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留学生交流・指導研究
Online ISSN : 2758-4909
Print ISSN : 1343-4683
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26 巻 (2024)
25 巻 (2023)
24 巻 (2022)
23 巻 (2021)
25 巻
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日本の外国人留学生へのCOVID-19の影響
留学生を対象とした先行研究のレビューから
安 婷婷, Brian David BERRY
2023 年 25 巻 p. 7-20
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/06
DOI
https://doi.org/10.57511/coisan.25.0_7
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コロナ禍において、大学生は学習面、生活面、心理面など様々な側面において影響を受けている。 特に、留学生は帰国困難、将来への不安、差別体験などによって、様々な困難や不安を抱えている。 本研究は、日本の外国人留学生への COVID-19 の影響を明らかにするために、関連する 17 本の 研究についてレビューを行い、課題を整理し、今後の研究の方向性を示した。結果からは、日本滞在の留学生と未渡日の留学生の間に、抱える困難や不安に異なる点が見られた。また、学習言語、留学生の在籍課程によって抱える不安や困難の違いが見られた。さらに、コロナ禍が留学生の心理面にもたらす影響は大きく、彼らのメンタルヘルスが損なわれる可能性も見られた。中には、留学生の主体性、個人の成長の側面に焦点を当てた研究も見られた。今後、さらに留学生のメンタルヘルスに関する実態把握が求められると同時に、今まで以上に留学生の属性を意識した調査が求められる。
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(1471K)
留学生の権利の保護と大学の役割
コロナ禍の留学生支援を振り返っての一考察
大西 晶子
2023 年 25 巻 p. 21-34
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/06
DOI
https://doi.org/10.57511/coisan.25.0_21
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新型コロナウイルス感染症下の各大学における留学生支援の取り組みを振り返りながら、学生の権利や安全の保護のために大学が担う役割について考察を行った。感染症拡大初期には、大学の対応は国を越えて共通性が高いものであったが、留学生の権利に関する異なる捉え方を反映し、支援において大学が担う役割には変化がみられた。日本では、様々な支援が各大学において実施されてきたものの、長期化した入国制限や留学生対応の不十分さが国際的に批判を浴びた。また留学生の意見を反映させる仕組みや、留学生の権利に関する共通認識の不在によって、生じた課題に関する議論は十分には深められないままとなった。既存の学生支援の枠組では、多様な学生のニーズやコロナ禍のような想定外の危機状況への対応は十分に行えず、学生の声を聴く仕組みの構築が、国際化を進める大学においてより良い支援を実現し、学生の権利や安全を守るために必要であることを指摘した。
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(1328K)
価値観を揺るがした実地体験
メキシコに留学した日本人の証言から
新見 有紀子, 田中 京子, 星野 晶成
2023 年 25 巻 p. 35-48
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/06
DOI
https://doi.org/10.57511/coisan.25.0_35
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1971 年から継続されている日本とメキシコ両政府による交換留学プログラムでメキシコに留学した日本人元留学生へのアンケートおよびインタビュー調査の結果から、留学生の意識や価値観 がどのように揺さぶられ変化したかを明らかにした。そして具体的にどんな現地体験が価値観に 影響を与えたかについてインタビュー内容をコーディングし、考察した。留学生は、学習や生活 の中で、予測・予知ができない様々なできごとを体験し、メキシコ社会の価値体系の影響を受けて、 留学以前に持っていた価値観を問い直すことになった。特に、新しいことを積極的に経験する、 人生を楽しむことを大切にする、既成概念に捉われずに物事を考える、多様な価値観や文化背景 を持つ人々と共生するという意識が高まり、各人の方法によってその変化を生活に取り入れている。新型コロナウイルスパンデミックが契機となってオンライン留学が急速に発展しその効果が 検証されつつある中で、費用や時間の負担が大きい渡航型留学の意義が問い直されている。本稿は、渡航型留学ならではの意義について、また非伝統的留学先への留学成果について検証するにあたっての示唆となる。
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(1472K)
国際共修において教員が描く境界とその境界へのかかわり方の問い直し
2大学間の教育実践での教員の協働探究を通して
米本 和弘, 佐野 香織
2023 年 25 巻 p. 49-61
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/06
DOI
https://doi.org/10.57511/coisan.25.0_49
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近年、高等教育の「内なる国際化」の観点から、国際共修の授業が盛んに行われ、観察された学生の学びや変容の様子をもとに、その効果と可能性が指摘されている。ただ、高等教育の国際 化に関しては、課題も指摘されており、授業の方法や技術面の課題のみではなく、国際化の意味と国際共修のあり方についても議論を深める必要がある。そこで本稿では、協働で実践を行った 教員2名の協働探究を通して、教員の国際共修に対するあり方について考察することを目的とした。教員2名に対するインタビューを通し収集したデータをもとに、国際共修で直面しうる境界 に関する課題とそれに対する教員の教育観を描き出すとともに、高等教育の国際化とは何を指すのかという視点から、教員の境界へのかかわり方を論じた。国際共修というアプローチが抱えうる課題を取り上げたが、教員2名の教育実践を通して、その課題教員が常に意識的であることの重要性と、その難しさが明らかになった。
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(1118K)
オンラインによる短期海外研修に参加した学生達の内面的な変化
BEVI及びインタビューによる調査を用いた分析から
瀬尾 匡輝, 小西 達也
2023 年 25 巻 p. 63-76
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/06
DOI
https://doi.org/10.57511/coisan.25.0_63
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本稿では、BEVI による量的調査及びインタビューによる質的調査から、オンラインによる短期海外研修に参加した学生達にどのような内面的な変化が、どのようにもたらされたのかを検討する。本研究で対象とするオンラインによる短期海外研修は、日本のA大学の学生を対象にベトナムのB大学と協力して行ったものである。研修で学生は、1)タンデム学習への参加、2)B大学の学生が運営するオンライン日本語教室の支援、3)コンテンツ配信の受講、4)ベトナムのX市内の日本語学習者を対象とした一日体験フェアの企画・運営を行った。BEVI による量的な調査から、BEVIの17の尺度のうち10の項目で有意に変化しており、たとえオンラインによる海外研修であっても参加学生に内面的な変化を促せることが明らかになった。そして、インタビューによる質的な調査からは、学生達の価値観や経験に揺さぶりをかけることの大切さ、学生同士のやりとりに教員が介入しすぎないことの重要性が確認された。
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