臨床神経学
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56 巻 , 3 号
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追悼文
総説
  • 下畑 享良, 饗場 郁子, 西澤 正豊
    2016 年 56 巻 3 号 p. 149-157
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/03/30
    [早期公開] 公開日: 2016/02/13
    ジャーナル フリー
    大脳皮質基底核変性症(corticobasal degeneration; CBD)という名称は病理診断名として使用され,代わって大脳皮質基底核症候群(corticobasal syndrome; CBS)という名称が臨床診断名として使用されるようになった.従来のCBDの臨床診断基準はCBSのみを対象としているが,国際コンソーシアムは2013年にCBS以外の病型も含むCBDの臨床診断基準を作成した(Armstrong基準).しかし二つの検証試験の結果,この診断基準の感度,特異度は高くないことが明らかになった.異常リン酸化タウを標的とした治療介入が進行中であり,発症早期からの正確な診断が望まれるが,今後,前方視的研究によるバイオマーカーの発見を通して,診断基準を改訂する必要がある.
原著
症例報告
  • 脇田 賢治, 森田 浩之, 櫻井 岳郎, 西田 浩
    2016 年 56 巻 3 号 p. 174-179
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/03/30
    [早期公開] 公開日: 2016/02/24
    ジャーナル フリー
    症例は75歳女性.4ヶ月前より繰り返す意識消失,めまい,ふらつき,耳閉感を認めた.頭部MRI FLAIR画像にて,右後頭葉,両側前頭葉,頭頂葉に高信号域を認め,当科に入院した.神経学的所見として,右上肢バレー徴候陽性,継ぎ足不可,左バビンスキー反射陽性を認めた.上肢血圧の左右差,左上肢の脈拍の減弱を認め,造影CTでは,動脈壁の肥厚,遅延性の増強効果を認め,高安動脈炎と診断した.頭部MRI所見は4ヶ月間で経時的に消退し,posterior reversible encephalopathy syndrome(PRES)と診断した.高齢女性の高安動脈炎にPRESを伴うことは稀であり報告した.
  • 河野 龍平, 岩城 寛尚, 竹島 慎一, 下江 豊, 大田 慎三, 栗山 勝
    2016 年 56 巻 3 号 p. 180-185
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/03/30
    [早期公開] 公開日: 2016/02/18
    ジャーナル フリー
    9年間の脳卒中11,161例から,血清アルブミン3.0 g/dl以下で,かつコレステロール250 mg/dl以上の症例は21例であった.うち高度の尿蛋白を呈するネフローゼ症候群は,16例であり,虚血性脳梗塞10例,脳静脈洞血栓症2例,脳出血4症で,脳出血は全脳卒中の0.036%,脳出血の0.18%であった.ネフローゼ症候群は,凝固亢進を起こす病態であるが,脳出血4症例は,血栓傾向に打ち勝つ脳出血危険因子を有した症例であった.ネフローゼ症候群の基礎疾患は糖尿病性腎症が3例,アミロイドーシス1例であった.ネフローゼ症候群は本来血栓形成傾向を示すが,脳出血を起こす症例が存在することを留意すべきである.
  • 水野 裕理, 重藤 寛史, 山田 猛, 前田 教寿, 鈴木 諭, 吉良 潤一
    2016 年 56 巻 3 号 p. 186-190
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/03/30
    [早期公開] 公開日: 2016/03/08
    ジャーナル フリー
    症例は53歳男性.左方注視時複視で発症し,頭部MRIで造影効果のある多発脳病変を認めた.悪性リンパ腫が疑われ前医で脳生検を行ったが悪性所見はなく,血管周囲にリンパ球の集簇を認めることから免疫関連性脳炎が疑われ,ステロイドパルス,シクロホスファミド投与,血漿交換等の免疫療法を行うも治療に反応しなかった.当院に転院後,脳生検を再度行い,最終的に原発性中枢神経系血管炎と診断した.ステロイドパルスとメトトレキサートの投与を行い病巣は縮小した.一度の脳生検では正確な病理診断がつかず,その後も侵襲的な治療が必要な場合は,複数回脳生検を行い正確な診断に至る必要がある.
  • 永金 義成, 武澤 秀理, 桂 奏, 山本 康正
    2016 年 56 巻 3 号 p. 191-195
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/03/30
    [早期公開] 公開日: 2016/03/08
    ジャーナル フリー
    症例は60歳,男性.前日からのめまいと嘔吐で受診した.神経学的に左ワレンベルク症候群を呈し,頭部MRIで左延髄外側に急性期梗塞巣を認め,左大脳半球にも小梗塞巣を認めた.MRAでは左椎骨動脈と左内頸動脈が描出されなかった.抗血栓療法を行ったが,球麻痺が進行し,左大脳半球の広範な梗塞による脳ヘルニアをきたして発症第9日目に死亡した.病理学的検索では,僧帽弁に疣贅が付着し,非細菌性血栓性心内膜炎(non-bacterial thrombotic endocarditis; NBTE)と診断した.全身の動脈に硬化性変化を認め,左椎骨動脈硬膜貫通部と左内頸動脈海綿静脈洞部の石灰化を伴った狭窄部は,僧帽弁の疣贅と同様の血栓により閉塞しており,NBTEによる脳塞栓症と病理診断した.
短報
  • 鈴木 英文, 小野 通夫, 小島 康祐, 神田 益太郎, 柴﨑 浩, 隠岐 光彬, 中野 智
    2016 年 56 巻 3 号 p. 196-199
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/03/30
    [早期公開] 公開日: 2016/03/08
    ジャーナル フリー
    症例は39歳,女性.けいれん重積のために入院した.低身長,感音性難聴,血中/髄液中の乳酸およびピルビン酸値の上昇,頭部MRIにおける血管支配領域に一致しない浮腫性病変,およびm.3243A>Gを認めたことからmitochondrial myopathy, encephalopathy, lactic acidosis, and stroke-like episodes(MELAS)と診断した.しかし,筋病理組織化学は,myoclonic epilepsy with ragged-red fibers(MERRF)に特徴的とされる所見を示した.MELASとMERRFは筋内血管の組織化学所見から明確に区別できると報告されているが,本例は例外もあることを示した.
  • 長田 治, 岩崎 章, 中橋 寛隆, 金 佳虎, 兼子 耕
    2016 年 56 巻 3 号 p. 200-203
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/03/30
    [早期公開] 公開日: 2016/02/13
    ジャーナル フリー
    症例は45歳の男性である.2014年3月に味覚障害が出現した.左眼瞼下垂,頸部筋力の低下,テンシロン試験陽性から重症筋無力症と診断した.誤嚥性肺炎とクリーゼを発症したが,抗生剤,ステロイドパルス療法と免疫グロブリン静注療法で肺炎,クリーゼ,味覚障害のいずれも改善し,プレドニゾロン,タクロリムスの内服開始後,同年5月に胸腺腫摘除術が施行された.同年12月,再生不良性貧血を発症し,シクロスポリン内服治療と血液製剤投与が開始された.2015年5月より,網状赤血球数は急増し赤血球輸血が不要となった.味覚障害,再生不良性貧血,胸腺腫関連重症筋無力症の3者の関連が推定された過去に報告のない症例であった.
  • 横山 淳, 山口 浩雄, 重藤 寛史, 内海 健, 村井 弘之, 吉良 潤一
    2016 年 56 巻 3 号 p. 204-207
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/03/30
    [早期公開] 公開日: 2016/03/08
    ジャーナル フリー
    症例は24歳の男性.夜間飲酒した翌朝に痙攣を認め当院救急部に搬送された.到着後に痙攣重積を呈して人工呼吸器管理となった.脳幹反射の異常や病的反射,髄膜刺激徴候は認めなかった.頭部MRIの拡散強調画像で異常信号はなく,左後頭葉に陳旧性梗塞様の所見を認めた.入院直後より横紋筋融解症による高CK血症と急性腎不全を呈し持続血液透析濾過法を開始した.髄液中L/P比の著明な増加よりミトコンドリア病を疑い,末梢血にてミトコンドリアDNAのA3243G変異(ヘテロプラスミー20%)が判明しmitochondrial myopathy, encephalopathy, lactic acidosis, and stroke-like episodes(MELAS)と診断した.本症例はMELASとしては非典型的な経過を辿ったため貴重な症例と考えられた.
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