日本の最南端に位置する沖縄県は,わが国唯一の亜熱帯地域に属し,四方を海に囲まれた高温・多湿地域で,台風の来襲回数も多く,常時,海塩粒子の影響を受けており,コンクリート構造物の腐食環境としては,きわめて厳しい状況下にある。コンクリート構造物が塩害に対し十分な耐久性をもつよう,昭和58年3月に「沖縄自動車道(石川~那覇間)コンクリート構造物設計・施工指針(案)」を作成し,現在,沖縄自動車道は,この指針(案)に沿って建設が進められている。本稿は,沖縄県の塩害環境および塩害による被害例を紹介しながら,沖縄自動車道の建設におけるコンクリート構造物の塩害対策の概要を述べるものである。
抄録全体を表示