臨床神経学
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59 巻 , 2 号
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総説
  • 早川 幹人
    2019 年 59 巻 2 号 p. 77-83
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/23
    [早期公開] 公開日: 2019/01/31
    ジャーナル フリー

    2014~2015年にかけて公表された複数のランダム化比較試験により,「発症6時間以内に血管内治療開始可能な」「National Institutes of Health Stroke Scaleスコア6以上」の「内頸動脈~中大脳動脈M1閉塞」で「Alberta Stroke Program Early CT Score 6以上」の急性期脳梗塞症例に対する血栓回収療法は,内科治療に優る有効性を発揮することが証明された.2018年には,発症16ないし24時間までの特定の条件を満たす症例に対する治療の有効性も確立した.血栓回収療法は,今や適応を有する症例に対し施行すべき「標準治療」となっている.

  • 高下 純平
    2019 年 59 巻 2 号 p. 84-92
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/23
    [早期公開] 公開日: 2019/01/31
    ジャーナル フリー

    軽症脳梗塞は,神経症状の増悪により転帰不良となる症例が少なからず存在し,特に主幹動脈閉塞を有する例でその危険性が高い.しかし,軽症脳梗塞に対する再開通療法の有効性は不明である.神経症状増悪の病態は,側副血行の破綻等,様々なメカニズムが提唱されているが不明な場合も多い.内頸動脈閉塞を有するが,側副血行を介して同側の中大脳動脈が描出される中大脳動脈開存型内頸動脈閉塞症は,血栓の遠位への移動により側副血行が遮断され,劇的に神経症状が増悪する場合があり注意を要する.最近の知見を整理し,主幹動脈閉塞を伴う軽症脳梗塞を中心に,神経症状増悪の病態や再開通療法について概説した.

症例報告
  • 齋藤 和幸, 日野 太郎, 藤田 聡, 林 盛人, 久保寺 隆行, 和田 義明
    2019 年 59 巻 2 号 p. 93-97
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/23
    [早期公開] 公開日: 2019/01/31
    ジャーナル フリー

    症例は67歳女性.2008年にくも膜下出血に対するコイル塞栓術及びシャント術が行われた.2016年にてんかんと診断され,徐々に認知機能が低下した.2017年10月にてんかん発作の再発で入院した.入院時の頭部CTで左頭頂葉に石灰化が見られた.数日後の頭部CTでは石灰化周囲の脳溝が不鮮明となり,造影CTでは同部位に早期に皮質静脈が描出された.脳血管撮影にてBorden type IIIの硬膜動静脈瘻(dural arteriovenous fistula; DAVF)と診断され,血管内治療を施行した.脳内石灰化を伴うBorden type III DAVFにも関わらず緩徐に進行したと考えられた.

  • 前田 憲吾, 清水 芳樹, 杉原 芳子, 金澤 直美, 飯塚 高浩
    2019 年 59 巻 2 号 p. 98-101
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/23
    [早期公開] 公開日: 2019/01/31
    ジャーナル フリー

    症例は48歳女性.43歳時に下肢硬直感が出現したが3か月で自然軽快した.両下肢の筋硬直が再発し,ミオクローヌスが出現し入院.意識清明,言語・脳神経は異常なし.両足趾は背屈位で,足関節は自他動で動かないほど硬直していた.神経伝導検査は異常なく,針筋電図では前脛骨筋に持続性筋収縮を認めた.血液・髄液一般検査は正常で,抗GAD65抗体・抗VGKC複合体抗体は陰性.脊髄MRIにも異常なく,症候学的にstiff-limb症候群(SLS)と考え,ステロイドパルス療法を実施し筋強直は改善した.その後,血液・髄液の抗glycine受容体抗体が陽性と判明した.プレドニゾロン内服後,再発はない.

短報
  • 猪川 文朗, 角 奈保子, 西川 智和, 丸山 博文, 宮地 隆史
    2019 年 59 巻 2 号 p. 102-104
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/23
    [早期公開] 公開日: 2019/01/31
    ジャーナル フリー

    症例は77歳女性.70歳頃から幻覚・妄想を認め75歳頃よりパーキンソン症状を呈していた.発症日夜間より徘徊,異常言動が出現.入院時幻視や異常言動,静止時振戦,四肢に筋強剛があった.入院時にはレビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies; DLB)を考えたが,血清抗サイログロブリン抗体価が上昇しており橋本脳症の合併を疑ってステロイドパルス療法を行い振戦や筋強剛は残存したが精神症状が改善した.後日123IイオフルパンSPECTで両側基底核尾側の集積低下を確認しDLBと診断した.入院半年後に血清抗NH2-terminal of α-enolase(NAE)抗体陽性が判明しDLBに橋本脳症が合併し免疫療法が奏功した稀な症例と考えられた.

  • 米延 友希, 石島見 佳子, 豊岡 圭子, 藤村 晴俊
    2019 年 59 巻 2 号 p. 105-108
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/23
    [早期公開] 公開日: 2019/01/31
    ジャーナル フリー

    61歳男性.肺扁平上皮癌に対し免疫チェックポイント阻害剤(immune-checkpoint inhibitors; ICIs)であるpembrolizumab導入後,第26病日に傾眠で発症した.髄液細胞数(単核球優位)と蛋白の上昇を認め,血清プロカルシトニン陽性かつ髄液adenosine deaminase(ADA)上昇から,結核を含む感染性髄膜炎の治療を開始された.意識障害が増悪し,pembrolizumabによる免疫関連副作用(immune-related adverse events; irAE)の疑いで,ステロイドパルス療法開始翌日に当院へ転院した.意識障害の改善後,認知機能低下が顕在化したため,経口ステロイドを追加し後遺症なく退院した.ICIs使用歴がある場合,原因不明の髄膜脳炎の鑑別としてirAEを疑い早急に治療を開始することが重要である.

会告
編集後記
撤回
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