基礎構造の震害が主因となる建物の被害形態は, 多くの場合, 不同沈下となって現れる。これを避けるには, 地盤条件を適切に把握した耐震設計を行うことはもちろんであるが, 十分に注意した施工を行うことも重要である。基礎構造の耐震設計上の問題点は多岐にわたるが, これを分類してみると, 耐震目標の設定という一般的問題をはじめとして, 地震入力, 崩壊形, 構造計画, 地盤の評価法, 設計計算法, くい材の構造性能, くい頭接合部等のそれぞれに関する問題が存在する。基礎構造の耐震設計を体系化するには, これら一つ一つの問題を解決し, 積み重ねていくことが重要である。
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