土木学会において, 1986年に「高炉スラグ微粉末の品質規格 (案) 」と1988年に「高炉スラグ微粉末を使用したコンクリートの設計施工指針 (案) 」を制定し, 日本建築学会では1992年に「高炉スラグ微粉末を用いたコンクリートの技術の現状」を取りまとめて公表した。現在では, 高炉スラグ微粉末は様々な品質のものが様々な工事目的のために精力的に研究され使用されている。品質規格に関しては, 鉄鋼スラグ協会JIS原案作成委員会では1年以上の調査研究のうえ高炉スラグ微粉末の品質を分類して3種類を規定し, 1995年3月にJISA6206「コンクリート用高炉スラグ微粉末」が公示された。これを受けて, 両学会では現在上記の指針類の見直し作業に着手している。
本稿は, この約8年間の技術の動向の内, まずJIS規格の私的な解説を行い, 次いで高流動コンクリート, 低発熱コンクリートおよび高強度コンクリートにおける高炉スラグ微粉末の作用に焦点を当てて記述する。
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