本邦でのパーキンソン病(Parkinson’s disease,以下PDと略記)治療に関連する医療費の実態把握を目的とし,大規模な病院ベースの診療報酬明細書データを用いて,ホーン・ヤール(Hoehn and Yahr,以下HYと略記)重症度別のPD関連医療費を評価した.2008年4月から2018年12月の間にPDの診断があり,傷病名にHY重症度が付与されている患者約2万人を対象とした.HY重症度が高い患者ほど外来医療費は高く,同時に入院回数や入院日数が多く,入院医療費も高い傾向がみられた.本研究にはHY重症度の信頼性が確認されていないなどの限界があるものの,PD患者の医療費について大規模データベースを用いて評価したものであり,費用対効果研究等の基礎的データとしても有用と考えられる.