臨床神経学
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55 巻, 9 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
原著
  • 荒井 元美
    2015 年 55 巻 9 号 p. 623-629
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/09/11
    [早期公開] 公開日: 2015/07/07
    ジャーナル フリー
    1995年4月からの約20年間に起立性頭痛で受診した連続86例の記録を再検討し,特発性低髄液圧症候群(spontaneous intracranial hypotension; SIH)が疑われた56例の症例集積研究を行った.性差,好発年齢,随伴症状はSIH症例での報告と一致した.激しい起立性頭痛のある患者群ではMRIの硬膜造影所見がより軽度で,髄液漏出に対する代償機転の障害が疑われる.髄液漏出部位を特定できず腰部で硬膜外自家血注入(epidural blood patch; EBP)を行った患者群と漏出部位近傍でのEBP治療群とで効果に有意差はなかった.発症から起立性頭痛が消失するまでの日数と発症から受診までの日数との回帰係数は1.243,切片は14.8日であり,受診,診断が早い分だけ回復が早い傾向があった.
  • 竹島 慎一, 吉本 武史, 志賀 裕二, 金谷 雄平, 音成 秀一郎, 姫野 隆洋, 河野 龍平, 高松 和弘, 下江 豊, 栗山 勝
    2015 年 55 巻 9 号 p. 630-636
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/09/11
    [早期公開] 公開日: 2015/07/07
    ジャーナル フリー
    2004年~2014年で,成人無菌性髄膜炎365例中,ムンプス髄膜炎は13例(3.6%,29.8 ± 7.0歳)であった.季節性はないが,地区のムンプス流行に一致した発症率であった.耳下腺腫脹は8例(61.5%),精巣炎は男性7例中2例(28.6%)に認めた.重症度,転機を含めエコーウイルス髄膜炎に類似するが,髄液の単核球比率が高かった.発症前にムンプス患者との接触は8例(61.5%),ワクチン接種は1例,非接種9例,3例は確認できなかった.抗ムンプス抗体価から判断して,6例は初感染,2例は再感染が疑われ,初感染の高齢化が認められた.ワクチン接種歴のある症例は二次性ワクチン不全と思われた.
  • 松村 剛, 小牧 宏文, 川井 充
    2015 年 55 巻 9 号 p. 637-645
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/09/11
    [早期公開] 公開日: 2015/07/07
    ジャーナル フリー
    神経内科・小児神経専門医を対象に,デュシェンヌ型筋ジストロフィー診療ガイドラインの発刊前アンケートを行った.小児は大学病院や総合病院,成人は合併症管理や入院対応が可能な国立病院機構等の病院が中心的役割を果たしていた.多くの専門医は本症の診療に専門家の支援を求めていた.ステロイドや心筋保護薬の認知度は高い一方,遺伝子検査時の同意取得,側弯症定期評価,排痰補助装置利用,呼吸器使用患者の災害準備,保因者の医療管理等に改善すべき課題が見られた.筋力増強訓練の実施も多く,過用が懸念された.今回の結果を踏まえた広報活動を実施すると共に,数年後に再調査を行いガイドラインの有効性を評価したい.
症例報告
短報
地方会抄録
会告
編集後記
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