臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
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62 巻, 2 号
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総説
  • 立花 久大
    2022 年 62 巻 2 号 p. 105-111
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/02/19
    [早期公開] 公開日: 2022/01/31
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    片頭痛は遺伝的基盤を持つ頻度の高い疾患であり,しばしば生活に支障をもたらす.片頭痛には多くの共存症が報告されており,それらは慢性片頭痛へと進展する危険因子とされている.共存疾患の各々は独自の遺伝的荷重を有し,片頭痛といくつかの共通する特徴を有している.片頭痛共存症の同定は疾患間に共通する遺伝学的や生物学的機序を明らかにする助けとなる可能性がある.片頭痛患者の治療には多面的アプローチが必要であり,リスク因子や共存因子を同定し,減少させることを目指さなければならない.このアプローチは片頭痛の慢性化への進展を阻止し,さらに薬物に対する治療抵抗性を回避することになる.

原著
  • 大友 隆之, 荻野 桜, 柳井 清佳, 中山 さやか, 矢嶋 理沙, 菅原 麻弓, 山田 純司, 相澤 仁志, 田口 丈士, 南里 和紀
    2022 年 62 巻 2 号 p. 112-122
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/02/19
    [早期公開] 公開日: 2022/01/31
    ジャーナル フリー HTML
    電子付録

    小脳失調症関連自己抗体陽性の自己免疫性小脳失調症(autoimmune cerebellar ataxia,以下AICAと略記)では免疫治療の奏効が期待できるとされるが,検査結果と治療効果が一致しない例も報告されている.本研究では,進行性小脳失調を呈する患者の中から免疫治療有効なAICA患者をみいだすため,マウス小脳組織由来抗原に対する抗体を検出し免疫治療効果との関係を検討した.両者には有意な相関が認められ,さらに抗GAD抗体と抗グリアジン抗体検査の併用では感度94%,特異度86%で免疫治療有効患者を予測できることが示唆された.抗マウス小脳組織由来抗原抗体検査は自己免疫性機序を疑う小脳失調症患者における免疫治療施行において有益な情報を提供する可能性が考えられた.

症例報告
短報
会告
編集後記
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