原性脳塞栓症を考慮することが重要である.
  • 井上 周子, 矢澤 省吾, 村原 貴史, 山内 理香, 下濱 俊
    2015 年 55 巻 3 号 p. 151-154
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/17
    ジャーナル フリー
    症例は30歳,男性.乳児期に小児科でDravet症候群と診断され,バルプロ酸を主体に加療されたが月に1回以上の全身けいれん発作があり難治に経過した.28歳まで小児科で投薬を受けていたが,てんかん重積状態になったのを契機に神経内科へ紹介されて投薬を引き継いだ.29歳までの1年間にさらに3度の重積となった.患者の母親は処方の変更に消極的であったが,難治であることからくりかえし説明しレベチラセタムを追加投与したところ,全身けいれん発作は1年以上抑止され,本症の成人例にもレベチラセタムの効果を確認できた.また小児科のてんかん患者を引き継ぐ際の問題点も考察した.
  • 関口 兼司, 齋藤 貴徳, 横田 一郎, 古和 久朋, 苅田 典生, 戸田 達史
    2015 年 55 巻 3 号 p. 155-159
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/17
    ジャーナル フリー
    症例は7年の経過で緩徐に右手内筋萎縮が進行した65歳女性.C8,Th1神経根支配筋に一致した筋力低下,筋萎縮をみとめ,神経電気診断では下神経幹の軸索障害が示唆された.CTにて異所性右鎖骨下動脈と長大な右C7横突起をみとめ,MRIでは下神経幹の上方への牽引がうたがわれた.術中所見で右C7横突起に付着する線維性索状物が確認され,これを切除したところ症状の進行は停止した.一側上肢筋萎縮をきたす原因疾患の一つとして真の神経原性胸郭出口症候群は重要であり,診断の補助に焦点を絞った画像診断と,詳細な神経電気診断が有用であった.
  • 岡田 匡充, 稲富 雄一郎, 加藤 勇樹, 軸丸 美香, 大林 光念, 米原 敏郎, 安東 由喜雄
    2015 年 55 巻 3 号 p. 160-164
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/17
    ジャーナル フリー
    66歳,女性.めまいを主訴に受診した際に,緊張性瞳孔と四肢腱反射消失をみとめた.また10歳代より,熱不耐症や左半身の発汗低下を自覚していた.ピロカルピン点眼試験では両側縮瞳,温熱発汗試験では顔面と左胸部に発汗低下をみとめ,Ross症候群と診断した.アセチルコリン皮内注射では鎖骨下と臍周囲の左側で発汗が低下していた.胃電図では平均周波数の低下とbradygastriaの頻度上昇,皮膚血流検査では左上肢で安静時皮膚血流増加と深呼吸刺激に対する血管反応性低下をみとめた.左上腕皮膚生検では毛包脂腺や汗腺は萎縮していた.免疫グロブリン静注療法は無効であった.本疾患では多様な自律神経障害が併存する可能性がある.
  • 石井 淳子, 山本 司郎, 吉村 元, 藤堂 謙一, 川本 未知, 幸原 伸夫
    2015 年 55 巻 3 号 p. 165-170
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/17
    ジャーナル フリー
    症例は82歳女性.呼吸困難で入院し,白血球17,700/μl,好酸球52%(9,204/μl),好酸球増多をおこす基礎疾患をみとめず,特発性好酸球増加症候群(hypereosinophilic syndrome; HES)と診断した.第6病日に左上下肢麻痺が出現し,頭部MRIで両側大脳半球分水嶺領域・小脳に散在性多発微小脳梗塞をみとめた.心エコーで左室壁全周性に血栓をみとめ,Löffler心内膜心筋炎合併による左室内血栓からの多発脳塞栓症であると考えた.抗凝固およびプレドニゾロン内服開始後,脳梗塞の再発はなかった.HESの合併症として脳梗塞を呈した際は,心内膜心筋障害を評価し早期治療介入が必要である.
短報
  • 小河 秀郎, 中島 敦史, 小橋 修平, 寒川 真, 楠 進
    2015 年 55 巻 3 号 p. 171-173
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/17
    ジャーナル フリー
    症例は67歳男性.某日,両下肢違和感出現.3日後に道で転倒し当院救急入院.入院時,脳神経系異常なし.四肢筋力保たれるも両下肢深部覚障害のため起立困難.深部腱反射減弱,表在覚障害なし.腰椎MRI異常なし.神経伝導検査は運動神経異常なく,上下肢で著明な感覚神経振幅低下あり.Gal-C抗体陽性であり,純粋感覚型Guillain-Barré症候群(GBS)と診断.免疫グロブリン大量静注療法をおこなうも深部覚障害残存し入院53日目に転院.Gal-C抗体のみ陽性の純粋感覚型GBS症例の報告はなく貴重な症例と考えられた.
  • 音成 秀一郎, 金谷 雄平, 竹島 慎一, 吉本 武史, 田中 朗雄, 栗山 勝
    2015 年 55 巻 3 号 p. 174-177
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/17
    ジャーナル フリー
    症例は66歳女性である.脳膿瘍で排膿術施行され,以後はメトロニダゾール2 g/日を投与された.30日目より嘔気出現し徐々に悪化,45日目に昏迷になった.意識変容,軽度の前庭障害と構音障害をみとめた.頭部MRIは脳梁膨大部,小脳歯状核,脳幹部下丘にDWIおよびFLAIRで高信号変化を両側対称性にみとめた.脳梁膨大部のapparent diffusion coefficient(ADC)は低下,MRSで乳酸のピーク上昇をみとめた.メトロニダゾール誘発性脳症と診断し,同薬剤を中止し,症状は改善し14日目に軽快退院した.小脳歯状核および脳幹病変は,血管障害性浮腫と思われ5~10日目には消失したが,脳梁膨大部病変は細胞毒性浮腫と思われ40日目まで残存した.
  • 坂井 健一郎, 木村 和美, 井口 保之, 吉岡 明彦, 守安 文明
    2015 年 55 巻 3 号 p. 178-181
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/17
    ジャーナル フリー
    われわれは過去に岡山県倉敷市で健康診断をおこなった市民を対象に心房細動有病率を調査し報告した.今回,当時心房細動を有していた市民の5年後の死亡率や死亡原因について調査した.調査可能であった心房細動を有する市民は1,164名であり,その内279名(24.0%)が5年後の調査で死亡していた.死亡原因は悪性腫瘍が24%,高血圧を除く心疾患が24%,虚血性脳血管障害が11%,出血性脳血管障害が6%,肺炎が13%,不慮の事故が3%,その他が19%であった.心房細動を有する市民の5年死亡率は高く,心房細動をみとめたばあいは,専門医による心臓の評価をおこなうこと,5年以内に致死的疾患に罹患する可能性があることを念頭においた上での十分なフォローアップが必要であると考えられた.
  • 田口 宗太郎, 丹羽 淳一, 衣斐 達, 道勇 学
    2015 年 55 巻 3 号 p. 182-184
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/17
    ジャーナル フリー
    症例は70歳の女性である.13年前にパーキンソン病(Parkinson's disease; PD)を発症,L-Dopa合剤,塩酸セレギリン,プラミペキソールを内服していた.プラミペキソールを等価量で徐放化した1ヵ月後に高熱をともない四肢のジスキネジアと幻視が出現した.全身の発汗が亢進し,見当識障害をともなっていたが,脳神経と感覚系に異常なく,筋強剛もなかった.血液検査では白血球増多と血清CK高値をみとめた.以上よりdyskinesia-hyperpyrexia syndromeと診断,抗PD薬を減量したところ病状は改善した.本例は,PDの進行期において神経終末ドパミン濃度の変動性に留意した抗PD薬用量調整の重要性を示唆するものと考えられた.
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