46歳男性,25歳より統合失調症として抗精神病薬にて加療,35歳から頸が左に捻れ,増悪した.軽度の小脳失調,両眼の黄斑ジストロフィーも認めた.頭部MRIでは小脳萎縮と両側視床病変がみられた.家族歴はなく,遺伝学的検査では主要な脊髄小脳失調症病型は否定され,全エクソーム解析でも運動障害に関連した1,643の遺伝子に病的バリアントはみられなかった.薬剤性の遅発性ジストニアの関与が否定できないものの,dystonia with marked cerebellar atrophy(DYTCA)の概念に矛盾しないと思われた.黄斑ジストロフィー,視床病変がDYTCAに関連する可能性が考えられた.
抄録全体を表示