臨床神経学
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57 巻 , 8 号
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総説
  • Syuichi Tetsuka
    2017 年 57 巻 8 号 p. 417-424
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/08/31
    [早期公開] 公開日: 2017/07/22
    ジャーナル フリー

    The advent of next-generation sequencing technology is expected to accelerate the identification of novel genes, and this technology will likely supersede Sanger sequencing. Thus, genome-wide association studies (GWASs) are performed more routinely in an effort to identify disease-susceptibility genes for sporadic amyotrophic lateral sclerosis (ALS). Previously, a Japanese team conducted a large-scale GWAS with 1,305 Japanese ALS patients and discovered a new single nucleotide polymorphism (SNP) rs2275294 associated with susceptibility to sporadic ALS (sALS) in the ZNF512B gene on chromosome 20q13.33. Ju et al. recently performed a case-control study to examine the possible association of rs2275294 with the risk of sALS. Their results, however, indicated that the SNP in ZNF512B is not associated with sALS susceptibility in the Chinese population. A precise diagnosis of neurodegenerative diseases, especially ALS, is highly challenging. For GWASs and other clinical research studies that require a large sample size, if true ALS patients are not selected initially, then all subsequent research is futile. Here, I evaluate the factors that are likely responsible for the inconsistent results obtained by GWASs and propose the development of a new classification system and diagnostic criteria for ALS as the first step towards conducting better clinical studies on ALS. I have attempted to explain the reasons for the inconsistent association between rs2275294 and ALS progression by listing the gene–gene/gene–environment interactions, age of onset, sample size, odds ratio, and inappropriate ALS diagnosis criteria for stratifying this heterogeneous disease in this review.

原著
  • 堀 寛子, 倉富 晶, 石﨑 雅俊, 阪本 徹郎, 西田 泰斗, 安東 由喜雄
    2017 年 57 巻 8 号 p. 425-429
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/08/31
    [早期公開] 公開日: 2017/07/22
    ジャーナル フリー

    熊本地震がパーキンソン病患者の臨床症候に影響したかを明らかにするべく,震災前後のUnified Parkinson’s Disease Rating Scale (UPDRS) Part IIIの点数変化を検討した.全体として有意な変化はなかったが,女性(P = 0.0188),軽症例(P = 0.0111),被災度の高い群(P = 0.0184)で点数が増加していた.点数の増加した7例(26.9%)では「筋強剛」,「動作緩慢と運動減少」の項目での悪化が多かった.7例(26.9%)は症状が改善していた.震災に伴う精神的ストレスが大きかったことが予想され,臨床症候の変化に関係していることが示唆された.

症例報告
  • 三村 直哉, 井上 岳司, 下竹 昭寛, 松本 理器, 池田 昭夫, 髙橋 良輔
    2017 年 57 巻 8 号 p. 430-435
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/08/31
    [早期公開] 公開日: 2017/07/22
    ジャーナル フリー

    34歳女性.肉類系統の食事の摂取,視聴により誘発されるてんかん発作を主訴に来院.20代前半よりミンチ肉を用いた食物を摂取した際に,フラッシュバックと心窩部不快感の単純部分発作(simple partial seizure; SPS)を認めた.33歳時,ホットドッグを摂取直後,その半年後には水餃子の調理映像を視聴した際に同様のSPSの後,全般性強直間代発作を生じた.上記調理映像を視聴中に脳波検査を施行,発作が誘発された.脳波所見では,左frontalからmid temporal最大のθ波が律動的に出現した後,全般化した.特定の食物の摂取で誘発,かつ視聴のみでも発作が誘発され,eating epilepsyの多様性を示唆した.

  • 深見 祐樹, 岡田 弘明, 吉田 真理, 山口 啓二
    2017 年 57 巻 8 号 p. 436-440
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/08/31
    [早期公開] 公開日: 2017/07/22
    ジャーナル フリー

    症例は78歳女性である.亜急性に進行する意識障害で入院となった.頭部MRI T2強調画像で皮質,白質に多発する高信号病変を認めた.免疫介在性脳炎を疑い,ステロイドパルス療法施行で一旦改善を認めたが,難治性てんかん重積状態で再入院となった.脳生検では非特異的な血管周囲のリンパ球浸潤を認めた.後日,血清抗gamma aminobutyric acid (GABA)A受容体抗体陽性であったことから,抗GABAA受容体抗体陽性脳炎と診断した.抗GABAA受容体抗体陽性脳炎は極めて稀であるため報告する.

  • 時田 春樹, 金谷 雄平, 下江 豊, 今川 まどか, 福永 真哉, 栗山 勝
    2017 年 57 巻 8 号 p. 441-445
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/08/31
    [早期公開] 公開日: 2017/07/22
    ジャーナル フリー

    症例は45歳,右利き男性.右被殻出血と10年後の左被殻出血による両側の聴放線の損傷で出現した聴覚性失認である.言語音,非言語音(音楽音,環境音)ともに認知障害を認め,神経心理学的検査の結果は著明に低下していた.4ヶ月後には回復が認められたが,標準注意検査の聴覚的要素の項目は依然と低下していた.言語音の回復が遅れたが,改善し始めると急速に回復した.その後,音楽音(リズムとメロデイー)も改善したが,環境音の改善が遅延し,解離が認められた.1年後には,仕事に復帰した.本邦の聴覚性失認の症例で発症後の経過が記載されている症例のレビューを行い,症状の回復経過を検討した.

  • 芦田 真士, 永金 義成, 牧野 雅弘, 友永 慶, 蒔田 直輝, 山本 康正
    2017 年 57 巻 8 号 p. 446-450
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/08/31
    [早期公開] 公開日: 2017/07/22
    ジャーナル フリー

    症例は45歳女性.突然の頭痛と意識障害のため頭痛発症6時間53分後に救急受診した.見当識障害,左同名半盲,左片麻痺,左上下肢の感覚障害を認め,MR拡散強調画像にて右後頭葉と両側視床に高信号域を認めた.急性期治療として抗凝固療法を開始したが,意識障害の進行と両側眼球運動障害を認め,中脳内側梗塞が拡大した.MRAでは右椎骨動脈と脳底動脈にdouble-lumenを認め,右後大脳動脈の描出は数週間にわたって変化したことから,右椎骨動脈から脳底動脈,さらに右後大脳動脈におよぶ動脈解離が脳梗塞の原因と診断した.右椎骨動脈から右後大脳動脈におよぶ動脈解離は希少であり報告する.

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