臨床神経学
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最新号
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総説
  • 金澤 雅人, 高橋 哲哉, 川村 邦雄, 下畑 享良
    2019 年 59 巻 11 号 p. 699-706
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/08
    [早期公開] 公開日: 2019/10/26
    ジャーナル フリー

    脳梗塞に対する組織プラスミノゲン・アクチベーター(tissue plasminogen activator; t-PA)投与は,予後を改善させるが,症候性頭蓋内出血はt-PA療法後の転帰不良に関連する要因である.我々は,出血合併を抑制し,予後を改善させるt-PAに併用する血管保護薬の開発を行っている.治療標的分子として血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor; VEGF)に注目し,血液脳関門(blood-brain barrier; BBB)破綻に関する検討を行った.発症4時間後にt-PAを投与すると,出血合併が生じる,脳塞栓モデルを用いた検討において,遅延したt-PA投与がVEGFを著増させ,タンパク分解酵素マトリックス・メタロプロテナーゼ-9を活性化,BBB構成蛋白を分解し,出血合併を来すことを示した.さらに,VEGF-VEGF受容体シグナルの抑制薬は,脳出血合併を抑制することを明らかにした.

  • 吾郷 哲朗
    2019 年 59 巻 11 号 p. 707-715
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/08
    [早期公開] 公開日: 2019/10/26
    ジャーナル フリー

    ペリサイトは毛細血管から細小血管のレベルにおいて内皮細胞を囲む基底膜に埋もれた形で存在する血管壁細胞である.他臓器に比し,脳では内皮細胞に対する存在比率が高く,内皮細胞との密接な相互作用により血液脳関門の形成と維持,脳血流の制御に決定的な役割を果たしている.絶え間ない血流供給が必要な神経細胞にとって健常ペリサイトの存在は不可欠である.ペリサイト機能障害は,加齢,生活習慣病,低灌流/虚血,薬剤,遺伝要因などによってもたらされ,脳血管障害のみならず様々な脳疾患の発症や進展に関与しうる.またペリサイトは脳傷害時の組織修復においても重要な役割を果たしており,機能回復の視点からも注目されている.

原著
症例報告
  • 森島 亮, 板東 充秋, 角南 陽子, 磯﨑 英治
    2019 年 59 巻 11 号 p. 730-735
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/08
    [早期公開] 公開日: 2019/10/26
    ジャーナル フリー

    症例は72歳男性,右利き.2年前から小歩・物忘れ・易転倒性で発症し,神経学的・神経放射線学的には進行性核上性麻痺(progressive supranuclear palsy; PSP)が疑われ,視野の異常はなかった.神経心理学的には,全般性の知能低下と注意障害を背景として,視空間定位障害と視覚性注意障害があり,これに伴う空間性失書と構成障害他の検査成績の低下を認めた.本例の症候は典型的なPSPにHolmes and Horraxの視覚性注意の障害およびGarcinのataxie optiqueが合併していると考えられるが,PSPにおいて本例の如く視空間認知の障害が前景に立つ例の報告は筆者らの知る限りなく,文献的考察を加え報告する.

  • 大達 清美, 飯尾 滉太郎, 宇野 研一郎, 川田 憲一, 冨本 秀和
    2019 年 59 巻 11 号 p. 736-739
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/08
    [早期公開] 公開日: 2019/10/26
    ジャーナル フリー

    20歳女性.1週間前から頭痛,発熱,嘔気があり受診した.軽度の項部硬直以外に異常所見はなかった.単核球優位の髄液細胞増多を認め,髄膜炎疑いで入院した.入院3日目に過眠となり,MRIにて両側視床下部と橋内側,頸髄から胸髄髄内の広範な異常信号を認めた.視神経脊髄炎関連疾患(neuromyelitis optica spectrum disorder; NMOSD)を疑い,ステロイドパルス療法を施行したところ解熱し,傾眠およびMRIの異常信号が消失した.視床下部病変を伴うNMOSDでは髄膜炎様症状で発症することがあるため,無菌性髄膜炎と考えられる患者でも,早期のMRI撮像が重要と考えられた.

  • 濱口 眞衣, 藤田 裕明, 鈴木 圭輔, 中村 利生, 西野 一三, 平田 幸一
    2019 年 59 巻 11 号 p. 740-745
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/08
    [早期公開] 公開日: 2019/10/26
    ジャーナル フリー

    症例は33歳男性.16歳時に健診で血清CK上昇を指摘され,25歳頃から緩徐進行性の下肢筋力低下が出現した.身体診察では翼状肩甲,腰椎前弯の増強,アキレス腱の拘縮,近位筋優位の四肢筋力低下を認め,Gowers徴候は陽性であった.筋肥大は上腕二頭筋や前腕屈筋群においてみられた.筋生検では筋線維の大小不同,再生・壊死線維を認め,calpain3発現が低下していた.遺伝子解析にてCAPN3遺伝子に既知の二つの遺伝子変異を認めたためcalpainopathy(肢帯型筋ジストロフィー limb girdle muscular dystrophy 2A; LGMD2A)と診断した.上肢の筋肥大は下肢に比べ注目されにくいが,それらを念頭に置いた診察が重要である.

  • Tsuneaki Yoshinaga, Toru Kurokawa, Takeshi Uehara, Junpei Nitta, Tetsu ...
    2019 年 59 巻 11 号 p. 746-751
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/08
    [早期公開] 公開日: 2019/10/26
    ジャーナル フリー

    We present the case of a 74-year-old woman complaining of blurred vision in the left eye who was found to have a unilateral, continuous lesion of the optic nerve and nerve sheath accompanied by an intracranial mass next to the cavernous sinus and meninges. Surgical decompression of the left optic nerve in the optic canal and partial resection of the mass followed by prednisolone administration were successful. Immunohistochemical analysis disclosed abundant infiltration of IgG4-positive plasma cells at >10 cells/high power field. These findings indicated a new pattern of compressive optic neuropathy with confirmed IgG4 histopathological findings. Such an extensive lesion may produce visual disturbance.

  • 森田 隆雄, 和田 晋一, 陣内 重郎, 桑城 貴弘, 矢坂 正弘, 岡田 靖
    2019 年 59 巻 11 号 p. 752-757
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/08
    [早期公開] 公開日: 2019/10/26
    ジャーナル フリー

    症例は糖尿病(HbA1c 11.0%)を有する45歳男性.第1病日に急性発症の頭痛,第2病日に左上肢の巧緻運動障害を自覚し当院受診した.頭部MRIで脳実質病変を認めなかったが,magnetic resonance venography(MRV)で上矢状静脈洞の閉塞およびperfusion CTで右中心前回周辺にmean-transit-time(MTT)の延長を認めた.脳静脈洞血栓症と診断し,ヘパリン持続静注を開始した.第8病日に神経症状は消失し,第13病日に頭部造影CTで上矢状静脈洞の開通を認め,MTT延長域は改善し,第23病日に自宅退院した.本症例は重症糖尿病による凝固異常の関与が推察され,その診断にperfusion CTが有用であった.

地方会抄録
会告
編集後記
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