臨床神経学
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58 巻 , 10 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
原著
  • 坂本 光弘, 松本 理器, 十川 純平, 端 祐一郎, 武山 博文, 小林 勝哉, 下竹 昭寛, 近藤 誉之, 髙橋 良輔, 池田 昭夫
    2018 年 58 巻 10 号 p. 609-616
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/24
    [早期公開] 公開日: 2018/09/29
    ジャーナル フリー

    自己免疫性てんかんが近年注目されているが,抗神経抗体以外の特異的な診断法は確立していない.今回我々は最初に病歴・臨床症候,次に検査成績と2段階で自己免疫性てんかんを診断するアルゴリズムを作成し,臨床的有用性を予備的に検討した.自己免疫性てんかんが疑われた70名に後方視的にアルゴリズムを適応した.MRI,髄液,FDG-PET検査のうち,2項目以上異常所見があれば診断に近づく可能性が示された.一方で抗体陽性13名のうち2名は,第一段階の臨床症候で自己免疫性てんかんの可能性は低いと判断された.包括的抗体検査のもと診断アルゴリズムの更なる検証,改訂が望まれる.

症例報告
  • 鈴木 圭輔, 松原 健朗, 宮本 雅之, 藤田 裕明, 中村 利生, 平田 幸一
    2018 年 58 巻 10 号 p. 617-621
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/24
    [早期公開] 公開日: 2018/09/29
    ジャーナル フリー

    症例は57歳女性.33年間左半身の異常感覚による不眠があった.初診の前年から頻度が増加し,右下肢にも症状が出現するようになった.娘は20歳からレストレスレッグス症候群(restless legs syndrome; RLS)がある.神経学的所見に異常はなかった.血液検査では腎機能は正常で鉄欠乏や貧血はなかった.RLSと診断しプラミペキソール低用量にて良好な治療効果が得られていた.初診から1年後に右肩痛が出現し,その半年後に,右手の振戦が出現した.臨床症状,ドパミントランスポータースキャンおよび123I-MIBG心筋シンチグラフィー検査結果からパーキンソン病(Parkinson’s disease; PD)と診断した.RLS症状の拡大や頻度増加時にはPDの早期徴候の可能性を考慮する必要がある.

  • 大井 由貴, 小林 勝哉, 人見 健文, 松本 理器, 池田 昭夫, 髙橋 良輔
    2018 年 58 巻 10 号 p. 622-625
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/24
    [早期公開] 公開日: 2018/09/29
    ジャーナル フリー

    32歳女性.9歳時にミオクローヌスと全般強直間代発作が出現し,遺伝子検査でUnverricht-Lundborg病と診断された.内服により全般強直間代発作は抑制されたが,ミオクローヌスは治療抵抗性であり認知機能障害,構音障害,ミオクローヌス,協調運動障害,高度の起立歩行障害と強い歩行恐怖症がみられた.ペランパネルを1 mg/日から漸増後,2 mg/日でミオクローヌスは著明に改善し,歩行恐怖症も軽減した.また体性感覚誘発電位の振幅も低下し,一次運動感覚野の過剰興奮の減弱が示唆された.ペランパネルは皮質ミオクローヌス,起立歩行障害と歩行恐怖症に有効な治療と考えられた.

  • 外山 祐一郎, 川又 純, 下濱 俊
    2018 年 58 巻 10 号 p. 626-630
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/24
    [早期公開] 公開日: 2018/09/29
    ジャーナル フリー

    症例1は25歳の女性看護師.日勤看護業務中,バーコードリーダーを使用直後に転倒し強直間代発作が出現した.強直間代発作は5分程度で自然頓挫したが,意識減損が30分程度持続した.症例2は30歳の女性看護師.夜勤にて看護業務中,バーコードリーダーを使用し赤色点滅光を凝視した直後に起立困難となった.同僚看護師の名前が分からない等の見当識障害が出現した.5分程度見当識障害を認めたが徐々に改善し意識清明となった.両症例はバーコードリーダーの赤色点滅光により誘発された光感受性発作と考えられる.医療機器として病棟で使用されている赤色点滅光を発光するバーコードリーダーは発作誘発の可能性があり注意を要する.

  • 小椋 史織, 田中 瑛次郎, 芦田 真士, 前園 恵子, 永金 義成
    2018 年 58 巻 10 号 p. 631-635
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/24
    [早期公開] 公開日: 2018/09/29
    ジャーナル フリー

    症例は61歳,男性,35年前に右鎖骨骨折の既往.半年前から右腕の運動時痛があった.ある日,回転性めまい・耳鳴に続く左上下肢脱力としびれ感が出現し,受診した.右後大脳動脈閉塞による脳梗塞と診断し,発症188分後からアルテプラーゼを静注した.症状は一旦改善したが,ヘパリン静注継続中の第9病日に右後下小脳動脈領域梗塞を再発した.血管エコーでは右鎖骨骨折の近傍で右鎖骨下動脈が血栓性閉塞し,近位側に可動性血栓を認めた.右鎖骨骨折は偽関節を形成し,これによる直接の圧迫や周囲の軟部組織の癒着により鎖骨下動脈が進行性に狭窄・閉塞し,盲端内の血栓が逆行性に右椎骨動脈に流入して塞栓症を発症したと推察した.

  • 永田 諭, 西村 由宇慈, 光尾 邦彦
    2018 年 58 巻 10 号 p. 636-641
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/24
    [早期公開] 公開日: 2018/09/29
    ジャーナル フリー

    症例は20歳女性.感染症状の2週間後に全身痙攣が出現し,意識障害と項部硬直,両下肢脱力,髄液細胞増多を認めた.MRIでは両側帯状回と上前頭回内側部にFLAIR高信号を呈し,脳梁上縁部は線状に造影されていた.ステロイドパルス療法で症状は一部改善したが,左帯状回にリング状造影効果を伴う腫瘤状病変が出現した.入院4週間後に両側視神経炎と脳幹病変を認め,パルス療法と血漿浄化療法を追加し,視力障害はほぼ全快した.後日,抗myelin oligodendrocyte glycoprotein(MOG),抗N-methyl-D-aspartate(NMDA)受容体抗体陽性が判明した.両抗体陽性の視神経炎を合併した脳炎の報告は稀であり,抗MOG抗体関連疾患や抗NMDA受容体脳炎の臨床的多様性に関与している可能性も考えられた.

短報
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