薄肉PCa板と場所打ちコンクリートによる合成床板工法が, 最近建築物の床構造に多く用いられている。合成床板工法が生まれた背景とその長所を概説した後, 合成床板工法をPCa板の構造よりRC系とPS (プレストレス) 系に大分類し, 各工法ごとにPCa板の断面形状や打ち継ぎ面の状態を紹介している。設計の基本的な考え方は, 合成前と合成後で安全性を照査することである。合成前に作用する荷重は, PCa板自重と場所打ちコンクリートおよび作業荷重であり, 積載荷重と仕上げ荷重は合成後に作用する。打ち継ぎ面のせん断応力度は, 合成構造となるための重要な照査項目であるが, 普通小さく, 大きな問題にはならない。合成床板を支持する周辺ばりの設計上の注意点も簡単に解説している。
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