臨床神経学
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最新号
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依頼総説
  • 木村 暁夫
    2024 年 64 巻 2 号 p. 75-84
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/02/23
    [早期公開] 公開日: 2024/01/27
    ジャーナル オープンアクセス HTML

    グリア線維性酸性蛋白(glial fibrillary acidic protein,以下GFAPと略記)抗体関連疾患は,近年新たに提唱された免疫介在性神経疾患である.病態機序は十分解明されていないが,病理学的に血管周囲を主体とするT細胞の浸潤が報告されており,抗原特異的T細胞の関与が推測されている.主に髄膜脳炎・髄膜脳脊髄炎をきたし,意識障害,排尿障害,運動異常症,髄膜刺激徴候,認知機能障害などを呈する.脳脊髄液検査では単核球優位の細胞増多を認め,cell-based assayによりGFAP抗体が検出され,抗体の確認が確定診断に必要である.頭部MRIでは約半数に線状血管周囲放射状造影病変を認め,脊髄MRIで連続する長大な脊髄病変を認めることがある.免疫療法が奏効し,主にステロイド治療が施行されるが,難治例や再発例も存在する.

総説
  • 森本 哲, 坂本 謙一, 工藤 耕, 塩田 曜子
    2024 年 64 巻 2 号 p. 85-92
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/02/23
    [早期公開] 公開日: 2024/01/27
    ジャーナル オープンアクセス HTML

    組織球症(histiocytosis,以下HCと略記)は単球系細胞が様々な臓器に集簇し傷害する炎症性骨髄腫瘍で,ランゲルハンス細胞組織球症(Langerhans cell histiocytosis,以下LCHと略記)やエルドハイム-チェスター病(Erdheim–Chester disease,以下ECDと略記)が含まれ,BRAFV600Eを代表とする分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ(mitogen-activated protein kinase,以下MAPKと略記)経路の活性化遺伝子変異を認める.LCH例の数%は,診断後数年以上経過し初期症状が消失した時期に,左右対称性の小脳病変や脳萎縮が現れ小脳失調や高次脳機能障害が生じる.ECDにも同様の中枢神経変性症(neurodegeneration,以下NDと略記)がある.近年,MAPK阻害剤によりこれらが改善することが報告された.この中枢神経障害を原因不明のNDやHC例から早期に見出しMAPK阻害剤により治療すれば,改善が期待できる.

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